容積率移転
ようせきりついてん
未利用の容積率を隣接・近接する土地に移転して活用することをいう。土地の高度利用手法のひとつである。
容積率移転の方法には、都市計画で特例容積率適用地区、特定街区、容積移転型地区計画等を決定する方法、建築基準法による総合設計、連担建築物設計等の制度を適用する方法がある。
たとえば東京駅上空の容積率は、近接する高層ビルに移転されている。
容積率
延べ面積を敷地面積で割った値のこと。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の延べ面積が90平方メートルならば、この住宅の容積率は90%ということになる。
建物の容積率の限度は、原則的には用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
さらに、前面道路の幅が狭い等の場合には、指定された容積率を使い切ることができないケースもあるので、注意が必要である。
特定街区
都市計画において、市街地の整備改善を図るために街区の整備を行なう区域として指定された地区をいう。
特定街区内では、一般的な建築規制を撤廃して、建築物の容積率、建築物の高さの最高限度、壁面の位置についてのみが特別に指定される。比較的自由に大規模な建築物の建築が可能となることから、大規模な都市開発プロジェクトにおいてよく活用される制度である。
建築基準法
国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。
その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。