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最終更新日:2017/12/8

管理所有(マンションにおける〜)

かんりしょゆう

マンションの共用部分を、特定の者が管理することをいう。
一般に共用部分の管理は区分所有者が共同で行なうが、マンション管理規約で定めることによって共用部分の管理をマンション管理業者等に委ねることができ、管理所有はそのための方法である。従って、共用部分の所有者(管理所有者)は、それを区分所有者全体の利益のために管理しなければならない。

共用部分の所有について権利の登記はできず、管理所有者が共用部分の重大変更行為などを行う場合には管理組合集会の議決等を要する。また、管理所有されている共用部分の管理費用は区分所有者が負担することになる。

-- 本文のリンク用語の解説 --

区分所有者

分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物を「区分所有建物」という。 この区分所有建物において、建物の独立した各部分のことを「専有部分」という。 区分所有者とは、この専有部分を所有する者のことである(詳しくは「区分所有建物」参照)。

管理規約(区分所有法による〜)

区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に基づいて定める規約。区分所有法では単に「規約」と表記しているが、一般的に「管理規約」と呼ばれている。 建物、敷地、附属施設の管理・使用に関する区分所有者相互間の事項が規定されている。また、区分所有者全員の利害に関係しない一部共用部に関する事項については、共用する区分所有者の規約で定めることもできる。 管理規約を定める場合には、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならないとされる。また、規約によって区分所有者以外の者の権利を害することはできない。 管理規約の設定、変更、廃止は、区分所有者の集会において、区分所有者の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の決議(特別決議)によって決する。 管理規約に定める事項については特に定めはないが、国土交通省はマンション標準管理規約を公表し、参考に供している。マンション標準管理規約は、単棟型、団地型、複合用途型に分けて示されており、管理規約に定めるべきとされる主要な事項は次のとおりである。 1.敷地、建物、付属施設の範囲
2.共用部分の範囲
3.敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合
4.専用使用権の範囲
5.敷地利用権と専有部分の分離処分の可否
6.使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定
7.集会、管理組合、理事会、会計等に関する事項 なお、管理規約は集会で設定されるべきものであるが、マンション分譲業者が最初にマンションの全部を所有している場合には、次の事項に限っては、公正証書で定めることによって、集会を経ずに管理規約を設定することができるとされている。

1.規約共用部分
2.規約敷地
3.専有部分と敷地利用権の分離処分の可否
4.敷地利用権の共有持分の割合

共用部分

分譲マンションのような区分所有建物について、区分所有者が全員で共有している建物の部分を「共用部分」という。 その反対に各区分所有者がそれぞれ単独で所有している部分は「専有部分」と呼ばれる。

具体的には、次の3つのものが「共用部分」である(区分所有法第2条)。

1.その性質上区分所有者が共同で使用する部分(廊下、階段、エレベーター、エントランス、バルコニー、外壁など)
2.専有部分に属さない建物の付属物(専有部分の外部にある電気・ガス・水道設備など)
3.本来は専有部分となることができるが、管理規約の定めにより共用部分とされたもの(管理人室・集会室など)

このような1.〜3.の共用部分は、原則として区分所有者全員の共有である(区分所有法第11条)。

また共用部分は共有であるため、各区分所有者はそれぞれ共用部分に関する共有持分を持っていることになる。
この共有持分の割合は、原則として、専有部分の床面積(専有面積)の割合に等しい(区分所有法第14条)が、この割合は規約により変えることができる。

また区分所有者は、その共用部分の共有持分のみを自由に売却等することはできない(区分所有法第15条)。

マンション管理業者

マンション管理業を行なう者であって、国土交通大臣の登録を受け、マンション管理業者名簿に登録された者を「マンション管理業者」という(マンション管理適正化法第2条第8号)。

マンション管理業者は、その事務所ごとに、30の管理組合の事務を委託されるごとに1名の割合で、専任の管理業務主任者を置く義務がある(マンション管理適正化法第56条)。

マンション管理業者は、管理組合と管理委託契約を締結する際には、契約締結前の重要事項説明を管理業務主任者に行なわせる義務がある(マンション管理適正化法第72条)。

また契約成立時に交付する書面(通常は管理委託契約書を指す)には、管理業務主任者が記名する必要がある。なお、紙の書面に代えて政令で定めるところにより電磁的交付をおこなうこともできることになっている。(マンション管理適正化法第73条)。 マンション管理業者は毎年、管理組合等に報告を行なう義務がある(マンション管理適正化法第77条)。