最終更新日:2023/10/24
屋根不燃区域
やねふねんくいき防火地域と準防火地域にあるすべての建築物は、耐火建築物または準耐火建築物としない場合には、その屋根を不燃材料で造り、または不燃材料でふくことが必要である(建築基準法第62条)。
しかしその反面、防火地域または準防火地域以外のエリアでは、この屋根不燃化の規定(建築基準法第62条)は適用されない。
そこで建築基準法では、こうしたエリアであっても、特定行政庁の判断により、屋根の不燃化を強制できるという制度を設けている。これが「屋根不燃区域」である。
具体的には、特定行政庁が、防火地域または準防火地域以外のある区域を「屋根不燃区域」に指定すると、その区域内では屋根を不燃材料で造り、または不燃材料でふかなければならないことになる(建築基準法第22条第1項)。
またこの「屋根不燃区域」に指定されると、外壁や軒裏について特別な防火規制をクリアしなければならないことになる(建築基準法第23条)。
この「屋根不燃区域」を指定するには、都道府県都市計画審議会または市町村都市計画審議会の意見を聞く必要がある。
実際にこの「屋根不燃区域」は、木造家屋が密集する地域などで広汎に指定され、都市の防火に大きな役割を果たしている。
-- 本文のリンク用語の解説 --
防火地域
防火地域は、都市計画で指定される地域であり、火災を防止するため特に厳しい建築制限が行なわれる地域である(建築基準法第61条)。
防火地域での建築規制は次の通りである。 1.すべての建築物は少なくとも「準耐火建築物」としなければならない。 2.次の1)または2)の建築物は必ず「耐火建築物」としなければならない。
1)階数が3以上の建築物
2)延べ面積が100平方メートルを超える建築物
ここで「階数が3以上」とは、地下の階数も含む。従って、防火地域内の地上2階地下1階の建物は耐火建築物とする必要がある。
延べ面積が100平方メートルちょうどであれば、上記2.には該当しないことにも注意したい。
なお、建築基準法第61条では、防火地域であっても次の建築物は「準耐火建築物」としなくてもよいという緩和措置を設けている。 ア.平屋建ての付属建築物で、延べ面積が50平方メートル以下のもの。
イ.門、塀
ただし上記ア.に関しては、外壁・軒裏を防火構造とし、屋根を不燃材料でふき、開口部に防火設備を設けることが必要とされている。
防火地域での建築規制は次の通りである。 1.すべての建築物は少なくとも「準耐火建築物」としなければならない。 2.次の1)または2)の建築物は必ず「耐火建築物」としなければならない。
1)階数が3以上の建築物
2)延べ面積が100平方メートルを超える建築物
ここで「階数が3以上」とは、地下の階数も含む。従って、防火地域内の地上2階地下1階の建物は耐火建築物とする必要がある。
延べ面積が100平方メートルちょうどであれば、上記2.には該当しないことにも注意したい。
なお、建築基準法第61条では、防火地域であっても次の建築物は「準耐火建築物」としなくてもよいという緩和措置を設けている。 ア.平屋建ての付属建築物で、延べ面積が50平方メートル以下のもの。
イ.門、塀
ただし上記ア.に関しては、外壁・軒裏を防火構造とし、屋根を不燃材料でふき、開口部に防火設備を設けることが必要とされている。
準防火地域
準防火地域は都市計画で指定される地域であり、火災を防止するために比較的厳しい建築制限が行なわれる地域である(建築基準法61条)。
準防火地域では、建築物は次のようなものとしなければならない。
1.地上4階以上の建築物
→必ず耐火建築物とする
2.地上3階の建築物
→延べ面積によって次の3通りに分かれる。
1)延べ面積が1,500平方メートルを超えるとき: 必ず耐火建築物とする
2)延べ面積が500平方メートルを超え、1,500平方メートル以下のとき: 少なくとも準耐火建築物とする
3)延べ面積が500平方メートル以下のとき: 少なくとも3階建て建築物の技術的基準に適合する建築物とする
3.地上1階または地上2階の建築物
→延べ面積によって次の3通りに分かれる。
1)延べ面積が1,500平方メートルを超えるとき: 必ず耐火建築物とする
2)延べ面積が500平方メートルを超え、1,500平方メートル以下のとき: 少なくとも準耐火建築物とする
3)延べ面積が500平方メートル以下のとき: 通常の建築物でも構わない ポイントを2つ挙げておく。
まず、最近多い地上3階建ての一般住宅は、上記2.の3)に該当するので、少なくとも「3階建て建築物の技術的基準」に適合する必要がある。
次に、通常の地上2階建ての一般住宅は、上記3.の3)に該当するので、原則的に特別な防火措置を講じなくてよい。ただし上記3.の3)の場合に、その建築物を木造とするためには、外壁・軒裏を「防火構造」とする必要がある。
なお、準防火地域では上記の規制のほかに、次の規制があることに留意したい。 ア.屋根の不燃化
建築物が耐火構造や準耐火構造でない場合には、その屋根は不燃材料で造り、または不燃材料でふくことが必要である。
イ.延焼の恐れのある開口部の防火措置
建築物が耐火構造や準耐火構造でない場合には、外壁の開口部(すなわち玄関や窓)で延焼を招く可能性のある部分に、防火戸など防火設備を設けなくてはならない。
→必ず耐火建築物とする
2.地上3階の建築物
→延べ面積によって次の3通りに分かれる。
1)延べ面積が1,500平方メートルを超えるとき: 必ず耐火建築物とする
2)延べ面積が500平方メートルを超え、1,500平方メートル以下のとき: 少なくとも準耐火建築物とする
3)延べ面積が500平方メートル以下のとき: 少なくとも3階建て建築物の技術的基準に適合する建築物とする
3.地上1階または地上2階の建築物
→延べ面積によって次の3通りに分かれる。
1)延べ面積が1,500平方メートルを超えるとき: 必ず耐火建築物とする
2)延べ面積が500平方メートルを超え、1,500平方メートル以下のとき: 少なくとも準耐火建築物とする
3)延べ面積が500平方メートル以下のとき: 通常の建築物でも構わない ポイントを2つ挙げておく。
まず、最近多い地上3階建ての一般住宅は、上記2.の3)に該当するので、少なくとも「3階建て建築物の技術的基準」に適合する必要がある。
次に、通常の地上2階建ての一般住宅は、上記3.の3)に該当するので、原則的に特別な防火措置を講じなくてよい。ただし上記3.の3)の場合に、その建築物を木造とするためには、外壁・軒裏を「防火構造」とする必要がある。
なお、準防火地域では上記の規制のほかに、次の規制があることに留意したい。 ア.屋根の不燃化
建築物が耐火構造や準耐火構造でない場合には、その屋根は不燃材料で造り、または不燃材料でふくことが必要である。
イ.延焼の恐れのある開口部の防火措置
建築物が耐火構造や準耐火構造でない場合には、外壁の開口部(すなわち玄関や窓)で延焼を招く可能性のある部分に、防火戸など防火設備を設けなくてはならない。
建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
耐火建築物
建築基準において、その主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)が耐火性能を満たし、かつ、延焼の恐れのある開口部(窓やドア)に防火戸など火災を遮る設備を有する建築物をいう。
この場合に、耐火性能を満たすというのは、 1.主要構造部が耐火構造であること 2.屋内で発生する火災、および周囲で発生する火災による火熱に、当該火熱が終了するまで耐えることができるとする技術基準で定める性能(構造耐力、上昇温度などに関する一定の要件)に適合すること である。
一定の特殊建築物や、都市計画で定められた防火地域内の一定の建築物は、耐火建築物としなければならない。
この場合に、耐火性能を満たすというのは、 1.主要構造部が耐火構造であること 2.屋内で発生する火災、および周囲で発生する火災による火熱に、当該火熱が終了するまで耐えることができるとする技術基準で定める性能(構造耐力、上昇温度などに関する一定の要件)に適合すること である。
一定の特殊建築物や、都市計画で定められた防火地域内の一定の建築物は、耐火建築物としなければならない。
準耐火建築物
建築基準において、耐火建築物以外の建築物のうち、その主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)が準耐火性能を満たし、かつ、延焼の恐れのある開口部(窓やドア)に防火戸など、火災を遮る設備を有する建築物をいう。
この場合、準耐火性能を満たすというのは、 1.主要構造部が準耐火構造であること 2.準耐火構造と同等の準耐火性能を有するための技術的基準(準耐火性能を確保するための方法としては、外壁を耐火化する手法、または、主要構造部を不燃材料化する手法が認められていて、それぞれの要件が定められている)に適合すること である。
一定の特殊建築物や、都市計画で定められた準防火地域内の一定の建築物は、準耐火建築物でなければならない。
この場合、準耐火性能を満たすというのは、 1.主要構造部が準耐火構造であること 2.準耐火構造と同等の準耐火性能を有するための技術的基準(準耐火性能を確保するための方法としては、外壁を耐火化する手法、または、主要構造部を不燃材料化する手法が認められていて、それぞれの要件が定められている)に適合すること である。
一定の特殊建築物や、都市計画で定められた準防火地域内の一定の建築物は、準耐火建築物でなければならない。
建築基準法
国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。
その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。
その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。
特定行政庁
建築基準行政において、建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長を、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。
人口が25万人以上の市の市長は原則として特定行政庁であるほか、それ以外の市町村長も建築主事を置くことによって特定行政庁となる。
建築主事は建築確認等の業務を行なうが、違反建築物に対する措置等は特定行政庁の業務とされている。
人口が25万人以上の市の市長は原則として特定行政庁であるほか、それ以外の市町村長も建築主事を置くことによって特定行政庁となる。
建築主事は建築確認等の業務を行なうが、違反建築物に対する措置等は特定行政庁の業務とされている。