最終更新日:2020/10/5
高齢者の居住の安定確保に関する法律
こうれいしゃのきょじゅうのあんていかくほにかんするほうりつ高齢者の居住の安定の確保を図るための措置を定めた法律で、2001(平成13)年4月に公布された。
その主要な内容は、
1.高齢者の入居を拒まない民間の賃貸住宅の登録制度の創設、2.高齢者居住に適する賃貸住宅の建築や適する住宅にするための改良に対する支援措置、3.賃借人の死亡に至るまで契約が存続する賃貸借契約制度の創設
である。
1.によって登録された住宅が「高齢者円滑入居賃貸住宅」、2.の支援の対象となる住宅が「高齢者向け優良賃貸住宅」、3.による住宅の賃貸借が「終身建物賃貸借」である。
-- 本文のリンク用語の解説 --
建築
「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されている(建築基準法第2条第13号)。
高齢者円滑入居賃貸住宅
高齢者の入居を拒まない賃貸住宅として、都道府県知事(またはその指定を受けた登録機関)に登録されている住宅をいう。
高齢者の入居に適する構造、設備となっているとは限らないが、家賃について債務保証を受けることができる。また、登録情報は一般に公開されている。 なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。
高齢者の入居に適する構造、設備となっているとは限らないが、家賃について債務保証を受けることができる。また、登録情報は一般に公開されている。 なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。
高齢者向け優良賃貸住宅
高齢者の居住に適する構造、設備を備え、緊急時に対応したサービスを提供する住宅として都道府県知事の認定を受けた賃貸住宅をいう。
規模、バリアフリー化、緊急時サービスなどの基準を満たして認定されると、その整備に要する費用の一部について国および地方公共団体の補助を受けることができる他、家賃の減額に要する費用の助成、税制上の優遇措置、融資に際しての優遇などがある。
高齢者向け優良賃貸住宅は、高齢者円滑入居賃貸住宅(高齢者の入居を拒まない賃貸住宅)としての登録が義務付けられている。 なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。
規模、バリアフリー化、緊急時サービスなどの基準を満たして認定されると、その整備に要する費用の一部について国および地方公共団体の補助を受けることができる他、家賃の減額に要する費用の助成、税制上の優遇措置、融資に際しての優遇などがある。
高齢者向け優良賃貸住宅は、高齢者円滑入居賃貸住宅(高齢者の入居を拒まない賃貸住宅)としての登録が義務付けられている。 なお、2011年10月の「改正高齢者住まい法」の施行に伴い、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。
賃貸借
ある目的物を有償で使用収益させること、あるいはそれを約する契約をいう(賃貸借契約)。
賃貸借契約の締結によって、貸主(賃貸人)は目的物を使用収益させること、目的物を修繕すること等の債務を、借主(賃借人)は賃料を支払うこと、目的物を返還する際に原状回復すること等の債務をそれぞれ負うことになる(従って双務契約である)。
民法では、あらゆる賃貸借契約について、 1.契約期間は最長でも50年を超えることができない、2.存続期間の定めがない場合にはいつでも解約の申し出ができる、3.賃貸人の承諾がない限り賃借人は賃借権の譲渡・転貸ができない、4.目的物が不動産の場合には賃借人は登記がない限り第三者に対抗できない 等と規定している。
しかしながら、不動産の賃貸借は通常は長期にわたり、また、居住の安定を確保するために賃借人を保護すべしという社会的な要請も強い。そこで、不動産の賃貸借については、民法の一般原則をそのまま適用せず、その特例として、 1.契約期間を延長し借地については最低30年とする、2.契約の更新を拒絶するには正当事由を必要とする、3.裁判所の許可による賃借権の譲渡を可能にする、4.登記がない場合にも一定の要件のもとで対抗力を認める 等の規定を適用することとされている(借地借家法。なお、契約期間等については、定期借地権など特別の契約について例外がある)。
民法では、あらゆる賃貸借契約について、 1.契約期間は最長でも50年を超えることができない、2.存続期間の定めがない場合にはいつでも解約の申し出ができる、3.賃貸人の承諾がない限り賃借人は賃借権の譲渡・転貸ができない、4.目的物が不動産の場合には賃借人は登記がない限り第三者に対抗できない 等と規定している。
しかしながら、不動産の賃貸借は通常は長期にわたり、また、居住の安定を確保するために賃借人を保護すべしという社会的な要請も強い。そこで、不動産の賃貸借については、民法の一般原則をそのまま適用せず、その特例として、 1.契約期間を延長し借地については最低30年とする、2.契約の更新を拒絶するには正当事由を必要とする、3.裁判所の許可による賃借権の譲渡を可能にする、4.登記がない場合にも一定の要件のもとで対抗力を認める 等の規定を適用することとされている(借地借家法。なお、契約期間等については、定期借地権など特別の契約について例外がある)。
終身建物賃貸借
借主の死亡のときまで存続し、借主が死亡したときに終了する建物の賃貸借契約をいう。
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」によって認められた賃貸借契約で、借地借家法の定める契約ルールの特例である。
この契約を締結する事業者は、住宅のバリアフリー化や前払い家賃の保全措置を講じるなど、一定の条件を満たした上で都道府県知事の認可を得なければならない。また、契約は公正証書等書面によらなければならないとされる。2024年の閣議決定で終身建物賃貸借の認可手続を簡素化(住宅ごとの認可から事業者の認可へ)が図られた。
この契約を締結する事業者は、住宅のバリアフリー化や前払い家賃の保全措置を講じるなど、一定の条件を満たした上で都道府県知事の認可を得なければならない。また、契約は公正証書等書面によらなければならないとされる。2024年の閣議決定で終身建物賃貸借の認可手続を簡素化(住宅ごとの認可から事業者の認可へ)が図られた。