権利能力なき社団
けんりのうりょくなきしゃだん法律の規定によらないで設立される団体をいう。
法人は法律の規定に従って設立される必要があるとされているため、権利能力なき社団は法人格を有しない。
法人には、大きく分けて、
1.一般社団法人、一般財団法人等(一般社団法人および一般財団法人に関する法律による)
2.株式会社などの営利法人(会社法による)
3.学校法人、社会福祉法人、中小企業協同組合など(特別法による)
があるが、これらの法律によって設立された法人以外の団体は、すべて権利能力なき社団である。
権利能力なき社団の多くは、同窓会、互助会、町内会、ボランティア団体など非営利目的で活動する団体である。これらの団体は、所有する不動産は代表者の個人名義または構成員の共有名義で登記しなければならない。原則として団体名義での銀行取引ができないなど、権利能力において制約がある。
なお、非営利目的で活動する団体は、一般的に、一定の要件を満たすことにより、
1.特定非営利活動促進法による認証
2.一般社団法人および一般財団法人に関する法律による設立の登記
のいずれかの方法によって法人格を得ることができる。
英語の「Non Profit Organization」を日本語に翻訳したものが「民間非営利組織」である。
民間非営利組織は、略称で「NPO(エヌ・ピー・オー)」と呼ばれるものであり、福祉・医療・教育などの問題に取り組む民間の非営利的な団体のことである。
民間非営利組織はつい最近まで「権利能力なき社団」として活動せざるを得なかったが、「特定非営利活動促進法」が98年12月に施行されたことにより、正式な法人格を取得することが可能となった。
法人格を取得した民間非営利組織は「特定非営利活動法人」と呼ばれる。