最終更新日:2023/10/24
相続登記
そうぞくとうき相続の発生に伴って、土地建物の権利者(または権利の割合)が変わった場合に、その権利の変更を登記することを「相続登記」という。
相続登記をするには、法定相続分のままで登記する場合と、遺産分割協議で決定した内容に基づいて登記する場合がある。また、有効な遺言書が存在すれば、遺言書に従って相続登記することになる。
法定相続分のままで相続登記をし、その後に遺産分割協議が成立した場合は、その協議の決定内容に基づいて再度、相続登記を申請することになる。
なお、不動産登記法の改正によって、相続登記が義務化された(2024年4月1日施行)。この場合、正式の申請に代わって、相続した旨のみを申し出ることで申請義務を履行したものとみなす仕組み(相続人申告登記)も創設されている(「相続登記の義務化」参照)。
-- 本文のリンク用語の解説 --
相続
死者の有した財産上の一切の権利義務を、特定の者が包括的に承継することをいう。
相続は、死亡のみによって、意思表示を要せず一方的に開始される。ただし、遺言により相続の財産処分について生前に意思を明らかにし、相続に反映させることができるが、この場合には、遺留分の制約がある。
財産の継承者(相続人)は、1.子・直系尊属・兄弟姉妹がこの順で先順位の者が(同順位者が複数あるときには共同して均等に)、2.配偶者は1.の者と同順位で常に、その地位を得る。子・兄弟姉妹の相続開始前の死亡や相続欠格等の場合には、その者の子が代わって相続人となる(代襲相続)。
また、相続人は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に、相続の承認、限定承認、相続放棄のいずれかの意思表示が必要である(意思表示がないときには相続の承認とみなされる)。
遺言の指定がないときの相続分(法定相続分)は、1)配偶者と子のときには、配偶者2分の1、子2分の1、2)配偶者と直系尊属のときには、配偶者3分の2、直系尊属3分の1、3)配偶者と兄弟姉妹のときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1である。 なお、法定相続分は遺言がない場合の共同相続人の権利義務継承の割合を定めたもので、遺産分割は相続人の協議等によってこれと異なる割合で行なうことができる。
財産の継承者(相続人)は、1.子・直系尊属・兄弟姉妹がこの順で先順位の者が(同順位者が複数あるときには共同して均等に)、2.配偶者は1.の者と同順位で常に、その地位を得る。子・兄弟姉妹の相続開始前の死亡や相続欠格等の場合には、その者の子が代わって相続人となる(代襲相続)。
また、相続人は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に、相続の承認、限定承認、相続放棄のいずれかの意思表示が必要である(意思表示がないときには相続の承認とみなされる)。
遺言の指定がないときの相続分(法定相続分)は、1)配偶者と子のときには、配偶者2分の1、子2分の1、2)配偶者と直系尊属のときには、配偶者3分の2、直系尊属3分の1、3)配偶者と兄弟姉妹のときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1である。 なお、法定相続分は遺言がない場合の共同相続人の権利義務継承の割合を定めたもので、遺産分割は相続人の協議等によってこれと異なる割合で行なうことができる。
遺産分割
相続財産を相続人が分けることをいう。
遺言により各相続人の取得する財産が具体的に記されている場合を除いて、相続人全員で協議して、誰が、どの財産を、どの方法で、どれだけ取得するかを決めなければならないのである。
遺産分割の協議は、民法で「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」とされている。遺産分割協議に相続人全員が参加していなかった場合は、その遺産分割協議は無効となる。
また、協議は相続人間での任意の話し合いであり、相続人全員で協議し、全員が賛成すれば、遺言や法定相続分に関係なく財産をどのように分けることも自由である。なお、協議ができないときや不調のときには、家庭裁判所で決めてもらうこととなる。
具体的な分割の方法としては、遺産そのものを現物で分ける現物分割、相続分以上の財産を取得するときにその代償として他の相続人に金銭を支払う代償分割、遺産を売却して金銭に変換したうえでその金額を分ける換価分割がある。
なお、遺産共有状態にある共有物に共有に関する規定を適用するときは、法定相続分(相続分の指定があるケースは、指定相続分)により算定した持分を基準とする。また、共有者は、裁判所の決定を得て、所在等不明共有者(氏名等不特定を含む)の不動産の持分を取得することができるが(2023年4月1日以降)、相続開始から10年を経過していなければならない。
不動産登記法
不動産の表示及び不動産に関する権利の公示のための登記制度を定めた法律。不動産登記制度は、1889(明治32)年に制定された旧不動産登記法によって創設されたが、2004(平成16)年にこれが全面改正され、2005(平成17)年3月7日から現行の不動産登記法が施行されている。
不動産登記法は、登記できる権利等、登記順位、登記所、登記記録、登記手続、登記事項の証明、筆界確定などについて定めている。たとえば、登記できる事項は、不動産(土地または建物)の表示のほか、不動産に係る所有権、地上権、抵当権、賃借権など一定の権利についての保存、設定、移転、変更、処分の制限、消滅についてである。
不動産登記法は、登記できる権利等、登記順位、登記所、登記記録、登記手続、登記事項の証明、筆界確定などについて定めている。たとえば、登記できる事項は、不動産(土地または建物)の表示のほか、不動産に係る所有権、地上権、抵当権、賃借権など一定の権利についての保存、設定、移転、変更、処分の制限、消滅についてである。
相続登記の義務化
相続や遺贈により不動産を取得した相続人に対して、相続登記の申請を義務付ける措置。不動産登記法の改正によって義務化された(2024年4月1日施行)。
相続登記を申請しなければならないのは、相続(特定財産承継遺言を含む)や遺贈により不動産を取得した相続人で、申請は、所有権を取得したことを知った日から3年以内にしなければならない。この場合、遺産分割が成立した場合にはその内容を踏まえて申請するが、成立していない場合には法定相続分で申請してかまわない。
また、相続登記の義務化と同時に、正式の申請に代わって、相続した旨のみを申し出ることで申請義務を履行したものとみなす仕組み(相続人申告登記)が創設された。
相続人申告登記は、i)所有権の登記名義人について相続が開始した旨、ii)自らがその相続人である旨を、申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出るだけで成立する。相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申し出ることができ、法定相続人の範囲及び法定相続分の割合が確定していなくても構わないとされている。この場合、遺産分割が成立したら、成立日から3年以内にその内容を踏まえた相続登記の申請を行なうこととなる。