石油給湯器
せきゆきゅうとうき湯を沸かして供給する器具(給湯器、ボイラー)のうち石油(灯油)を燃料とするものをいう。
給湯器の熱源には、石油のほか、ガス、電力、太陽光などがある。このなかで石油給湯器は、大容量の供給に適するとされる一方、燃料タンクが必要なほか、燃焼制御の方法が複雑とされている。また、給湯コストが石油価格に大きく左右される。
給湯器は、調理、浴槽、暖房など湯の用途によって必要とする湯温や湯量が異なるから、熱源はそれに適したものを選択しなければならない。また、機種の選択に当たっては、用途やコストのほか、メンテナンスの容易さ、設置スペースなども勘案する必要がある。
ガスにより瞬間的に湯を沸かし、台所・風呂などのへの給湯を行なうガス機器のこと。
給湯栓の蛇口を開くと同時に燃焼が始まり、水道の水圧を利用して給湯を行なう。
大きく分けて「ガス給湯器」「ガス風呂給湯器」の2種類がある。
また、浴槽の水を沸かす機能だけに特化したものは「風呂がま」と呼ばれる。
1.ガス給湯器
ガスの燃焼により瞬間的に湯を沸かし、台所・洗面台・風呂・シャワーの給湯栓まで湯を運び、給湯を行なう機器のこと。
かつては水温や通水量により湯温が変化するという問題があったが、近年では電子制御により火力をコントロールすることで安定した湯温が確保されている。
ガス給湯器の能力は号数で表示されている。この号数は「水温よりも25度だけ高温の湯を1分間に何L沸かすことができるか」を示したものである。一般的には4人家族の場合、24号またはそれ以上の号数のガス給湯器が推奨されている。
2.ガス風呂給湯器
台所・洗面台・風呂・シャワーへの給湯を行なうだけでなく、風呂の追いだき・沸かし直しという風呂がまの機能をも1台で兼ね備えた給湯器のこと。
追いだき時に給湯性能が低下することを防止するために、給湯用と追いだき用の2組の熱交換器を持ち、バーナーも別々になっているタイプが主流である。
ガス風呂給湯器の風呂の沸かし方については、湯はり・追いだきを自動的に行なうタイプ(オートタイプ)と、湯はり・追いだき・足し湯を自動で行なうタイプ(フルオートタイプ)という2種類がある。
なお、ガス風呂給湯器は設置場所により次の2タイプに分かれる。
1)自由タイプ
強制循環ポンプを備え、給湯器から離れた浴槽まで強制的に温水を送り出すもの。戸外に設置する。浴室に隣接して設置する必要がないため、間取りの自由さを確保しやすい。
2)浴室隣接タイプ
浴室に隣接した戸外に設置するもの。主に戸建て住宅で使用される。強制循環ポンプを備えたものと、強制循環ポンプがなく自然対流で浴槽に湯を送り出すものがある。
強制循環式のものは、ある程度設置場所を自由にすることができ、浴槽の高さと機器を設置する高さをある程度ずらすこともできる。
自然対流式では浴槽の高さと機器を設置する高さを合わせる必要があり、また水面に近い方から湯が出るために浴槽下部に冷水が溜まりやすいという面もある。
割安な深夜電力を利用して夜間に高温の温水を沸かし、貯湯タンクに蓄えておいて、台所・洗面台・風呂・シャワーなどへの給湯を賄う電気機器のこと。
深夜電力は通常の電灯料金よりも割安であり、また電気ヒーターで加熱するので二酸化炭素が発生せず、燃焼音がなく静かに湯を沸かすことができるというメリットがある。ただし、深夜電力は新規の加入を停止しているケースがある。
近年では、湯を使用すると同時に必要な量の湯を自動的に追加して沸かすタイプや、給湯圧を高めて2階でも湯の出る勢いを高めたタイプなどさまざまな製品が普及している。また配管を電気温水器本体部に内蔵し、配管工事の手間を軽減した製品が主流となっている。標準的な貯湯タンクの容量は3人家族で300L程度が目安とされている。
浴槽への給湯については、給湯のみを行なうタイプ、自動的に風呂釜への湯はりを行なうタイプ(オートタイプ)、自動湯はりだけでなく自動追いだき・自動足し湯も行なうタイプ(フルオートタイプ)という3種類がある。
なお、電気温水器の「風呂追いだき機能」については昼間電力を使用するためコストが高いなどの課題があったが、近年は深夜電力の蓄熱を利用して熱交換方式で追いだきをすることにより、低コストかつスピーディな追いだきができる製品が2000(平成12)年に開発されており、ガス給湯器に劣らない性能となっている。
太陽電池によって太陽光のエネルギーを直接に電力に変換する発電方式をいう。
太陽電池は、一定の物質に光が照射されると伝導電子が増加する現象(光電効果)を利用して電力を得る装置で、光エネルギーを電力に変換する過程で熱や運動エネルギーの媒介を必要としない。
そのため、太陽光発電は、発電時に廃棄物、CO2等の発生がない他、小規模に分散的に運用可能、設置条件の制約が少ない、などの特徴がある。
一方、他の発電方式に比べて高コスト、発電量の変動が大きい(夜間や雨天時は発電できない)、スケールメリットが効かないなどの短所がある。
そこで、太陽光発電と他の発電とを組み合わせて、発電、消費、売電、買電を適切に制御するシステム(太陽光発電システム)が開発・運用されている。