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最終更新日:2017/12/8

金銭債権

きんせんさいけん

金銭の支払いを受けることを目的とした債権をいう。

例えば、売掛金、貸金、不動産賃料、預金などはすべて金銭債権である。

金銭債権を流動化する手法(債権を早期に現金化する手法でもある)として、売掛債権、貸金債権、不動産賃料債権などを信託し、その受益権を金融商品として販売することが行なわれている。住宅ローン債権の流動化も、その一つである。

金銭債権は特約がない限り、貨幣価値の変動を顧慮する必要はなく(ただし一般的に利息の負担を伴う)、不可抗力による履行遅延が免責されないなどの特徴があるが、その特徴は金銭債権を裏付けにした金融商品にも反映されることとなる。

-- 本文のリンク用語の解説 --

債権

私法上の概念で、ある人(債権者)が、別のある人(債務者)に対して一定の給付を請求し、それを受領・保持することができる権利をいう。

財産権の一つであり、物権とともにその主要部分を構成する。

賃料

賃貸借契約によって賃借人が支払う対価をいう。 特約がない限り後払いである。また、地代・家賃については、事情変更による増減請求権が認められている。

なお、借主が実質的に負担するのは、賃料に保証金、預かり金等の運用益を加えた額(実質賃料)である。また、共益費など賃料以外の負担を求められることも多い。

信託

財産権の移転その他の処分をなし、他人をして一定の目的に従いその財産の管理または処分をなさしめることをいう。 契約または遺言により自由に設定できる。ただし、信託を営利事業として営む場合にはさまざまな規制がある。

信託を構成するのは、特定の財産(信託財産)、財産を引き渡して管理・処分をなさしめる者(委託者)、それを委ねられる者(受託者)、その目的(信託目的)、そしてその目的に応じて成果を得る者(受益者)である。これによって、信託財産の所有権・管理処分権は受託者に帰属する一方、財産から生じる経済的な利益は受益者に帰属する。

信託の機能としては、受託者による有効な財産管理の実現(財産管理機能)、財産からの受益権の分離(転換機能)、財産が受委託者の財産から隔離・保護されること(倒産隔離機能)が重要である。また、受益者は委託者と別に存在する(もちろん委託者自身を受益者として指定してもよい)ため、信託契約の定めによって、受益する権利(信託受益権)を流通させることもできる。

委託者が自らを受益者として不動産を信託し、その後に受益権を分割して流通させれば、不動産の流動化・証券化が実現する。SPCに対応するのが受託者、SPCの発行する証券に対応するのが信託受益権証書であると考えればわかりやすい。実際にも、信託を活用した不動産の流動化・証券化の例は多い。

なお、信託の仕組みを定めた法律(信託法、1922(大正11)年制定)が、2006(平成18)年に制定以来初めて本格的に改正され、その活用の幅は大きく広がった。

特約

特別の条件を伴った契約をすることをいう。

原則として契約条件の定め方は自由であるから、どのような条件が特別であるかについては判断の幅があるが、一般的な条件とは異なる利益を伴うものをさすと理解されている。

ただし、強行規定(法令によって当事者の合意如何にかかわらず適用される規定)に反する条件は当事者が合意しても無効である。