エネルギー消費性能の表示
えねるぎーしょうひせいのうのひょうじ建築物の所有者が、その所有する建築物について、省エネ基準に適合する旨の認定を受け、エネルギー消費性能を表示することをいう。建築物省エネ法に基づく制度で、2016年4月1日から施行。
省エネ性能の表示は、当該建物の設計、一次エネルギー消費量の基準、一次エネルギー消費量からの削減率、両者の関係図、省エネ基準への適合などを記載することによって行なう。BELSはその評価のしくみのひとつである。
-- ここからは本文のリンク用語の解説 --
建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
省エネ基準
建築物の使用によって消費されるエネルギー量に基づいて性能を評価する場合に、その基準となる性能をいう。「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)に基づいて定められている。法令上の用語は「建築物エネルギー消費性能基準」である。
省エネ基準は、(A)一次エネルギー消費量に関する基準、(B)外皮熱性能に関する基準の二つから構成されている。
(A)一次エネルギー消費量に関する基準
すべての建物についての基準で、一定の条件のもとで算出した、空調、照明、換気、給湯等の諸設備のエネルギー消費量および太陽光発電設備等によるエネルギーの創出量
(B)外皮熱性能に関する基準
住宅についての基準で、一定の条件のもとで算出した、外壁や窓の外皮平均熱貫流率(単位外皮面積・単位温度当たりの熱損失量)および冷房期の平均日射熱取得率(単位外皮面積当たりの単位日射強度に対する日射熱取得量の割合)であって、地域の区分に応じて定める
(注:非住宅建築物についても外皮熱性能に関する基準が定められているが、これは、建築物省エネ法上の「建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)」とはされていない。)
省エネ基準は、建築物省エネ法による次のような規制、指導、表示などにおいて、その判定、指示、認定等の基準となっている。
(1)適合義務
すべての住宅・非住宅建築物は、新築時等に、一次エネルギー消費量に関する省エネ基準に適合しなければならず、基準不適合の場合には、建築確認を受けることができない。
(2)エネルギー消費性能の表示
建築物の所有者は、その建築物が省エネ基準に適合することの認定を受け、その旨を表示する。
なお、建築物のエネルギー消費性能に関する基準には、省エネ基準のほか、次のものがある。
ア)住宅トップランナー基準
住宅事業建築主に対して、その供給する建売戸建住宅・分譲マンション・賃貸アパートの省エネ性能を誘導する際に適用する基準
イ)誘導基準
省エネ性能向上計画の認定を受けて容積率の特例を受ける際の基準
省エネ基準は、(A)一次エネルギー消費量に関する基準、(B)外皮熱性能に関する基準の二つから構成されている。
(A)一次エネルギー消費量に関する基準
すべての建物についての基準で、一定の条件のもとで算出した、空調、照明、換気、給湯等の諸設備のエネルギー消費量および太陽光発電設備等によるエネルギーの創出量
(B)外皮熱性能に関する基準
住宅についての基準で、一定の条件のもとで算出した、外壁や窓の外皮平均熱貫流率(単位外皮面積・単位温度当たりの熱損失量)および冷房期の平均日射熱取得率(単位外皮面積当たりの単位日射強度に対する日射熱取得量の割合)であって、地域の区分に応じて定める
(注:非住宅建築物についても外皮熱性能に関する基準が定められているが、これは、建築物省エネ法上の「建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)」とはされていない。)
省エネ基準は、建築物省エネ法による次のような規制、指導、表示などにおいて、その判定、指示、認定等の基準となっている。
(1)適合義務
すべての住宅・非住宅建築物は、新築時等に、一次エネルギー消費量に関する省エネ基準に適合しなければならず、基準不適合の場合には、建築確認を受けることができない。
(2)エネルギー消費性能の表示
建築物の所有者は、その建築物が省エネ基準に適合することの認定を受け、その旨を表示する。
なお、建築物のエネルギー消費性能に関する基準には、省エネ基準のほか、次のものがある。
ア)住宅トップランナー基準
住宅事業建築主に対して、その供給する建売戸建住宅・分譲マンション・賃貸アパートの省エネ性能を誘導する際に適用する基準
イ)誘導基準
省エネ性能向上計画の認定を受けて容積率の特例を受ける際の基準
建築物省エネ法
「エネルギーの使用の合理化に関する法律(以下「省エネ法」という。1979(昭和54)年制定)」に基づいて行なわれてきた省エネルギー(以下「省エネ」)施策のうち、建築物に関する部分について、わが国のエネルギー消費量の3分の1を建築物関連が占めること、および2013年の東日本大震災を経て一層エネルギーの使用の改善を図る必要が明らかになったことに鑑み、特に建築物について省エネ性能の向上を図り、抜本的な対策を行なうため、大規模な建築物について新築時等における省エネ基準への適合義務を課す等の措置を定めた法律。2015年7月に公布され、2017年4月(一部は2016年4月)に施行された。制定時の名称は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」であったが、2022(令和4)年改正(「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」による改正)により、「向上」の後に「等」が追加された。
同法に規定されている主な措置は、次の通りである。
1. 建築主に対する規制措置
(1)建築物省エネ法においては、一定規模以上の非住宅建築物について、届出義務を課していたが、本法施行により、省エネ基準(一次エネルギー消費量に関する基準)への適合が義務付けられた。さらに、2022(令和4)年改正により、原則として、住宅を含むすべての建築物に対して省エネ基準への適合が義務付けられた(2025(令和7)年4月施行)。
(2)建築主は、建築基準法第6条の建築確認の手続きの際に、「建築物エネルギー消費性能確保計画」を作成し、(1)の省エネ基準の適合について、所管行政庁の判定(建築物エネルギー消費性能適合性判定)を受けなければならない。
(3)住宅事業建築主が供給する建売戸建住宅や注文住宅に関する省エネ性能の向上のために省エネ基準を超える水準の基準(住宅トップランナー基準)を定め、一定戸数以上の住宅を新築する事業主に対して、努力義務を定め、必要に応じて、省エネ性能の向上を勧告することができることとする。2022(令和4)年改正により、分譲型住宅のトップランナー制度の対象を、分譲マンションにも拡大することとなった(2023(令和5)年4月施行)。
2. 省エネ性能向上計画の認定
建物の新築および省エネ性能向上のための改修等に当たって、省エネ性能向上計画を作成し、誘導基準に適合するなどの認定を受ける制度を定める。また、認定を受けた場合には、容積率の特例を適用することとする。
3. エネルギー消費性能の表示
建築物の所有者が、その所有する建築物について省エネ基準に適合する旨の認定を受け、エネルギー消費性能を表示する制度を定める。2022(令和4)年改正により、2024(令和6)年より販売・賃貸の広告に省エネ性能を表示する制度がスタートすることになった。
4. 建築物エネルギー消費性能判定機関等の登録
建築物の省エネ基準等への適合を判定する業務を実施する機関または建築物のエネルギー消費性能を評価する業務を実施する機関が、それぞれ、国土交通大臣の登録を受ける制度を定める。登録を受けた機関は、それぞれ、「登録建築物エネルギー消費性能評価判定機関」または「登録建築物エネルギー消費性能評価機関」として、建築物省エネ法に基づく判定または評価の業務を実施できることとする。
5.建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度の創設
太陽光発電設備などの再生可能エネルギー利用設備の導入促進のため創設された(2022(令和4)年改正、2024(令和6)年4月施行)。市町村が促進計画を作成・公表することで、区域内には、建築士から建築主に対する再生可能エネルギー利用設備についての説明義務や建築基準法の形態規制の特例許可などが適用される。
同法に規定されている主な措置は、次の通りである。
1. 建築主に対する規制措置
(1)建築物省エネ法においては、一定規模以上の非住宅建築物について、届出義務を課していたが、本法施行により、省エネ基準(一次エネルギー消費量に関する基準)への適合が義務付けられた。さらに、2022(令和4)年改正により、原則として、住宅を含むすべての建築物に対して省エネ基準への適合が義務付けられた(2025(令和7)年4月施行)。
(2)建築主は、建築基準法第6条の建築確認の手続きの際に、「建築物エネルギー消費性能確保計画」を作成し、(1)の省エネ基準の適合について、所管行政庁の判定(建築物エネルギー消費性能適合性判定)を受けなければならない。
(3)住宅事業建築主が供給する建売戸建住宅や注文住宅に関する省エネ性能の向上のために省エネ基準を超える水準の基準(住宅トップランナー基準)を定め、一定戸数以上の住宅を新築する事業主に対して、努力義務を定め、必要に応じて、省エネ性能の向上を勧告することができることとする。2022(令和4)年改正により、分譲型住宅のトップランナー制度の対象を、分譲マンションにも拡大することとなった(2023(令和5)年4月施行)。
2. 省エネ性能向上計画の認定
建物の新築および省エネ性能向上のための改修等に当たって、省エネ性能向上計画を作成し、誘導基準に適合するなどの認定を受ける制度を定める。また、認定を受けた場合には、容積率の特例を適用することとする。
3. エネルギー消費性能の表示
建築物の所有者が、その所有する建築物について省エネ基準に適合する旨の認定を受け、エネルギー消費性能を表示する制度を定める。2022(令和4)年改正により、2024(令和6)年より販売・賃貸の広告に省エネ性能を表示する制度がスタートすることになった。
4. 建築物エネルギー消費性能判定機関等の登録
建築物の省エネ基準等への適合を判定する業務を実施する機関または建築物のエネルギー消費性能を評価する業務を実施する機関が、それぞれ、国土交通大臣の登録を受ける制度を定める。登録を受けた機関は、それぞれ、「登録建築物エネルギー消費性能評価判定機関」または「登録建築物エネルギー消費性能評価機関」として、建築物省エネ法に基づく判定または評価の業務を実施できることとする。
5.建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度の創設
太陽光発電設備などの再生可能エネルギー利用設備の導入促進のため創設された(2022(令和4)年改正、2024(令和6)年4月施行)。市町村が促進計画を作成・公表することで、区域内には、建築士から建築主に対する再生可能エネルギー利用設備についての説明義務や建築基準法の形態規制の特例許可などが適用される。
一次エネルギー消費量
建築物のエネルギー消費性能を評価するときの評価指標のひとつで、建物の利用に伴う直接的なエネルギー消費量(エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を含む)をいう。この数値が小さいほど省エネの程度は大きい。
非住宅建築物については、空気調和設備、空調設備以外の機械換気設備、照明設備、給湯設備、エレベーター、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。
住宅については、暖房設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。
その具体的な算定方法は、国土交通大臣が定めることとされているが、いずれも、一年当たりのエネルギー量(メガジュール/年)で表される。
省エネの程度を評価する場合の一次エネルギー消費量は、省エネ基準を1とすれば、誘導基準は、非住宅建築物については0.8倍、住宅については0.9倍、住宅トップランナー基準は0.85倍(建売戸建住宅)の水準に設定されている。
非住宅建築物については、空気調和設備、空調設備以外の機械換気設備、照明設備、給湯設備、エレベーター、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。
住宅については、暖房設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。
その具体的な算定方法は、国土交通大臣が定めることとされているが、いずれも、一年当たりのエネルギー量(メガジュール/年)で表される。
省エネの程度を評価する場合の一次エネルギー消費量は、省エネ基準を1とすれば、誘導基準は、非住宅建築物については0.8倍、住宅については0.9倍、住宅トップランナー基準は0.85倍(建売戸建住宅)の水準に設定されている。
BELS
建築物のエネルギー消費の状態を第三者が一定の方法で評価し、当該建築物の省エネルギー性能を表示する制度をいう。Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略語。
BELSの評価に用いる指標および手法は、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」によって、住宅、非住宅に分けて定められているが、基本的には、建築設備(冷暖房・照明等の設備で家電・OA機器等を除く)によって生じるエネルギー量および建物外皮における熱収支を測定し、基準と比較する方法による。また、省エネルギー性能の表示は、一般に、性能水準に応じて星印による5段階のマークで示される。
「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」は、建築物の販売・賃貸事業者に対して省エネ性能を表示する努力義務を課しているが、BELSによって表示すれば、これを満たすことになる。
BELSの評価に用いる指標および手法は、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」によって、住宅、非住宅に分けて定められているが、基本的には、建築設備(冷暖房・照明等の設備で家電・OA機器等を除く)によって生じるエネルギー量および建物外皮における熱収支を測定し、基準と比較する方法による。また、省エネルギー性能の表示は、一般に、性能水準に応じて星印による5段階のマークで示される。
「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」は、建築物の販売・賃貸事業者に対して省エネ性能を表示する努力義務を課しているが、BELSによって表示すれば、これを満たすことになる。
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