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最終更新日:2019/4/4

遺言執行者

ゆいごんしっこうしゃ

遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する者。民法に基づく制度である。

遺言執行者は、遺言によって指定されるほか、遺言で指定を委託された第三者が指定する場合がある。指定された遺言執行者は、就職(※)を承諾することで任務を開始する。

相続人の代理人とみなされ、任務を行なうときには、委任契約における受任者と同様に注意義務などを負うこととなる。

遺言執行者の任務は、相続財産目録の作成、預金解約手続き、不動産名義変更手続きなど数多い。また、相続人は、遺言執行者が執行する相続財産の処分などを妨げる行為をしてはならないとされている。

なお、遺言の執行に当たって遺言執行者を指定するかどうかは任意であって、必ず指定しなければならないわけではない。

※「就職」とは、承諾等により遺言執行者がその地位に就くことをいう。

-- 本文のリンク用語の解説 --

遺言

死後の法律関係を定めるための最終意思の表示をいい、日常用語として、「ゆいごん」と読むことが多い。

その最大の役割は、遺産の処分について被相続人の意思を反映させることで、遺言がない場合は民法の規定に従って相続が行なわれる(法定相続)が、遺言を作成しておくと、遺産の全体または個々の遺産を誰が受け継ぐかについて自らの意思を反映させることができる。
また、遺贈の方法により、相続人以外の者に遺産を与えることも可能である。ただし、それが有効であるためには、民法に定められた方法で行なわなければならない。一般的には、遺言書の全文(日付と氏名を含む)を遺言者が自筆で記述して押印する自筆証書遺言、遺言内容を公証人に確認してもらってから公正証書にする公正証書遺言、遺言内容を秘密にして公正証書にする秘密証書遺言のどれかの方法による。

また、手続きを円滑に進めるため遺言執行者を指定することができ、遺言執行者は相続人の代理人とみなされる。遺言の執行は、弁護士、司法書士、行政書士、信託会社などが手がけている。

委任契約

民法上の典型契約の一つで、法律行為の実施を委託する契約をいう。労務供給契約であるが、雇用契約と違い受任者の裁量で実施すること、請負契約と異なり結果の完成が必須ではないことに特徴がある。

宅地建物取引業における媒介契約は法律行為の実施を委任するものではないから民法上の委任契約ではないが、準委任契約として委任契約の規定(民法第643〜656条)が適用されることとなる。ただしその適用においては、特別法である宅地建物取引業法の規定が優先する。