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最終更新日:2020/9/25

権限外の行為の表見代理

けんげんがいのこういのひょうけんだいり

表見代理は、代理権のない者(無権代理人)と本人との特殊な関係によって無権代理人を真実の代理人であると誤信させ、代理権の存在を信じて取引した善意無過失の相手方を保護するための制度である。表見代理においては、その代理行為を代理権のある行為として扱い、本人に対して効力を生じさせる(取引の効果を本人に帰属させる)こととなる。

なお、代理権授与表示による表見代理代理権消滅後の表見代理、権限外の行為の表見代理の3種類がある。

権限外の行為の表見代理は、代理人が本人から与えられた権限以外の行為をした場合に、相手方が権限内の行為であると信じ、そう信じることについて正当の理由がある場合である。この場合には、代理権限内の行為であると信じた無過失の相手方は、本人に対して行為の効力を主張できる。

権限外の行為の表見代理の例は、たとえば、財産管理のために土地を賃貸する代理権を与えられた代理人が、土地を売却する契約を締結した場合である。

-- 本文のリンク用語の解説 --

表見代理

代理権のない者(無権代理人)と本人との特殊な関係によって無権代理人を真実の代理人であると誤信させ、代理権の存在を信じて取引した善意無過失の相手方を保護するための制度である。表見代理においては、その代理行為を代理権のある行為として扱い、本人に対して効力を生じさせる(取引の効果を本人に帰属させる)こととなる。 表見代理には、代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限外の行為の表見代理の3種類がある。 取引の安全のために、本人の利益を犠牲にして相手方を保護する考え方を基礎にしたもので、過失のない相手方の信頼を保護すべく、本人に過失がないときにも代理行為の効果を本人に帰属させる仕組みである。

代理権授与表示による表見代理

表見代理は、代理権のない者(無権代理人)と本人との特殊な関係によって無権代理人を真実の代理人であると誤信させ、代理権の存在を信じて取引した善意無過失の相手方を保護するための制度である。表見代理においては、その代理行為を代理権のある行為として扱い、本人に対して効力を生じさせる(取引の効果を本人に帰属させる)こととなる。 なお、表見代理には、代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限外の行為の表見代理の3種類がある。 代理権授与表示による表見代理は、あたかも有効な代理権が存在するかのような表示(代理権授与表示)が本人によってなされた場合をいう。この場合には、その表示された事項を信頼して取引した相手方(代理権が不存在であることを知らず、かつ過失がない相手方)は、本人に対して行為の効力を主張できる。 また、この場合に、無権代理者が表示された代理権の範囲外の行為をしたときも、代理権があると信ずべき正当な理由がある場合には、同様に、本人はその行為について責任を負わなければならない。 代理権授与表示による表見代理の例は、たとえば、名義貸し(本人が他者に自分の名義で第三者と取引することを認めること)によって行なわれた他者と第三者との取引である。

代理権消滅後の表見代理

表見代理は、代理権のない者(無権代理人)と本人との特殊な関係によって無権代理人を真実の代理人であると誤信させ、代理権の存在を信じて取引した善意無過失の相手方を保護するための制度である。表見代理においては、その代理行為を代理権のある行為として扱い、本人に対して効力を生じさせる(取引の効果を本人に帰属させる)こととなる。 代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限外の行為の表見代理の3種類がある。 代理権消滅後の表見代理は、代理権が消滅して代理人ではなくなった者が代理行為をした場合をいう。この場合には、代理権の消滅を知らない無過失の相手方は、本人に対して行為の効力を主張できる。 また、この場合に、無権代理者が与えられていた代理権の範囲外の行為をしたときも、代理権があると信ずべき正当な理由がある場合には、同様に、本人はその行為について責任を負わなければならない。 代理権消滅後の表見代理の例は、たとえば、委任契約を解除した後も元の代理人が委任状を利用した場合、本人が使用人の解雇を取引先に通知しなかった場合などである。

契約

対立する2個以上の意思表示の合致によって成立する法律行為のこと。

具体的には、売買契約、賃貸借契約、請負契約などのように、一方が申し込み、他方が承諾するという関係にある法律行為である。