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最終更新日:2017/12/8

都市洪水想定区域

としこうずいそうていくいき

都市河川において、洪水予防の目標となるべき降雨が生じた場合に洪水(破堤、溢水による外水の流入)による浸水が想定される区域をいい、「特定都市河川浸水被害対策法」に基づいて国土交通大臣または都道府県知事が指定する。

都市洪水想定区域については、市町村地域防災計画において、浸水の発生または発生の恐れに関する情報の伝達方法、避難場所など、都市洪水が生じたときの円滑かつ迅速な避難の確保を図ることとされている。

なお、同様の降雨によって都市浸水(下水道等の排水施設や公共の水域に雨水を排出できないことによる内水による浸水)が想定されるとして指定される区域を「都市浸水想定区域」という。
内水排除によって河川水位が上昇するなど、都市洪水と都市浸水とは相互に影響を及ぼす関係にあることから、都市の浸水被害対策に当たっては両者を一体的に考えなければならない。

-- 本文のリンク用語の解説 --

特定都市河川浸水被害対策法

都市河川の流域における浸水被害対策を定めた法律。 2004(平成16 )年に公布された。治水を、流域対策を含めて実施するための仕組みを定めていることが特徴である。 この法律で定められている主要な対策事項は次の通りである。 1.特定都市河川及び特定都市河川流域の指定  著しい浸水被害が発生し、またはその恐れがあって、通常の河川整備による浸水被害の防止が市街化の進展により困難な河川およびその流域を指定する。指定は、国土交通大臣または都道府県知事が行なう。 2.流域水害対策計画の策定  浸水被害の防止を図るための流域水害対策計画を策定する。同計画は、河川管理者、下水道管理者、都道府県知事および市町村長が共同して作成し、  1)河川管理者による雨水貯留浸透施設の整備  2)事業実施によって利益を受ける地方公共団体間の費用負担  3)条例による下水道排水設備の貯留浸透化の義務付け などについて定める。 3.雨水の流出の抑制のための規制等  1)著しい雨水の流出増をもたらす一定規模以上の行為についての都道府県知事の許可、許可に当たっての雨水貯留浸透施設の設置義務付け  2)一定規模以上の防災調整池を保全調整池として都道府県知事が指定、埋立等の行為についての都道府県知事に対する届出を義務付け  3)地方公共団体による保全調整池の所有者との承継効を有する協定の締結と当該保全調整池の管理 4.都市洪水想定区域及び都市浸水想定区域の指定等  1)都市洪水(河川の氾濫)または都市浸水(内水による溢水・湛水)により浸水が想定される区域を都市洪水想定区域・都市浸水想定区域として指定・公表  2)地下街管理者による浸水時の避難等に関する計画作成および公表の努力義務 貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域の指定  1)浸入した水や雨水を一時的に貯留する機能を有する土地の区域を貯留機能保全区域として指定し、盛り土などの行為の届出を義務付け  2)洪水や雨水の出水によって建築物が損壊・浸水し、著しい危害が生じる恐れがあると認められる土地の区域を浸水被害防止区域として指定し、特定の開発行為について許可を得ることを義務付け

地域防災計画

地方自治体が策定する防災に関する基本的な計画で、災害対策基本法に基づいて作成されている。

地域防災計画において定める事項は、災害の類型ごとに、予防・事前対策、応急対策、復旧・復興対策として行なうべき事項とその実施責任についてである。

計画においては、災害は次のように類型化されている。
1.自然災害:地震災害、津波災害、風水害、火山災害、雪害
2.事故災害:海上災害、航空災害、鉄道災害、道路災害、原子力災害、危険物等災害、大規模火事災害、林野災害

また、具体的な対策事項は災害の類型ごとに異なるが、例えば地震災害については、地域の実情などに応じて、
1)予防・事前対策:地震の想定、防災啓蒙活動、観測、防災訓練など
2)応急対策:情報の収集連絡、救急援助、消火、交通確保、避難収容、保健衛生、社会秩序の維持、応急復旧など
3)復旧・復興対策:方針決定、原状復旧、被災者支援、被災中小企業復興など
が記述されている。

なお、地域防災計画とは別に、行政機関や公共機関は、災害時にそれぞれの役割を果たすべく防災業務計画を策定している。
災害対策は、防災・救援・復旧・復興の各段階をたどるが、関係者の具体的な行動は、地域防災計画および防災業務計画に沿って実施されることとなる。

下水道

下水を排除するために設置する施設の総称で、配水管等、処理施設、ポンプ施設などから構成される。

下水道には、汚水と雨水とを別々に排除する方法(分流式)によるものと、両者を同時に排除する方法(合流式)によるものとの2つの種類がある。また、汚水を排除する下水道には、下水を河川や海域に放流すべく処理するための終末処理場が設けられている。

下水道によって下水が排除される区域(下水道の排水区域)内においては、建築物の所有者等は、原則としてその土地の下水を下水道に流入させるための施設(排水設備)を設置しなければならず、また、汚水を終末処理場で処理できる区域(下水道の処理区域)内で汲取り便所が設けられている建築物を所有する者は、一定期間内にその便所を水洗便所に改造しなければならないなどの義務を負う。