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最終更新日:2017/12/8

景観行政団体

けいかんぎょうせいだんたい

景観法に基づき行為規制等の権限を行使する都道府県・市町村のこと。具体的には、都道府県、指定都市、中核市を指す。

ただし、指定都市・中核市以外の市町村であっても、都道府県に代わって、景観計画景観重要建造物景観重要樹木、景観協定、景観整備機構の事務を処理することにつき都道府県とあらかじめ協議した市町村であれば、景観行政団体となる(景観法第7条第1項)。

-- 本文のリンク用語の解説 --

景観法

良好な景観の形成を促進するための施策を定めた法律で、2004年6月に公布、同年12月から施行された。

この法律は、都市部だけでなく農村部等も対象にして、地域の個性を反映した柔軟な規制等によって景観の形成を図るための制度を定めており、景観に関する基本法とされる。

景観法に規定されている主な制度としては、 1.景観行政を担う主体としての景観行政団体
2.景観計画区域の指定、景観計画の策定、それにもとづく建築等の届出、デザイン・色彩に関する勧告・変更命令など
3.都市計画による景観地区の指定、建築等のデザイン・色彩、高さ等の総合的な規制、景観認定制度など
4.住民合意による景観協定
5.景観重要建造物・景観重要樹木の指定・保全 などがある。

景観計画

景観行政団体が策定する良好な景観の形成に関する計画のこと(景観法第8条第1項)。景観計画は、都市、農山漁村その他市街地または集落地域と、これと一体となって景観を形成している区域について定められる。この景観計画が定められた区域のことを「景観計画区域」という。

景観計画では、景観計画の区域(景観計画区域)、良好な景観の形成に関する方針、良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項その他が定められる(第8条第2項)。
特に行為の制限に関する事項(第8条第2項第3号)については、 1.建築物または工作物の形態または色彩その他の意匠の制限
2.建築物または工作物の高さの最高限度または最低限度
3.壁面の位置の制限または建築物の敷地面積の最低限度
4.その他第16条第1項の届出を要する行為ごとの良好な景観の形成のための制限 などの制限のうちで必要なものを定めることができる(第8条第3項)。

景観重要建造物

景観計画区域内の良好な景観の形成に重要な建造物であって、景観行政団体の長が指定した建造物のこと(これと一体となって良好な景観を形成している土地その他の物件を含む)。
景観行政団体の長は、景観計画の景観重要建造物の指定の方針に即して、景観重要建造物を指定する(法第19条第1項)。

景観重要建造物の増築、改築、移転もしくは除却、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替え、または色彩の変更をするには、景観行政団体の長の許可が必要である(景観法第22条)。

なお、文化財保護法の規定により国宝、重要文化財、特別史跡名勝天然記念物または史跡名勝天然記念物として指定され、または仮指定された建造物については、景観重要建造物に指定することができない(法第19条3項) 。

景観重要樹木

景観計画区域内の良好な景観の形成に重要な樹木であって、景観行政団体の長が指定した樹木のこと。
景観行政団体の長は、景観計画の景観重要樹木の指定の方針に即して、景観重要樹木を指定する(法第28条第1項)。
景観重要樹木の伐採または移植には、景観行政団体の長の許可が必要である(景観法第30条第1項)。

なお、文化財保護法の規定により特別史跡名勝天然記念物または史跡名勝天然記念物として指定され、または仮指定された樹木については、景観重要樹木に指定することができない(景観法第30条第2項)。