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最終更新日:2023/10/24

市街地開発事業

しがいちかいはつじぎょう

市街地を開発または整備する事業のこと。

具体的には、都市計画法第12条に掲げられた次の6種類の事業を「市街地開発事業」と呼ぶ。

1.都市再開発法 による「市街地再開発事業」
2.大都市地域における住宅および住宅地の供給の促進に関する特別措置法による「住宅街区整備事業
3.土地区画整理法による「土地区画整理事業
4.新住宅市街地開発法による「新住宅市街地開発事業
5.首都圏の近郊整備地帯および都市開発区域の整備に関する法律による「工業団地造成事業」または近畿圏の近郊整備区域および都市開発区域の整備及び開発に関する法律による「工業団地造成事業」
6.新都市基盤整備法 による「新都市基盤整備事業

1)市街地開発事業の決定主体
市街地開発事業は、市街地を開発・整備する事業であり、原則として都道府県知事が主体となって都市計画として決定する(ただし比較的小規模な「市街地再開発事業」「住宅街区整備事業」「土地区画整理事業」については市町村が決定する(都市計画法施行令第10条)。

2)市街地開発事業を定めることができる土地
市街地開発事業は、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)においてのみ定めることができる(都市計画法第13条第1項第13号)。

3)建築等の制限
市街地開発事業が都市計画として決定されると、その市街地開発事業が実行される土地(これを「市街地開発事業の施行区域」という)では、その事業の妨げになるような建築物の建築等が厳しく制限される(詳しくは市街地開発事業の施行区域内の制限へ)。

4)施行予定者を定めたとき
上記4.5.6.の市街地開発事業については、都市計画で「施行予定者」を定めることが可能である(都市計画法第12条第5項)。
「施行予定者」を定めた場合には、原則として2年以内に都市計画事業の認可を申請しなければならない(都市計画法第60条の2)。
また、いったん施行予定者を定めた以上は、施行予定者を定めないものへと計画を変更することは許されない(都市計画法第12条第6項)。

-- 本文のリンク用語の解説 --

都市計画法

都市計画に関する制度を定めた法律で、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、1968(昭和43)年に制定された。

この法律は、1919(大正8)年に制定された旧都市計画法を受け継ぐもので、都市を計画的に整備するための基本的な仕組みを規定している。

主な規定として、都市計画の内容と決定方法、都市計画による規制(都市計画制限)、都市計画による都市整備事業の実施(都市計画事業)などに関する事項が定められている。

住宅街区整備事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、大都市地域で住宅や住宅地を供給するために実施される事業をいう。

都市計画で指定された住宅街区整備促進区域内において施行され、土地の区画形質の変更、公共施設の整備、共同住宅の建設などによって住宅の供給を促進する役割を担う。

事業手法の特徴は、従前の権利者に対して、土地区画整理事業と同様に事業によって整備した相応の土地を与える(換地、このとき減歩を伴う)ほか、事業によって建設する共同住宅の相応の持分を与える(権利変換、これにより宅地が立体化される)方法を併用することである。

また、区域内に集合農地地区を整備し、そこへ換地することによって従前の権利者が農業を継続できるようにすることも可能である。

住宅街区整備事業は、土地区画整理事業よりもさらに住宅建設への誘導効果が高いと考えられているが、事業の仕組みはより複雑なものとなるなどの理由により、実際の施行例は数例に留まっている。

なお、事業の仕組みは、「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」に規定されている。

土地区画整理法

土地区画整理事業を実施するために必要な事項を定めた法律で、1954(昭和29)年に制定された。この法律制定以前は、土地区画整理事業は、旧都市計画法または特別都市計画法の規定によって実施されていた(「土地区画整理事業」についての詳細は、当該用語を参照)。

土地区画整理法には、 1.個人施行者、土地区画整理組合など事業施行者の要件等
2.事業計画
3.事業に伴う権利制限、損失補償等
4.換地処分その他の権利調整等の手続き などが規定されている。

土地区画整理事業

市街地を面的に整備するために、土地の区画形質の変更や公共施設の整備を行なう事業の一つで、土地区画整理法に従って実施されるものをいう。

この事業の実施によって、例えば、不整形な土地や袋地が解消され、道路や公園が整備されることとなる。

土地区画整理事業の特徴は、 1.権利変換による土地の交換・分合(換地)という手法を採用すること
2.新たに必要となる公共用地を土地所有者が平等に提供するという仕組み(減歩)によって生み出すこと である。 また、事業によって宅地の評価が増価するが、その一部を事業に充てるという受益者負担の考え方が取り入れられていることも大きな特徴である。

日本においては、農地から市街地への土地利用の計画的な転換、大震災後の市街地復興、街路網の整備などの手法として多用されてきた。

新住宅市街地開発事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、住宅に対する需要が著しく多い地域において良好な住宅市街地の開発を目的として実施される事業をいう。

宅地の造成、公共施設の整備、造成された宅地の処分などによって、住区(住宅市街地の単位で、1ha当たり80人から300人を基準として6,000人から1万人が居住することができる地区)を形成することにより、住宅地を供給する役割を担う。

事業手法は、事業区域の土地を全面的に買収し(最終的には収用できる)、造成した宅地を住宅の需要者に売却する方法であるが、売却する際に、原則として譲受人を公募すべきこと、譲受人に住宅の建築義務を課すこと、義務違反等の場合の買い戻し特約を付すことなどが必要とされていることが特徴である。
これは、最終的には収用することになる土地を別の私人に譲り渡すことになるため、宅地処分の公共性を確保する必要があるとされる。

大都市圏の近郊に大規模な住宅市街地を建設するために活用され、多摩ニュータウン、千葉ニュータウンなどはこの事業によって建設された。

なお、事業の仕組みは「新住宅市街地開発法」に規定されている。

工業団地造成事業(市街地開発事業としての〜)

工業団地造成事業は、一般的には工場が立地するのにふさわしい土地を造成する事業をいう。

しかし、都市計画で定められる市街地開発事業の一つとされるのは、そのうちの特定の事業である。

市街地開発事業とされる工業団地造成事業は、首都圏の近郊整備地帯内または都市開発区域内、近畿圏の近郊整備区域内または都市開発区域内において、工場敷地の造成、道路、排水施設等の整備などによって、首都圏や近畿圏の秩序ある工業立地を図る役割を担う。

事業は、事業区域の土地を全面的に買収し(最終的には収用できる)、造成した工場敷地を工場経営者に売却する方法で行なわれる。
敷地の譲り渡しに当たっては、譲受人の公募、工場建設計画の承認、権利処分の制限などが必要である。

事業の仕組みは、「首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律」または「近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律」に規定されている。

新都市基盤整備事業

都市計画に定める市街地整備事業の一つで、大都市圏の周辺に新都市を建設することを目的に実施される事業をいう。

都市の基盤となる根幹公共施設用地、開発を誘導する地区用地などを整備し、1ha当たり100人から300人を基準として5万人以上が居住できる規模の新都市の基盤を形成する役割を担う。
その背景には、大都市圏へ著しく人口が集中することに対応する必要があったとされている。

事業手法の特徴は、まず対象区域の一定割合を買収した上で、土地区画整理事業と同様の換地を行なって、根幹公共施設用地や開発を誘導する地区用地を確保・整備することである。
この場合、地権者は、所有地の一定割合を売却した上で(最終的には収用されることとなる)、残りの土地に相応する整備され土地が与えられる。つまり、土地買収と土地区画整理の手法を組み合わせる方法が用いられる。

実際に施行された事業は、一つもない。

都市計画

土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画であって、都市計画の決定手続により定められた計画のこと(都市計画法第4条第1号)。
具体的には都市計画とは次の1.から11.のことである。

1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2)
2.都市再開発方針等(同法第7条の2)
3.区域区分(同法第7条)
4.地域地区(同法第8条)
5.促進区域(同法第10条の2)
6.遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3)
7.被災市街地復興推進地域(同法第10条の4)
8.都市施設(同法第11条)
9.市街地開発事業(同法第12条)
10.市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2)
11.地区計画等(同法第12条の4) 注:
・上記1.から11.の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8.の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。
・上記4.の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。
・上記1.から11.の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。

市街化区域

都市計画によって定められた、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。

一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まる。

市街化区域内では、必ず用途地域が指定されている。

区域区分が定められていない都市計画区域

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。

一つの都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することを「区域区分」(または「線引き」)と呼ぶが、この「区域区分」がされていない都市計画区域が「区域区分が定められていない都市計画区域」である。

「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも呼ばれている(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが平成12年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)。

1.趣旨
都市計画法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定しているので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に存在している(詳しくは「区域区分」へ)。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域であるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可の規制も緩やかである。

2.土地利用の規制について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることができるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていない都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれることがある。なお、この「非線引き白地地域」では用途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。

3.都市施設等について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、都市施設のうち少なくとも「道路、公園、下水道」を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。
また、市街地開発事業、促進区域を定めることも可能である(都市計画法第13条第1項第13号・第8号)。

4.開発許可について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用される。ただし、開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000平方メートル以上」とされている。ちなみに、市街化区域では開発許可を受けるべき開発の面積は「1,000平方メートル以上」である。

ただし、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都市計画法施行令第19条)。
また開発許可の基準については、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに都市計画法第33条の基準(技術的基準)だけを満たせば、開発許可が与えられる。つまり、区域区分が定められていない都市計画区域に対しては、都市計画法第34条の基準(市街化調整区域の開発許可の基準)は適用されない。

非線引き区域

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。
法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」である。

一つの都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することを「区域区分」(または「線引き」)と呼ぶが、この「区域区分」がされていない都市計画区域が「区域区分が定められていない都市計画区域」である。

「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも呼ばれている(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが2000(平成12)年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)。

1.趣旨
都市計画法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定しているので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に存在している(詳しくは「区域区分」へ)。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域であるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可の規制も緩やかである。

2.土地利用の規制について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることができるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていない都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれることがある。なお、この「非線引き白地地域」では用途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。

3.都市施設等について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、都市施設のうち少なくとも「道路、公園、下水道」を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。
また市街地開発事業、促進区域を定めることも可能である(都市計画法第13条第1項第13号・第8号)。

4.開発許可について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用される。ただし、開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000平方メートル以上」とされている。ちなみに、市街化区域では開発許可を受けるべき開発の面積は「1,000平方メートル以上」である。

ただし、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都市計画法施行令第19条)。
また、開発許可の基準については、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに都市計画法第33条の基準(技術的基準)だけを満たせば、開発許可が与えられる。つまり、区域区分が定められていない都市計画区域に対しては、都市計画法第34条の基準(市街化調整区域の開発許可の基準)は適用されない。

建築

「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されている(建築基準法第2条第13号)。

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。

これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備

上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

市街地開発事業の施行区域内の制限

都市計画の告示があった日から、都市計画で定められた市街地開発事業の施行区域において適用される建築制限のこと。
(市街地開発事業の「施行区域」とは、市街地開発事業が実行される予定の区域という意味であり、市街地開発事業の「地理的な範囲」を指す言葉である(都市計 画法第12条第2項)。この「施行区域」において実際に工事等が開始されるのは、都市計画事業の認可を受けた日以降である。)

1.趣旨
都市計画の告示(都市計画法第20条第1項)により市街地開発事業の都市計画が正式に効力を生ずると、その市街地開発事業の施行区域内では、近い将来において市街地開発事業に関する工事等が実行されることとなる。
そこで、こうした将来の事業の実行に対して障害となる恐れのある行為(建築行為)は原則的に禁止しておくのが望ましい。このような理由により、都市計画の告示の日以降は、市街地開発事業の施行区域では下記2.から6.の建築制限が適用されるのである。
(なお、都市施設の区域でも下記2.から6.と同一の建築制限が行なわれる。「都市計画施設の区域内の制限」参照)

2.建築制限のあらまし
都市計画の告示があった日以降、市街地開発事業の施行区域において、建築物を建築するためには知事(指定都市等では市長)の許可が必要である(都市計画法第53条第1項)。この許可について次の点が重要である。
1)建築物の建築には許可が必要。ここで建築とは「新築、増築、改築、移転」を指す(都市計画法第4条第10項)。
2)土地の形質変更(宅地造成等)は許可が不要。工作物の建設も許可が不要。
3)容易に移転除却ができる建築物や都市計画に適合した建築物については、知事(指定都市等では市長)は必ず建築を許可しなければならない(下記3.へ)。
4)軽易な行為などを行なう場合には、知事(指定都市等では市長)の許可は不要(下記4.へ)。
5)知事(指定都市等では市長)が指定した土地(これを「事業予定地」という)では、上記ウ)が適用されない(下記5.へ)。
6)市街地開発事業の都市計画に「施行予定者」が定められている場合には、さらに厳しい制限が課せられる(下記6.へ)。

3.建築が許可される要件
市街地開発事業の施行区域内の建築制限は、将来の事業の実行において障害になるような建築を排除する趣旨であるので、障害にならない建築については知事(指定都市等では市長)は必ず許可をしなければならない。
具体的には、次の1)または2)のどちらか一方に該当すれば必ず許可される(都市計画法第54条)。
1)都市計画に適合すること(市街地開発事業に関する都市計画に適合しているような建築は排除する必要がないので、許可される)
2)建築しようとする建築物の主要構造部が木造・鉄骨造等で、階数が2階以下で地階を有しないものであり、かつ容易に移転しまたは除却できること(木造・鉄骨造等とは「木造、鉄骨造、コンクリートブロック造、その他これらに類する構造」を指す。すなわち移転除却が容易な構造のことである)

4.建築許可が不要とされる要件
管理行為、軽易な行為(※)、非常災害のため応急措置として行なう行為、都市計画事業の施行として行なう行為については、建築の許可が不要である(都市計画法第53条第1項)。
(※軽易な行為として「木造で階数が2以下で地階を有しない建築物の改築」「木造で階数が2以下で地階を有しない建築物の移転」が定められている)

5.事業予定地について
4種類の市街地開発事業の施行区域内の土地はすべて「事業予定地」と呼ばれる(都市計画法第55条第1項)(※1)。この事業予定地では、上記3.の要件を満たす建築であっても不許可となる場合がある(詳しくは事業予定地内の制限へ)。
(※1 4種類の市街地開発事業とは「市街地再開発事業」「住宅街区整備事業」「新住宅市街地開発事業」「工業団地造成事業」)

6.施行予定者が定められている場合について
市街地開発事業の都市計画において「施行予定者」が定められている場合には、さらに厳しい制限が課せられる(詳しくは市街地開発事業等予定区域の区域内の制限へ)。

都市計画事業

都道府県知事等の認可・承認を受けて行なわれる、都市計画施設の整備に関する事業および市街地開発事業をいう。 都市計画施設とは、都市計画で定められた道路、公園、下水道など。市街地開発事業とは、都市計画で定められた土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業などである。その施行者は原則として市町村であるが、一定の要件のもと、国の機関等が施行することもできる。

都市計画事業として認可・承認されると、 1.事業地内での建築、土地の形質の変更等に当たって許可が必要となること、2.事業地内の土地建物等の譲渡等に当たって届出を要し、事業の施行者がその土地建物等を先買いができること(買い取る旨の通知をすれば契約が成立する形成権である)、3.事業地内の土地について施工者に対して土地の買い取りを請求できること、4.土地収用法上、事業認定を受けたとみなされる(土地収用できる事業として認められる)こと 等の効果が生まれる。