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最終更新日:2017/12/8

取次

とりつぎ

私法上の概念で、自己の名をもって、他人のために(経済的な効果が他人に帰属するように)法律行為をなすことを引き受ける行為をいう。商行為の一つで、問屋(物品の売買を行なう)や運送取扱人(物品の運搬を行なう)はこれに該当する。また、取次契約役務提供型契約である。

取次の法律的な性格は、代理や委任に類似するが、一定の場合には自らが取引の相手になること(介入権)が認められていること、問屋においては自ら債務を履行する義務を負うこと、運送取扱人においては運送品滅失等について損害賠償責任を負うことなどの特徴がある。

-- 本文のリンク用語の解説 --

私法

法のうち市民相互の関係を規律付けるものをいう。 国民と国家との関係を規律付けるのが「公法」であり、法の体系は、私法と公法の大きな2つの類型に分けることができる。

私法は、市民の相互関係を対象とする規律であるから、自由平等の関係を基盤に、私益を調整することを目的とする。一方、公法は、支配服従の関係を定めて公益の実現をめざすことに特徴があるとされる。

私法の一般法は民法である。民法の基本原理は、 1.法の下の平等、2.私的財産権の絶対性、3.契約自由の原則(私的自治)、4.過失責任主義 であるとされるが、これらの原理はいずれも私法の基本的な特徴でもある。私法を構成する代表的な法律は、民法のほか、借地借家法、商法、会社法などである。

私法と公法とを区分することに対しては、私的活動に対する行政の関与が拡大することに伴って両者を区分する必然性が薄れたこと、労働法や産業法のような公益上の理由で市民相互の関係を規律付ける法律分野(社会法といわれ、私法と公法の中間的な性格を持つとされる)が出現したことなどにより、その意味を失ったという意見もあるが、法の本質的な性格を明確にする基本的な視点を提供すること、法概念を分析するための基盤となることなど、区分することの理論的な有効性はいまなお失われていない。

契約

対立する2個以上の意思表示の合致によって成立する法律行為のこと。

具体的には、売買契約、賃貸借契約、請負契約などのように、一方が申し込み、他方が承諾するという関係にある法律行為である。

役務提供型契約

私法上の概念で、役務(労働サービス)の提供に関する契約をいい、売買、賃貸借と並ぶ主要な契約類型のひとつである。民法で規定されている雇用、請負、委任、寄託のほか、商法上の仲立、問屋、運送などのための契約がこれに該当する。また、不動産取引の仲介(媒介)契約も役務提供型契約である。 役務提供型契約は、提供する役務・サービスの性質に応じて、有償・無償の別、成果物引渡の要否、報酬請求のあり方などについてさまざまなかたちがあり、発生する権利義務関係も多様である。そのため、民法で規定されている契約(典型契約)の既定によっては十分に対応できないのではないか、当事者間の交渉力等の違いによって利益を害することのないように配慮する必要があるのではないかなどの視点から、役務提供型契約の共通ルールを定めること等の必要性について議論がある。

代理(宅地建物取引業法における〜)

不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)の一つ。

宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主の代理人や買主の代理人となって(または貸主の代理人や、借主の代理人となって)、取引成立に向けて活動するという意味である。

債務

私法上の概念で、ある人(債権者)に対して一定の給付をなすべき義務をいう。

債務を負っているのが債務者である。

損害賠償

違法行為によって損害が生じた場合に、その損害を填補することをいう。

債務不履行や不法行為などの違法な事実があり、その事実と損害の発生とに因果関係があれば損害賠償義務を負うことになる。その損害は、財産的か精神的かを問わず、積極的(実際に発生した損害)か消極的(逸失利益など)かも問わず填補の対象となる。
ただし、その範囲は、通常生ずべき損害とされ、当事者に予見可能性がない損害は対象とはならない(相当因果関係、因果の連鎖は無限に続くため、予見可能性の範囲に留めるという趣旨)。

損害賠償は原則として金銭でなされる。また、損害を受けた者に過失があるときは賠償額は減額され(過失相殺)、損害と同時に利益もあれば賠償額から控除される(損益相殺)。

なお、同じように損害の填補であっても、適法な行為(公権力の行使)によって生じた不利益に対する填補は、「損失補償」といわれて区別される。