最終更新日:2024/4/9
一次エネルギー消費量
いちじえねるぎーしょうひりょう建築物のエネルギー消費性能を評価するときの評価指標のひとつで、建物の利用に伴う直接的なエネルギー消費量(エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を含む)をいう。この数値が小さいほど省エネの程度は大きい。
非住宅建築物については、空気調和設備、空調設備以外の機械換気設備、照明設備、給湯設備、エレベーター、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。
住宅については、暖房設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。
その具体的な算定方法は、国土交通大臣が定めることとされているが、いずれも、一年当たりのエネルギー量(メガジュール/年)で表される。
省エネの程度を評価する場合の一次エネルギー消費量は、省エネ基準を1とすれば、誘導基準は、非住宅建築物については0.8倍、住宅については0.9倍、住宅トップランナー基準は0.85倍(建売戸建住宅)の水準に設定されている。
-- 本文のリンク用語の解説 --
建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
建物
民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。
具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。
省エネ基準
建築物の使用によって消費されるエネルギー量に基づいて性能を評価する場合に、その基準となる性能をいう。「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)に基づいて定められている。法令上の用語は「建築物エネルギー消費性能基準」である。
省エネ基準は、(A)一次エネルギー消費量に関する基準、(B)外皮熱性能に関する基準の二つから構成されている。
(A)一次エネルギー消費量に関する基準
すべての建物についての基準で、一定の条件のもとで算出した、空調、照明、換気、給湯等の諸設備のエネルギー消費量および太陽光発電設備等によるエネルギーの創出量
(B)外皮熱性能に関する基準
住宅についての基準で、一定の条件のもとで算出した、外壁や窓の外皮平均熱貫流率(単位外皮面積・単位温度当たりの熱損失量)および冷房期の平均日射熱取得率(単位外皮面積当たりの単位日射強度に対する日射熱取得量の割合)であって、地域の区分に応じて定める
(注:非住宅建築物についても外皮熱性能に関する基準が定められているが、これは、建築物省エネ法上の「建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)」とはされていない。)
省エネ基準は、建築物省エネ法による次のような規制、指導、表示などにおいて、その判定、指示、認定等の基準となっている。
(1)適合義務
一定規模以上の非住宅建築物は、新築時等に、一次エネルギー消費量に関する省エネ基準に適合しなければならず、基準不適合の場合には、建築確認を受けることができない。
(2)届出義務
一定規模以上の建築物(住宅、非住宅建築物)について、新増改築時に、エネルギー消費性能の確保のための構造および設備に関する計画を届け出なければならず、省エネ基準に適合しない場合には、必要に応じて指示・命令がなされる。
(3)エネルギー消費性能の表示
建築物の所有者は、その建築物が省エネ基準に適合することの認定を受け、その旨を表示することができる。
なお、建築物のエネルギー消費性能に関する基準には、省エネ基準のほか、次のものがある。
ア)住宅トップランナー基準
住宅事業建築主に対して、その供給する建売戸建住宅の省エネ性能を誘導する際に適用する基準
イ)誘導基準
省エネ性能向上計画の認定を受けて容積率の特例を受ける際の基準
省エネ基準は、(A)一次エネルギー消費量に関する基準、(B)外皮熱性能に関する基準の二つから構成されている。
(A)一次エネルギー消費量に関する基準
すべての建物についての基準で、一定の条件のもとで算出した、空調、照明、換気、給湯等の諸設備のエネルギー消費量および太陽光発電設備等によるエネルギーの創出量
(B)外皮熱性能に関する基準
住宅についての基準で、一定の条件のもとで算出した、外壁や窓の外皮平均熱貫流率(単位外皮面積・単位温度当たりの熱損失量)および冷房期の平均日射熱取得率(単位外皮面積当たりの単位日射強度に対する日射熱取得量の割合)であって、地域の区分に応じて定める
(注:非住宅建築物についても外皮熱性能に関する基準が定められているが、これは、建築物省エネ法上の「建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)」とはされていない。)
省エネ基準は、建築物省エネ法による次のような規制、指導、表示などにおいて、その判定、指示、認定等の基準となっている。
(1)適合義務
一定規模以上の非住宅建築物は、新築時等に、一次エネルギー消費量に関する省エネ基準に適合しなければならず、基準不適合の場合には、建築確認を受けることができない。
(2)届出義務
一定規模以上の建築物(住宅、非住宅建築物)について、新増改築時に、エネルギー消費性能の確保のための構造および設備に関する計画を届け出なければならず、省エネ基準に適合しない場合には、必要に応じて指示・命令がなされる。
(3)エネルギー消費性能の表示
建築物の所有者は、その建築物が省エネ基準に適合することの認定を受け、その旨を表示することができる。
なお、建築物のエネルギー消費性能に関する基準には、省エネ基準のほか、次のものがある。
ア)住宅トップランナー基準
住宅事業建築主に対して、その供給する建売戸建住宅の省エネ性能を誘導する際に適用する基準
イ)誘導基準
省エネ性能向上計画の認定を受けて容積率の特例を受ける際の基準
誘導基準(省エネについての〜)
省エネ性能の向上の促進を誘導すべき基準で、省エネ性能向上計画の認定に当たって適合しなければならないエネルギー消費性能とされている。建築物省エネ法に基づいて定められている。2016年4月1日から施行。
誘導基準は、省エネ基準よりも高い水準の性能が定められている。その概要は次の通りである。
1 非住宅建築物について
イ)外皮熱性能に関する基準
一定の条件のもとで算出し、地域の区分に応じて定める、屋内周囲空間(外気に接する壁から5m以内の屋内空間、屋根直下階の屋内空間および外気に接する床直上の屋内空間、「ペリメータゾーン」という)の単位ペリメータゾーン床面積当たり年間熱負荷
ロ)一次エネルギー消費量に関する基準
省エネ基準の0.8倍
2 住宅について
イ)外皮熱性能に関する基準
省エネ基準と同じ
ロ)一次エネルギー消費量に関する基準
省エネ基準の0.9倍
誘導基準は、省エネ基準よりも高い水準の性能が定められている。その概要は次の通りである。
1 非住宅建築物について
イ)外皮熱性能に関する基準
一定の条件のもとで算出し、地域の区分に応じて定める、屋内周囲空間(外気に接する壁から5m以内の屋内空間、屋根直下階の屋内空間および外気に接する床直上の屋内空間、「ペリメータゾーン」という)の単位ペリメータゾーン床面積当たり年間熱負荷
ロ)一次エネルギー消費量に関する基準
省エネ基準の0.8倍
2 住宅について
イ)外皮熱性能に関する基準
省エネ基準と同じ
ロ)一次エネルギー消費量に関する基準
省エネ基準の0.9倍
住宅トップランナー基準
一戸建て住宅についてのエネルギー消費性能の向上促進のための基準で、住宅供給事業において適合すべきとされる。建築物省エネ法に基づいて定められている。
基準は、(1)外皮熱性能について省エネ基準に適合すること、(2)一次エネルギー消費量を省エネ基準に比べて一定割合(建売戸建住宅は15%、注文戸建住宅は20%(将来は25%)、賃貸アパートは10%)を削減することとされている。
また、年間供給量が一定数(建売戸建住宅は150戸、注文戸建住宅は300戸、賃貸アパートは1,000戸)以上の建築主であって住宅トップランナー基準に適合しない者に対しては、必要がある場合には、国土交通大臣は省エネ性能の向上を勧告することができ、その勧告に従わなかった場合にはその旨を公表できるとされている。