老朽化
ろうきゅうか
長い年月の経過によってモノの状態や機能が低下・減退すること。建築物の老朽化は、設備の性能が経年的に低下すること、建築材料が錆びやひび割れの発生、腐食等によって劣化することなどによって生じる。
住宅の老朽化対策は、住宅性能表示制度における評価項目の一つとされ、木造についてはシロアリや腐朽菌による腐敗対策など、鉄骨造についてはサビによる劣化対策など、鉄筋コンクリート造については鉄筋のサビやコンクリートの傷み対策などが評価される。
住宅性能表示制度
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により導入された、住宅の性能を表示するための制度のこと。
品確法では、住宅の性能が正しく表示されるように次のような仕組みを設けている。
1.評価する機関を大臣が指定する。
品確法にもとづき正式に住宅性能を評価することができる機関は、登録住宅性能評価機関だけに限定されている(品確法第5条第1項)。登録住宅性能機関とは、住宅性能評価を行なうことができる機材や能力等を持つものとして国土交通大臣により登録を受けた会社等のことである。
2.評価書の作成方法を大臣が定める
登録住宅性能評価機関は、依頼者の依頼を受けて、住宅の性能を評価した結果を表示する書面(住宅性能評価書)を作成する。
この住宅性能評価書を作成するにあたっては、登録住宅性能評価機関は、国土交通大臣が定めた基準(日本住宅性能表示基準)に準拠しなければならない。
このように国が関与することにより、住宅の性能が適切に表示される仕組みが設けられている。
なお、品確法では、住宅性能評価書が交付された新築住宅については、住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま請負契約や売買契約の契約内容になる場合があると規定している。この規定により注文者保護・買主保護が図られている(詳しくは「住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係」へ)。
また建設住宅性能評価書が交付された住宅については、指定住宅紛争処理機関に対して、紛争処理を申請することができるとされている(品確法第67条)。
木造
建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。
木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。
シロアリ
木材(セルロース)を主食とし、木造建物に大きな損害を与える昆虫。シロアリ目(等翅類)に属する昆虫の総称で(ゴキブリ目に分類されることもある)、体色が白く、アリ(ハチ目アリ科)とは種類が違う。
シロアリは、放置すると木質建材に対して大きな損傷を与えることが多いが、木材の内部で生息するため発見が難しい。シロアリの予防・駆除の方法としては、木質部に対する駆除剤の塗布・注入、薬剤散布による土壌処理などがある。
鉄骨構造(鉄骨造)
鉄骨造、S造とも。
柱と梁を「鉄骨」で作り、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル」「窯業系パネル」など使用した構造のこと。
主要な構造を形成する鉄骨の種類により「軽量鉄骨構造」と「重量鉄骨構造」に分けることができる。
鉄筋コンクリート構造(鉄筋コンクリート造)
鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。
この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。
コンクリート
セメントに、水、砂利、砂を加えて混ぜ合わせることにより、化学反応(水和反応)を起こし、固体化させたもの。
圧縮に対する強度が非常に大きく、主に建築物の荷重を支える構造材として多用されている。