最終更新日:2022/8/31
盛土規制法
もりどきせいほう危険な宅地造成・盛土等・土石の堆積について規制し、崖崩れや土砂の流出による災害を防止するための法律。正式な名称は「宅地造成及び特定盛土等規制法」で、「宅地造成等規制法」を抜本的に改正して、2022年5月に制定された。
この法律は、宅地、森林、農地等の土地の用途を問わず、危険な宅地造成・盛土等・土石の堆積を全国一律の基準で包括的に規制することを定めている。
盛土規制法が定める主な内容は次のとおりである。
(1)宅地造成等工事規制区域の指定・行為規制
宅地造成・盛土等・土石の堆積に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地等の区域を「宅地造成等工事規制区域」に指定する。
この区域内で、一定の宅地造成・盛土等・土石の堆積を行なう場合には、工事に着手する前に許可を得なければならない。この場合、工事は、擁壁、排水施設等の設置、地盤の締め固めなど災害を防止するため必要な措置が講じられたものでなければならない。
(2)特定盛土等規制区域の指定・行為規制
宅地造成等工事規制区域以外の土地の区域であって、土地の傾斜度、渓流の位置、土地利用の状況などから、盛土等・土石の堆積によって居住者等の生命身体に危害を生ずるおそれが特に大きいと認められる区域を「特定盛土等規制区域」に指定する。
この区域内で、一定の盛土等・土石の堆積を行なう場合には、工事に着手する前に届出が必要で、一定規模を超える工事は事前に許可を得なければならない。この場合、工事は、擁壁、排水施設等の設置、地盤の締め固めなど災害を防止するため必要な措置が講じられたものでなければならない。
(3)工事の監督
許可した工事について、施工状況の定期報告を求め、施工中の中間検査、工事完了時の完了検査を実施する。
(4)土地の保全
両区域内の土地については、土地所有者等は、宅地造成・盛土等・土石の堆積に伴い災害が生じないよう安全な状態に維持する責務がある。また、災害防止のため必要なときは、土地所有者等のほか、原因行為者に対しても是正措置等を命令できる。
宅地造成
盛り土(土壌汚染対策法の〜)
宅地造成等規制法
盛り土(土壌汚染対策法の〜)
盛り土(土壌汚染対策法の〜)
擁壁
擁壁は、単に崖を補強するものではなく、土砂の崩壊を防止することが重要な役割である。過大な基礎圧力、水位の上昇等が加わったときに、転倒・滑動せず、安定性を保つ性能を備えていなければならない。
擁壁の種類は、構造によって、重力式擁壁、半重力式擁壁、片持ち梁式擁壁、控え壁式擁壁、支え壁式擁壁、石積・ブロック積擁壁などに分類できる。
なお、建築基準によって、高さが2mを超える擁壁を造る場合には、建築主事の建築確認を受ける必要がある(建築基準法第88条1項・同施行令第138条1項5号)。