GPIF
じーぴーあいえふ
年金積立金管理運用独立行政法人。GPIFはその英語名Government Pension Investment Fundの略。機関投資家のひとつである。
GPIFは、厚生労働大臣の委託に基づいて、厚生年金および国民年金の積立金の管理および運用を行ない、その収益を国庫に納付する業務を実施する。
積立金の運用は、基本的には信託銀行または投資顧問会社に委託される。その場合の運用の基本方針は、
・分散投資を基本とし、長期的な観点からの資産構成割合(基本ポートフォリオ)に基づいて運用すること
・各資産ごとのベンチマーク(たとえば国内株式についてはTOPIX)収益率を確保すること
としている。
基本ポートフォリオを構成する資産の大部分は、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式であるが、短期資産や金融派生商品(デリバティブ)に対する投資も認められている。
機関投資家
個人ではなく、企業体として投資する組織をいう。
例えば、銀行や保険会社のような金融機関(預かっている預金や保険金の運用)、年金基金(年金掛け金の運用)、証券会社や投資ファンドのような資産運用組織などがこれに相当し、投資の目的や方針は多様である。
機関投資家は、個人投資家に比べて市場において強い発言力を持つことができる。また、金融商品取引法において、証券会社、銀行、保険会社、年金資金運用基金などは適格機関投資家とされており、取引の規制において特例が適用される。
ポートフォリオ(Portfolio)
投資家が保有する投資資産の集合をいう。
株式、債券、投資信託、不動産などはいずれも投資資産であり、投資家はこれらを全体として管理する。
リスクとリターンはトレードオフ関係にあるから、性格の異なった複数の資産や銘柄に分散して投資することによって安定的で高い収益を上げることができるとされている。
このように、投資資産の組合せに配慮した運用をポートフォリオ運用と呼ぶ。
投資
金銭を金融商品等に変換し、あるいは事業に充当して利益を得る行為。株式、債券、不動産などを取得して配当等を受け取る方法、それらを売買して差額を得る方法、事業に出資する方法などがある。
例えば、「株式投資」または「不動産投資」は株式または不動産を金銭運用の対象とする投資、「投資信託」は投資利益を証券化した金融商品で信託のしくみを使うもの、「投資ファンド」は共同で投資するために集めた資金のことである。
投資は、費用とリスクを伴う。不動産投資を例にすれば、取引に伴って税(取引の内容に応じて、不動産取得税、印紙税、譲渡所得税、固定資産税など)や手数料を負担する必要があるほか、不動産価格の変動などによって賃貸料の減少や売却損が生じる恐れがある。
なお、経済学でも「投資」という用語を使うが、その意味は、一般的な意味とはまったく違うので注意が必要である。経済学でいう「投資」は、「消費」と対比した用語で、一定期間における実物資産の増加分(使われないで次の期に積み上がる資産)をいう。この場合、「投資」は事後的に「貯蓄」と等しくなる。