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最終更新日:2017/12/8

老人福祉施設

ろうじんふくししせつ

高齢者福祉のための次の施設をいう(老人福祉法)。公共目的の施設であり、施設の種類に応じて設置できる主体が異なる。

ア)老人デイサービスセンター
通所介護、予防介護などのサービスを提供する施設
イ)老人短期入所施設
短期間入所して養護するための施設
ウ)養護老人ホーム
居宅において養護を受けることが困難な65歳以上の高齢者が入所して、その者に自立した日常生活を営むことができるよう援助する施設
エ)特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
著しい障害のため常時の介護を必要とし、居宅においてそれを受けることが困難な65歳以上の高齢者が入所して、療養上の世話を受けつつ生活を営む施設
オ)軽費老人ホームケアハウス
自立した生活を営むための援助を受けることが困難な60歳以上の高齢者が入所して、無料又は低額な料金で日常生活上必要な便宜を供与する施設
カ)老人福祉センター
無料又は低額な料金で高齢者に関する相談等に応じるとともに、高齢者に対して、健康の増進、教養の向上、レクリエーションのための便宜を供与する施設
キ)老人介護支援センター
地域の老人の福祉に関する相談等に応じるとともにとともに、居宅で介護を受ける者、その養護者、市町村、老人福祉事業者等との連絡調整などの援助を総合的に行う施設

なお、介護保険との関係をみると、エ)の入所者は介護福祉施設サービスを受けることができ、ウ)およびオ)の入所者は、一般の老人ホーム(主として営利法人が設置)の入所者やサービス付き高齢者向け住宅(サ付高齢者住宅)の居住者と同様に、特定施設入居者生活介護または訪問介護、通所介護等の居宅サービスを受けることができる。

-- 本文のリンク用語の解説 --

養護老人ホーム

心身の状態、家庭環境、経済的な理由から、自宅での生活が困難な人を対象に自立した日常生活を営み、社会活動参加に向けた訓練や援助を目的として設けられている福祉施設。
市町村が審査して必要度の高い人を優先的に入所させる措置施設のため、各自治体の福祉事務所が窓口となる。

2006年の老人福祉法改正により、特定施設入居者生活介護の指定を受けることが可能となった。
あくまでも生活困窮者のための一時的な施設という扱いで、入所の判断を市町村長が行なう「措置施設」であり、入所に当たっては各自治体の福祉課などへ申し込みが必要。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム=特養)

要介護高齢者のための生活施設で、一定の基準(居室定員1人、床面積10.65平方メートル以上など)を満たすものをいう(介護保険法)。特別養護老人ホームともいう(老人福祉法)。定員29名以下のものは、「地域密着型特別養護老人ホーム(地域密着型介護老人福祉施設)」と呼ばれる。 地方公共団体、社会福祉法人などが設置・運営する。 入居の対象は、65才以上で常時介護を必要とし、居宅では介護が困難な者(原則として要介護度3以上)とされている。入所者に対しては、入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話が提供される。

軽費老人ホーム

軽費老人ホームは、地方自治体や社会福祉法人など公的機関が設置・運営する福祉施設。
無料または低額な料金で入居でき、食事の提供、その他日常生活に必要な支援を提供する老人福祉施設の一つである。

軽費老人ホームは、給食付のA型と自炊タイプのB型、そして「居宅サービス」を提供する機能を持つケアハウスの3種類があるが、2008年にケアハウスへの一元化が決定。A型、B型は建て替え時にはケアハウスへの転換が求められる。
A型には、月収34万円以下という所得制限があり、月額費用も所得に応じて決められる。B型は、自炊できるぐらい自立していることが入居の条件。

ケアハウス

1989年にスタートした後に登場した比較的新しいタイプの軽費老人ホーム。ケア付となるので、有料老人ホームと同様に、介護保険法の特定施設となれる。

指定基準を満たす職員が配置され、居室は専有部分が21.6平方メートル以上(共同生活室を設けるユニット型の場合は15.63平方メートル以上)で、トイレ・洗面所・ミニキッチン・収納が備えられている。
費用は、家賃・事務費・生活費を月額で支払うのが一般的。

介護保険

介護サービスを提供する保険制度をいう。

2000年4月に公的な制度として導入された。
介護保険への加入は強制的であり、満40歳以上の者が被保険者となる。介護サービスを受けるには、 1.介護を要する状態であることの保険者(市町村等)による認定(要介護認定)
2.要支援・要介護の程度に応じた、ケア・マネージャーによる介護サービスのコーディネート(ケアプランの作成)
3.介護施設(介護サービス事業者)によるサービスの提供 という手順を踏まなければならない。また、介護サービスに要する費用の1割は自己負担となる(施設利用に伴う食費・居住費は別途負担)。

自己負担以外の介護保険制度を運営するための費用は、政府と被保険者が折半で負担する。被保険者が負担する保険料は、地域、所得等によって異なる他、財政の均衡を保つべく3年ごとに見直される。

提供される介護サービスの内容は、大きく介護給付と予防給付に分かれ、次のようなサービスで構成されている。 1)介護給付
・施設サービス(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など)
・居宅サービス(訪問介護、訪問看護、短期入所サービスなど)
・地域密着型サービス(小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護など)
2)予防給付
・介護予防サービス(介護予防通所介護、介護予防通所リハビリなど)
・地域密着型介護予防サービス

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

規模や設備面で高齢者が生活しやすいバリアフリーな住宅(ハード)に、介護・医療などのサービス(ソフト)が付いた住まいをいう。

ハード・ソフトの基準は以下の通り。

1. 規模・設備(ハード)
1)各専用部分の床面積は原則25平方メートル以上であること(ただし、居間、食堂、台所その他の住宅部分が、高齢者が共同して利用するのに十分な面積を有する場合は18平方メートル以上)
2)各居室部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること(ただし、共用部分に共同利用に適した台所、収納設備または浴室を備えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各戸に台所、収納設備または浴室を備えずとも可)
3)バリアフリー構造であること 2.サービス(ソフト)
1)安否確認サービスと生活相談サービスを提供すること
2)ケアの専門家(社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業者等の職員、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、ホームヘルパー1級または2級の資格保持者)が少なくとも日中、建物に常駐してサービスを供給すること

契約方式は、「賃貸借方式」と「利用権方式」の2種類。新制度では、利用権方式のトラブルを未然に防ぐために、前払金算定の基礎や返還債務の算定方法を明示するとともに、入居3ヵ月以内に契約解除または入居者死亡による契約終了となった場合に、前払金(利用控除分を除く)を返還することが定められた。

なお、従来の高齢者向け優良賃貸住宅制度(高優賃)、高齢者円滑入居賃貸住宅制度(高円賃)、高齢者専用賃貸住宅制度(高専賃)の3つが廃止、新制度に一本化され、さらに基準を満たした有料老人ホームも登録が可能となっている。

訪問介護

日常生活を支援するサービスで、自宅等の住み慣れたところで自立して生活する人に対して提供されるものをいう。狭義には、介護保険によって訪問介護員(ホームヘルパー)が提供するサービスをいう。住生活サービスのひとつと考えてよい。

訪問介護は、ア)入浴、排泄、外出介助などの身体介護サービス、イ)洗濯、掃除、調理、買い物などの生活援助サービスに大別できる。