弁済業務保証金分担金
べんさいぎょうむほしょうきんぶんたんきん
宅地建物取引業者がその取引により生じた債務に関して当該業者に代わって弁済する業務を行なう団体(宅地建物取引業保証協会)に対して、その加入者が負担する金銭をいう。
宅地建物取引業者は、原則として営業保証金を供託しなければならないが、宅地建物取引業保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納入すればその必要はない。
協会が弁済する価額の限度は営業保証金によって弁済される価額の限度と同じであるが、業者が負担する分担金額は営業保証金よりも少ない額に設定されている。また、協会は、納付された分担金に相当する金銭を供託しなければならない。
宅地建物取引業者
宅地建物取引業者とは、宅地建物取引業免許を受けて、宅地建物取引業を営む者のことである(宅地建物取引業法第2条第3号)。
宅地建物取引業者には、法人業者と個人業者がいる。
なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。
宅地建物取引業保証協会
宅地建物取引業により生じた債権の弁済(弁済業務)、債務の連帯保証(一般保証業務)、苦情の解決、研修などを行なう社団法人(現在は、公益社団法人または一般社団法人)で、国土交通大臣の指定したものをいう。
その社員は、営業保証金の供託を必要としないかわりに、弁済業務保証金分担金(主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円)を納付しなければならない。
現在指定を受けているのは、(公社)全国宅地建物取引業保証協会および(公社)不動産保証協会の2つの団体である。
営業保証金
宅地建物取引業者が営業を開始するにあたって、供託所に供託しなければならない金銭。この保証金は、宅地建物取引業者との取引によって生じた債権の履行を担保する機能を果たす。
営業保証金の額は、主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円である。
なお、宅地建物取引業保証協会の社員は営業保証金を供託する必要はなく、代わりに同協会に対して弁済業務保証金分担金を納付しなければならないとされている。分担金の額は、主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円である。
営業保証金
宅地建物取引業者が営業を開始するにあたって、供託所に供託しなければならない金銭。この保証金は、宅地建物取引業者との取引によって生じた債権の履行を担保する機能を果たす。
営業保証金の額は、主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円である。
なお、宅地建物取引業保証協会の社員は営業保証金を供託する必要はなく、代わりに同協会に対して弁済業務保証金分担金を納付しなければならないとされている。分担金の額は、主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円である。
供託
法令の規定により、金銭、有価証券、その他の物件を地方法務局などにある供託所または一定の者に寄託することをいう。
供託は、弁済供託(債務者が債権者の受領拒絶、受領不能、債権者を確知できない場合等に弁済を目的としてするもの)、担保保証供託(後の支払を確保を担保するもの)、執行供託(民事執行の目的たる金銭または換価代金を当事者に交付するためのもの)、保管供託(他人の物を直ちに処分し得ないときに一時保管するためのもの)、没収供託(公職選挙立候補者の供託のように没収に備えるためのもの)の5種類に分類できる。また、そのための手続きは、供託法に定められている。
宅地建物取引業を営む場合には、営業保証金を供託しなければならないとされているが、宅地建物取引業保証協会の社員はその必要はなく、別途弁済業務保証金分担金を納付することとされている。