最終更新日:2023/9/7
所在地(不動産の〜)
しょざいち(ふどうさんの〜)不動産がある場所の表示。不動産登記によるものと、住居表示によるものの2種類がある。不動産登記によるものはすべての不動産について、住居表示によるものは市街地の住居について定められている。
不動産登記に表示されている所在地と住居表示とは異なる場合が多い。不動産取引における不動産の所在地は、原則として、不動産登記に基づく表示を用いる。
(1)不動産登記によるもの(不動産登記法に基づく表示)
土地については、筆ごとに、土地の所在する市、区、郡、町、村、字の名称及び地番が定められ、登記簿に表示されている。また、建物については、建物ごとに、建物の所在する土地に従って、市、区、郡、町、村、字の名称及び土地の地番が登記簿に表示されている。
地番は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域(地番区域)ごとに登記所が定めることとなっている。土地が分筆されると新たな地番が付されるなどのため、地番が規則正しく並んでいるわけではない。
不動産取引に当たって、当該不動産を特定するための所在地の表示は、原則としてこの不動産登記による表示である。たとえば、重要事項説明書の不動産の表示欄に記載されている「所在」は、土地、建物ともこれに基づく所在地である。
(2)住居表示によるもの(住居表示に関する法律に基づく表示)
市街地の住居について、都道府県、郡、市、区及び町村の名称と、次のいずれかの方法によって定められる記号によって表示される。
1)街区方式:街区ごとに付される街区符号及び住居番号
1)道路方式:道路ごとに付される道路名及び住居番号
表示は市町村が定め、住居表示の方法と、街区符号及び住居番号(街区方式の場合)又は道路の名称及び住居番号(道路方式の場合)が告示されている。大部分の市町村は、街区方式による表示を選択している。
通常、住所を表示する場合は、この住居表示による所在地が使われる。たとえば、重要事項説明書の不動産の表示欄のうち建物について記載されている「住居表示」がこれに該当する。しかしながら、取引の対象とする不動産の所在地は、不動産登記に基づく表示を用いるのが原則である。
不動産
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
住居表示
そこで1962(昭和37)年に「住居表示に関する法律」が施行され、各建物を合理的に表示するために、各建物ごとに新しい番号(これを住居番号という)を付けることとなった。これによる建物の新しい表示の方法のことを「住居表示」と呼んでいる。 建物ごとに新しい番号を付ける方式としては、街区方式と道路方式が定められている。
不動産登記法
不動産登記法は、登記できる権利等、登記順位、登記所、登記記録、登記手続、登記事項の証明、筆界確定などについて定めている。たとえば、登記できる事項は、不動産(土地または建物)の表示のほか、不動産に係る所有権、地上権、抵当権、賃借権など一定の権利についての保存、設定、移転、変更、処分の制限、消滅についてである。
地番
なお、分筆された土地の場合には、原則として分筆の旨を示す記録・記号が付けられている。
登記簿
従来は、登記簿とはバインダーに閉じられた登記用紙の帳簿を指していたが、新しい不動産登記法(2005(平成17)年3月7日施行)では、磁気ディスクなどをもって調製される帳簿を、登記簿と呼ぶことが原則になった。
建物
登記所
分筆
重要事項説明書
重要事項説明書には説明を要する重要事項を記載しなければならず、また、書面は、宅地建物取引士が、説明して交付しなければならないとされている。 なお、2022年5月の宅地建物取引業法の改正で重要事項説明書を電磁的方法(電子書面)で交付できることになり、宅地建物取引士の押印は不要となった。
街区
不動産評価や不動産開発においても、個別の土地や建物だけでなく、周辺の空間特性、社会的環境などを十分に把握・評価することが重要であるが、街区はその際の基本的な単位となる。
なお、住居表示において街区方式を採用する場合には、街区は「市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によって区画した場合におけるその区画された地域」(住居表示に関する法律)と定義され、たとえば◯◯町A丁目B番C号とするときのB番が街区符号である。また、街区符号で示されたほとんどの区域については、その位置座標がデータベース(街区レベル位置参照情報)で提供され、GISで空間的な分析ができるようになっている。ただし、街区符号で示された区域と現実の街区とが一致するとは限らない。
住居番号
土地登記簿に記載された地番とは異なる。