過料
かりょう
行政上の秩序を維持するために、行政法規上の義務違反に対して少額の金銭を徴収するという罰則のこと。行政法学では「行政上の秩序罰」として分類している。
過料は刑罰ではないので、刑法、刑事訴訟法は適用されない。
これに対して「罰金」「科料」は刑罰であり、刑法、刑事訴訟法が適用される(詳しくは財産刑へ)。
特に刑罰である「科料」と行政上の秩序罰である「過料」は混同されやすい。そのため前者を「とがりょう」、後者を「あやまちりょう」と呼んで区別することがある。
刑罰
犯罪に対して国家が犯人に与える罰のこと。
刑罰には重い順に「死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料」があるとされている。
「懲役、禁固、拘留」は自由刑に分類され、「罰金、科料」は財産刑に分類される。
また、財産刑の付加刑として「没収」がある。
財産刑
刑罰のうち、犯人の財産を剥奪する刑罰のこと。「罰金」「科料」「没収」がある。
罰金と科料はともに、一定額の金銭を国庫に納付させるという刑罰であり、金額の違いがあるに過ぎない。
罰金は、犯罪ごとに金額が異なるが、「1万円以上」と法定されている(刑法第15条)。
科料は「1,000円以上1万円未満」である(刑法第17条)。
また没収は、主刑(死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料)の言い渡しに伴って、犯人の物の所有権を剥奪して国庫に帰属させる刑罰であり、犯罪によって得た財物や証拠品を没収するものである。