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最終更新日:2023/9/13

適格消費者団体

てきかくしょうひしゃだんたい

不特定多数の消費者の利益のために、事業者に対して不当な行為の停止や予防を請求すること(差止請求権)が認められている団体をいう。一定の要件を満たした上で内閣総理大臣の認定を受ける必要がある(消費者契約法)。

消費者契約等において不当な行為を理由に契約を取り消すことができるのは原則としてその当事者であるが、適格消費者団体は、そのような不当な行為に対する差止請求権を付与され、その行使等によって消費者被害の防止や消費者救済を図る役割を果たす。

なお、適格消費者団体による差止請求の対象となる不当な行為は、(1)消費者契約法に規定されている不実告知、不利益事実の非告知など、(2)不当景品類および不当表示防止法に規定されている不当な表示、(3)特定商取引に関する法律に規定されている訪問販売、通信販売、電話勧誘販売等に係る不実告知、威迫行為など、である。

-- 本文のリンク用語の解説 --

消費者契約法

消費者(個人)と事業者との間で締結される契約(消費者契約)について、消費者の保護を図るための特例を定めた法律で、2001(平成13)年3月に施行された。

この法律では、消費者が契約の締結について勧誘された際に、 1.重要事項説明について事実と異なることを告げられたこと、2.将来の変動が不確実な事項について断定的判断が提供されたこと、3.重要事項について不利益となる事実が告げられなかったこと、4.勧誘の場所から事業者が退去しないまたは自らの退去を妨げられたこと、退去困難な場所に同行され勧誘を受けたこと、第三者に相談するために電話等で連絡することを威迫等をもって妨げられたこと 等により誤認や困惑したときには、契約の申込みや承諾の意思表示を取り消すことができることとしている。

また、消費者契約について、事業者の損害賠償の責任を免除する一定の条項、消費者が支払う損害賠償の額を予定する一定の条項、消費者の利益を一方的に害する条項については、これを無効することを規定している。

なお、消費者は個人であるとされるが、事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合には消費者とはみなされず、その契約に対しては消費者契約法は適用されない。また、事業には非営利事業も含むとされている。

これらの規定は、すべて消費者契約(労働契約を除く)について民法の特例を定めるもので、不動産の売買や賃貸借、あるいはそれらを仲介する契約に対しても適用される。ただし、宅地建物取引業法は消費者契約法の特別法であり、両者が競合する場合には、前者の規定が優先して適用される。

消費者契約

消費者(個人)と事業者との間で締結される契約で、労働契約を除いたものをいう。

消費者契約については、消費者の保護を図るために民法の特例が定められていて、事業者の損害賠償の責任を免除する一定の条項、消費者が支払う損害賠償の額を予定する一定の条項、消費者の利益を一方的に害する条項は無効となるほか、契約締結の勧誘の際に一定の行為によって誤認や困惑したときには、契約の申し込みや承諾の意思表示を取り消すことができる(消費者契約法)。

個人(事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合を除く)と締結する不動産の売買や賃貸借、あるいはそれらを仲介する契約も消費者契約であり消費者契約法が適用されるが、宅地建物取引業法の規定と競合する場合には、宅地建物取引業法の規定が優先して適用される。

契約

対立する2個以上の意思表示の合致によって成立する法律行為のこと。

具体的には、売買契約、賃貸借契約、請負契約などのように、一方が申し込み、他方が承諾するという関係にある法律行為である。

適格消費者団体

不特定多数の消費者の利益のために、事業者に対して不当な行為の停止や予防を請求すること(差止請求権)が認められている団体をいう。一定の要件を満たした上で内閣総理大臣の認定を受ける必要がある(消費者契約法)。 消費者契約等において不当な行為を理由に契約を取り消すことができるのは原則としてその当事者であるが、適格消費者団体は、そのような不当な行為に対する差止請求権を付与され、その行使等によって消費者被害の防止や消費者救済を図る役割を果たす。 なお、適格消費者団体による差止請求の対象となる不当な行為は、(1)消費者契約法に規定されている不実告知、不利益事実の非告知など、(2)不当景品類および不当表示防止法に規定されている不当な表示、(3)特定商取引に関する法律に規定されている訪問販売、通信販売、電話勧誘販売等に係る不実告知、威迫行為など、である。

不実告知

取引の勧誘などにおいて客観的事実と異なる説明をすること。 消費者契約(宅地建物の販売・賃貸契約もこれに当たる、ただし事業のためのものは除く)においては、重要事項について不実告知がなされて消費者が誤認した場合には、契約を取り消すことができる。 また、宅地建物取引業法は、宅地建物取引業者が重要事項等の説明において不実告知をした場合には、国土交通大臣又は都道府県知事は業務停止等を命令できるとしている。