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最終更新日:2017/12/8

登記の欠缺

とうきのけんけつ

すべき登記がされていないことをいう。登記の欠缺があると、原則として登記による法律効果を享受できない。たとえば、不動産の権利変動に関する登記が欠缺していると、その変動について第三者に対抗することができない。

なお、詐欺脅迫によって登記を妨げた第三者は登記の欠缺を主張できないとされているほか、登記の欠缺を主張することが信義則に反する場合にはその援用は認められないと解されている。

-- 本文のリンク用語の解説 --

詐欺

詐欺とは、他人を騙すことにより、その者に誤った動機を抱かせることである。いい換えれば、詐欺とは他人を動機の錯誤に陥れることであるということができる。
詐欺により動機の錯誤に陥れられた者が、その錯誤にもとづいて意思表示を行なった場合には、その意思表示は取り消すことができる(民法第96条第1項)。

ただし、詐欺とは社会通念に反する違法性を帯びている場合に限られるので、例えば「この土地は値上がりするはずだ」と単に告げる程度では詐欺に該当しない。
また、詐欺と意思表示との間には因果関係が必要とされており、詐欺が動機を決定付けた場合にのみ、その詐欺にもとづく意思表示は取消しが可能なものとなる。

詐欺により法律行為が行なわれた場合に、詐欺があったことを知らない(=善意でかつ過失がない)第三者は原則的に保護されるべきである。民法では第96条第3項でこのような第三者を保護している(詳しくは詐欺における第三者保護へ)。
なお、詐欺は取引の当事者が行なう場合だけでなく、当事者以外の者が行なう場合もある。これは第三者詐欺と呼ばれ、民法第96条第2項が適用される(詳しくは第三者詐欺へ)。

脅迫

私法上の概念で、人に恐怖心を抱かせて自由な意思決定を妨げる行為をいう。

強迫は不法行為とされ、強迫によってなされた意思表示は取り消すことができる。この場合、第三者への対抗も有効のほか、損害賠償請求なども可能である。
なお、「脅迫」は刑法上の用語で強迫とは別の概念であるが、事実上重なることが多い。

また、心理学で使われる「強迫」は全く別の用語である。

信義則(信義誠実の原則)

権利の行使および義務の履行は、信義に従い誠実に行なわなければならないとする原則をいう。 この原則は、契約の趣旨を解釈する基準にもなるとされ、当事者相互が、相手方が持つであろう正当な期待に沿うように行動することを要請しているのである。

どのような場合に信義誠実の原則を適用するかは、具体的な事情に応じて決定するほかない。例えば、不動産仲介業会社は、直接の委託関係はなくとも、業者の介入に信頼して取引を成すに至った第三者一般に対しても信義誠実を旨とし、権利者の真偽につき格別に注意する等の業務上の一般的注意義務があるとする判例もある。判断に当たって、置かれた立場や社会的な信頼などが考慮されるということである。

なお、民事訴訟法は、当事者の訴訟行為について信義誠実義務を課しているが、これは一般的な信義誠実の原則とは別のより厳密な義務であると考えてよい。