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最終更新日:2023/9/13

登録免許税の軽減措置(住宅の建物部分)

とうろくめんきょぜいのけいげんそち(じゅうたくのたてものぶぶん)

住宅の建物部分に係る登記に対する登録免許税率の軽減措置。


次の要件を満たす住宅の建物部分についての登録免許税率が次のように軽減されている。


・要件

 1)自己の居住用であること

 2)住宅の建物部分の登記簿上の床面積が50平方メートル以上であること

 3)新耐震基準に適合している住宅であること(登記簿上の建築日が昭和57年1月1日以降の家屋については新耐震基準に適合しているとみなす)

・登録免許税率
 1)所有権の保存登記…建物価額の0.15%(本則は0.4%)

 2)所有権の移転登記…建物価額の0.3%(本則は2%)

 3)抵当権の設定登記…債権金額の0.1%(本則は0.4%)




また、認定長期優良住宅および認定低炭素住宅の所有権の保存登記等、特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記については、さらに低い税率が適用される。

ただし、これらの特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。

-- 本文のリンク用語の解説 --

登録免許税

不動産の所有権を登記する場合や、抵当権を登記する場合に、登記所で納付する国税のことである。登録免許税は一般には「登記料」などと呼ばれることも多い。 登録免許税は、原則的には現金で納付し、その領収証書を登記申請書に貼付するが、その税額が3万円以下の場合には印紙によって納付することができる。 登録免許税の税率は、登記の種類ごとに「登録免許税法」によって定められている。 なお、住宅の建物部分や土地に関する所有権の移転、保存などの登記については、時限的に、登録免許税の軽減措置が講じられている。(詳細は、「登録免許税の軽減措置(住宅の建物部分)」「登録免許税の軽減措置(土地)」を参照。) また、土地を相続登記する場合の登録免許税は、法務大臣が指定する土地について免除される。ただし、この特例の適用には期限があるので注意が必要である。  

登記簿

登記記録が記録される帳簿のこと。
従来は、登記簿とはバインダーに閉じられた登記用紙の帳簿を指していたが、新しい不動産登記法(2005(平成17)年3月7日施行)では、磁気ディスクなどをもって調製される帳簿を、登記簿と呼ぶことが原則になった。

床面積

建築物の各階において、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積をいう(建築基準法施行令第2条1項3号)。

なお具体的な床面積の判定の方法については、建設省(現国土交通省)が、通達(昭和61年4月30日付建設省住指発第115号)によって詳しい基準を設けている。

新耐震基準

建築物の設計において適用される地震に耐えることのできる構造の基準で、1981(昭和56)年6月1日以降の建築確認において適用されている基準をいう。

これに対して、その前日まで適用されていた基準を「旧耐震基準」という。

新耐震基準は、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されている。技術的には、地震力が加えられた場合の構造部材に生じる応力が許容応力以下であるだけでなく、一定以上の規模の建物については、靱性(粘り強さ)を確保することが求められる。また、建物強度のバランスも必要とされる。

なお、旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないような構造基準として設定されていた。

所有権の保存の登記

初めてする所有権の登記のこと。登記記録上では、権利部の甲区に「所有権保存 所有者A」のように記載される。

所有権の保存の登記をすることができるのは、原則として、表題部所有者である(不動産登記法第74条)。

所有権

法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。 物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。
近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。

土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。

抵当権

債権を保全するために、債務者(または物上保証人)が、その所有する不動産に設定する担保権のこと。債務者(または物上保証人)がその不動産の使用収益を継続できる点が不動産質と異なっている。 債権が弁済されない場合には、債権者は抵当権に基づいて、担保である不動産を競売に付して、その競売の代金を自己の債権の弁済にあてることができる。

認定長期優良住宅

長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられているとして、行政庁が認定した住宅をいう。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅普及促進法)」に基づく制度である。

長期優良住宅として認定されるためには、次の基準を満たさなければならない。
1)長期使用構造等に関する基準
 i)劣化対策:構造躯体が少なくとも100年程度の間継続して使用できること
 ii)耐震性:大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制すること
 iii)可変性:ライフスタイルの変化等に応じて構造・設備の変更を容易にすること
 iv)維持管理・更新の容易性:内装・設備の維持管理を容易に実施できること
 v)省エネルギー性:断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること
 vi)バリアフリー性:バリアフリー改修に対応するためのスペースが確保されていること(共同住宅について)
2)地区計画、景観計画、建築協定等と調和していること
3) 自然災害による被害の発生の防止または軽減に配慮されたものであること
4)良好な居住水準を確保するために必要な住戸面積が確保されていること
5)維持保全計画を策定し、構造耐力上の主要部、雨水の浸入を防止する部分、給水・排水設備について、少なくとも10年ごとに点検すること

認定長期優良住宅の新築等に対しては、税制上の優遇措置(住宅ローン減税の上乗せ、性能強化費用の一部についての所得税額の特別控除、登録免許税等の軽減)や容積率の特例が適用される。

認定低炭素住宅

二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であるとして行政庁が認定した住宅をいう。「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく制度である。

低炭素住宅は、市街化区域等の区域内に建築される住宅であって、次の基準を満たす場合に認定される。
1)外皮の断熱性能が省エネルギー法に基づく省エネルギー誘導基準と同等以上であり、かつ、一次エネルギー消費量が省エネルギー基準に比べて一定割合少ないこと
2)低炭素化に資する一定の措置(節水対策、エネルギーマネジメント、ヒートアンランド対策、躯体の低炭素化、再生可能エネルギーの導入に関する事項のうち一定のもの)が講じられていること

認定低炭素住宅の新築等に対しては、税制上の優遇措置(住宅ローン減税の上乗せ、性能強化費用の一部についての所得税額の特別控除、登録免許税等の軽減)や容積率の特例が適用される。