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最終更新日:2019/9/18

損失補填の禁止

そんしつほてんのきんし

取引によって生じた顧客の損失を補填することを禁止するルール。禁止される補填は、損失発生の事前、事後を問わない。

金融商品取引法の対象となる有価証券等の取引についてだけでなく、不動産特定共同事業契約に基づく権利、保険契約に基づく権利など、投資性のある権利の取引についても適用される。また、このルールは、取引業者と顧客の双方に適用され、取引業者が損失補填を約束し、又は事後に補填することだけでなく、顧客が補填を要求することも禁止されている。

損失補填の禁止は法律に基づく規制であって、これに反する行為を行なった場合には行政処分や罰則が課されることがある。

-- 本文のリンク用語の解説 --

金融商品取引法

有価証券をはじめとする広範な金融商品の取引等について包括的なルールを定めた法律で、証券取引法を全面的に改正するなどにより、2007(平成19)年9月に施行された。 この法律の目的は、金融商品に関する公正な取引、円滑な流通、公正な価格形成等を確保することである。そのために、企業内容等の開示制度、金融商品取引業者等に対する業務規制、金融取引所の開設・運営についての規制などを規定している。 その特徴は、 1.幅広い金融商品の取引業務を投資サービスとして捉え、そのような行為に対して横断的にルールを適用すること 2.投資家の保護と投資市場の自由な発達との均衡を図るため、プロの投資家への法の適用の特例を定めるなど、制度的な工夫がなされていること 3.規制の枠組みを、公正な価格形成などの市場機能に着目して構成していること である。 この法律は、不動産の証券化した商品の発行や取引についてだけでなく、不動産の流動化によって生み出されたすべての金融商品の取引等に対しても適用される。ただし、不動産特定共同事業法の対象となる商品(不動産特定共同化事業契約に基づく権利の証券化商品)については、同法の特例事業(倒産隔離されたSPC方式の事業)の出資持分以外は、保険契約、共済契約等に基づく権利の証券化商品と同様に、金融商品取引法の適用対象から除外されている。 なお、金融商品取引法が定める損失補塡等の禁止及び適合性の原則の規定については、不動産特定共同事業法の対象となる商品についても準用によって適用される。

有価証券

財産的な価値のある権利を表示する証券で、その権利の移転・行使には原則として証券の受渡・占有が必要とされるものをいう。

表示される権利の種類、権利と証券との結合の程度、権利の移転・行使における証券の役割などは、一様ではない。従って、有価証券を取り扱う場合には、その性格を具体的に把握しておく必要がある。

有価証券は、表示する権利の種類によって、例えば次のように分類されることが多い。 1.債権証券:債権を表示するもの。手形、小切手、社債、倉庫証券など。
2.物権証券:債権とともにその担保物権を表示するもの。例えば、質入証券、抵当証券など。
3.社員権証券:社団の社員としての地位を表示するもの。例えば、株券。

なお、金融商品取引法では証券等を具体的に列挙して「有価証券」を定義しているが、その定義は一般的に理解されている有価証券の範囲とは必ずしも一致していないので注意が必要である。