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最終更新日:2022/4/5

浸水被害防止区域

しんすいひがいぼうしくいき

洪水や雨水によって住民等の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがあるとして指定された区域。原則として、流域水害対策計画において床上浸水(水深50cm以上)が想定される区域が対象となる。浸水被害防止区域に指定されると、一定の開発・建築について制限がある。特定都市河川浸水被害対策法に基づく制度で、区域の指定は、都道府県知事等が行なう。

 浸水被害防止区域内の行為制限は、次のとおりである。

 (1)開発行為の制限

予定建築物が要配慮者施設など一定の用途である開発行為をしようとする者は、あらかじめ都道府県知事等の許可が必要である。許可を得るためには、崖面の保護など浸水が発生した場合における土地の安全上必要な措置を講じなければならない。

 (2)建物用途の制限

建物用途が、非自己居住用住宅、要配慮者施設(要配慮者が利用する社会福祉施設、学校、医療施設等)、市町村が条例で定める円滑な避難が期待できない施設である場合には、建築しようとする者は、あらかじめ都道府県知事等の許可が必要である。許可を得るためには、想定洪水等に対して安全な構造で、かつ、居室の床面の高さが基準水位以上でなければならない。

 なお、宅地建物取引業者は、取引や取引の代理・媒介に当たって、浸水被害防止区域に関する制限について重要事項として説明しなければならない。

-- 本文のリンク用語の解説 --

特定都市河川浸水被害対策法

都市河川の流域における浸水被害対策を定めた法律。 2004(平成16 )年に公布された。治水を、流域対策を含めて実施するための仕組みを定めていることが特徴である。 この法律で定められている主要な対策事項は次の通りである。 1.特定都市河川及び特定都市河川流域の指定  著しい浸水被害が発生し、またはその恐れがあって、通常の河川整備による浸水被害の防止が市街化の進展により困難な河川およびその流域を指定する。指定は、国土交通大臣または都道府県知事が行なう。 2.流域水害対策計画の策定  浸水被害の防止を図るための流域水害対策計画を策定する。同計画は、河川管理者、下水道管理者、都道府県知事および市町村長が共同して作成し、  1)河川管理者による雨水貯留浸透施設の整備  2)事業実施によって利益を受ける地方公共団体間の費用負担  3)条例による下水道排水設備の貯留浸透化の義務付け などについて定める。 3.雨水の流出の抑制のための規制等  1)著しい雨水の流出増をもたらす一定規模以上の行為についての都道府県知事の許可、許可に当たっての雨水貯留浸透施設の設置義務付け  2)一定規模以上の防災調整池を保全調整池として都道府県知事が指定、埋立等の行為についての都道府県知事に対する届出を義務付け  3)地方公共団体による保全調整池の所有者との承継効を有する協定の締結と当該保全調整池の管理 4.都市洪水想定区域及び都市浸水想定区域の指定等  1)都市洪水(河川の氾濫)または都市浸水(内水による溢水・湛水)により浸水が想定される区域を都市洪水想定区域・都市浸水想定区域として指定・公表  2)地下街管理者による浸水時の避難等に関する計画作成および公表の努力義務 貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域の指定  1)浸入した水や雨水を一時的に貯留する機能を有する土地の区域を貯留機能保全区域として指定し、盛り土などの行為の届出を義務付け  2)洪水や雨水の出水によって建築物が損壊・浸水し、著しい危害が生じる恐れがあると認められる土地の区域を浸水被害防止区域として指定し、特定の開発行為について許可を得ることを義務付け

宅地建物取引業者

宅地建物取引業者とは、宅地建物取引業免許を受けて、宅地建物取引業を営む者のことである(宅地建物取引業法第2条第3号)。 宅地建物取引業者には、法人業者と個人業者がいる。
なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。