最終更新日:2017/12/8
権利能力なき社団
けんりのうりょくなきしゃだん法律の規定によらないで設立される団体をいう。
法人は法律の規定に従って設立される必要があるとされているため、権利能力なき社団は法人格を有しない。
法人には、大きく分けて、
1.一般社団法人、一般財団法人等(一般社団法人および一般財団法人に関する法律による)
2.株式会社などの営利法人(会社法による)
3.学校法人、社会福祉法人、中小企業協同組合など(特別法による)
があるが、これらの法律によって設立された法人以外の団体は、すべて権利能力なき社団である。
権利能力なき社団の多くは、同窓会、互助会、町内会、ボランティア団体など非営利目的で活動する団体である。これらの団体は、所有する不動産は代表者の個人名義または構成員の共有名義で登記しなければならない。原則として団体名義での銀行取引ができないなど、権利能力において制約がある。
なお、非営利目的で活動する団体は、一般的に、一定の要件を満たすことにより、
1.特定非営利活動促進法による認証
2.一般社団法人および一般財団法人に関する法律による設立の登記
のいずれかの方法によって法人格を得ることができる。
法人
法人の設立は、法律の規定によらなければならないとされている。
例えば、一般社団法人、一般財団法人、株式会社、学校法人、宗教法人、管理組合法人などはすべて法人である。
法人格
例えば、法人が法人名義で財産を取得したり、財産を法人名義で登記したり、契約を法人として締結することが可能である。
一般社団法人
従うべき主な準則は、
1)目的、社員資格の得喪に関する規定などを定めた定款を作成すること
2)定款中に、社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定めが無いこと
3)社員総会その他の機関を一定の手続きによって設置・運営すること(社員総会及び理事は必置であり、理事会、監事、会計監査人は定款により設置を選択できる)
4)一定の方法によって会計を処理すること
である。 一般社団法人は、主たる事務所の所在地において、準則に適合するかどうかのみの審査を経て設立の登記をすることによって成立し、名称中に「一般社団法人」という文字を独占的に使用する。
一般財団法人
従うべき主な準則は、 1)目的、設立者が拠出する財産及びその価額、評議員の選任・解任の方法などを定めた定款を作成すること
2)定款中に、理事又は理事会が評議員を選任・解任する旨、及び設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定めが無いこと
3)評議員、評議員会、理事、理事会、監事を一定の手続きによって設置・運営すること(大規模一般財団法人については会計監査人が必置)
4)一定の方法によって会計を処理すること
である。 一般財団法人は、主たる事務所の所在地において、準則に適合するかどうかのみの審査を経て設立の登記をすることによって成立し、名称中に「一般財団法人」という文字を独占的に使用する。
不動産
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
特定非営利活動促進法
この法律によって、民間の非営利団体が、その設立について都道府県知事の認証を得て法人格を付与される制度が創設された。知事の認証を得るには、 1.団体の活動が、保健・医療・福祉、社会教育、まちづくり、環境の保全、災害救援、国際協力、消費者保護など法律に定められた20種類の活動を、不特定多数の利益のために非営利で行なうことを目的としていること
2.宗教活動、政治活動などを主たる目的としていないこと などの要件を満たさなければならない。
認証を受けて設立され、法人格を付与された団体を「特定非営利活動法人」という。
英語の「Non Profit Organization」を日本語に翻訳したものが「民間非営利組織」である。
民間非営利組織は、略称で「NPO(エヌ・ピー・オー)」と呼ばれるものであり、福祉・医療・教育などの問題に取り組む民間の非営利的な団体のことである。
民間非営利組織はつい最近まで「権利能力なき社団」として活動せざるを得なかったが、「特定非営利活動促進法」が98年12月に施行されたことにより、正式な法人格を取得することが可能となった。
法人格を取得した民間非営利組織は「特定非営利活動法人」と呼ばれる。