内部成長
ないぶせいちょう
不動産投資事業において、保有する不動産の収益性を高めること。
保有する不動産はそのままで、賃料単価の引き上げ、テナントの入れ替え、管理経費の節減などによって資産の収益力を上げ、その資産価値を高めることによって実現する。リニューアルも内部成長の手段として行なわれることがある。一般に、外部からの資金調達を伴わず、不動産管理能力に強く依存することとなる。
なお、内部成長に対して、保有する不動産の入れ替えによって収益性を高めることを「外部成長」という。
不動産投資
資金を不動産(土地・建物)の購入・賃貸に充てて運用し、収益を得ることをいう。運用益は、不動産価格の上昇益(キャピタルゲイン)または賃貸料収入(インカムゲイン)として得ることになる。
不動産投資は、自らが不動産を購入・賃貸する方法によるほか、不動産投資信託(REIT)のように投資の判断・運用を専門家に委ねる方法もある。
専門家が投資を判断・運用する方法による場合には、投資家は、あたかも株式を売買するように、不動産を証券化した金融商品を売買するかたちで投資するのが一般的である。
投資は一般に、高利回りの投資は大きなリスクを伴い(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さい投資は利回りが低い(ローリスク・ローリターン)とされている。
不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
賃料
賃貸借契約によって賃借人が支払う対価をいう。
特約がない限り後払いである。また、地代・家賃については、事情変更による増減請求権が認められている。
なお、借主が実質的に負担するのは、賃料に保証金、預かり金等の運用益を加えた額(実質賃料)である。また、共益費など賃料以外の負担を求められることも多い。
テナント
事務所ビルや商業スペースの賃借人をいう。大型商業ビルにおいて、集客の中心となるのが「キーテナント」である。
テナントの業種構成や配置、賃料の設定などは、ビルの性格を決め、その収益性を左右する。
資産価値
財産として評価した価額。おおむね市場での取引価格に等しい。これに対して、資産の利用によって得る便益に着目して評価した価額を「利用価値」という場合がある。
不動産の資産価値は、土地と建物を分けて算定することが多い。土地の資産価値は立地、区画形質などによって、建物の資産価値は立地、デザイン、管理状態などによって決まると考えられている。一般に、土地の資産価値は経年的に変化しない一方、建物の資産価値は建築後の時間経過とともに減少するとされる。ただし、不動産の資産価値は、通常、土地と建物が一体となって形成しているから、両者を截然と分けて評価することには限界がある。