最終更新日:2023/9/13
抵当証券
ていとうしょうけん土地・建物・地上権を目的にした抵当権(担保目的物を債務者等の使用収益に任せておきながら、債務不履行の場合には目的物の価額から優先弁済を受けることができる物権)および担保されている債権を記載した証券。「抵当証券法」(1931年制定)に基づいて発行され、金融商品として流通している。
抵当証券は、債務者の同意または特約のもと、抵当権者の申請によって登記所が発行する。その所持人(実務上は証券の保管証・取引証の所持人)は、記載されている債権に基づき、元本及び利息を受け取ることができる。抵当証券は、不動産担保債権を小口化・流動化した有価証券であって、その取引の営業については金融商品取引法が適用され、同法が定める規律に服さなければならない。
-- 本文のリンク用語の解説 --
地上権
工作物又は竹林を所有する目的で、他人の土地を使用する権利のこと(民法第265条)。
土地賃借権と地上権は非常によく似ているが、次のような違いがある。 1.土地賃借権は債権だが、地上権は物権である
2.地上権は、土地所有者の承諾がなくても、他人に譲渡することができる。
3.地上権を設定した土地所有者には登記義務があるので、地上権は土地登記簿に登記されているのが一般的である。
土地賃借権と地上権は非常によく似ているが、次のような違いがある。 1.土地賃借権は債権だが、地上権は物権である
2.地上権は、土地所有者の承諾がなくても、他人に譲渡することができる。
3.地上権を設定した土地所有者には登記義務があるので、地上権は土地登記簿に登記されているのが一般的である。
抵当権
債権を保全するために、債務者(または物上保証人)が、その所有する不動産に設定する担保権のこと。債務者(または物上保証人)がその不動産の使用収益を継続できる点が不動産質と異なっている。
債権が弁済されない場合には、債権者は抵当権に基づいて、担保である不動産を競売に付して、その競売の代金を自己の債権の弁済にあてることができる。
使用収益
私法上の概念で、物を直接に利活用して利益・利便を得ることをいう。
使用収益するためには、その物を直接に支配する権利(物権)が必要である。
使用収益するためには、その物を直接に支配する権利(物権)が必要である。
債務不履行
債権・債務関係において、債務が履行されない状態をいう。
例えば、売買契約において、代金を支払ったにもかかわらず、売主が物件を引き渡さないときは、売主は引渡し義務を怠っていて、「債務不履行」にあたる。
このような債務不履行に対しては、法律(民法)により、債権者が債務者に対して損害賠償を請求することができるとされている。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
なお、債務の履行に代わる損害賠償を請求するには、次の条件を満たすことが必要である。
1.債務の履行が不能であるとき。(履行不能・履行遅滞・不完全履行の3形態がある)
2.債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
3.債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
例えば、売買契約において、代金を支払ったにもかかわらず、売主が物件を引き渡さないときは、売主は引渡し義務を怠っていて、「債務不履行」にあたる。
このような債務不履行に対しては、法律(民法)により、債権者が債務者に対して損害賠償を請求することができるとされている。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
なお、債務の履行に代わる損害賠償を請求するには、次の条件を満たすことが必要である。
1.債務の履行が不能であるとき。(履行不能・履行遅滞・不完全履行の3形態がある)
2.債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
3.債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
物権
物を直接に支配する権利をいう。
その典型は所有権である。
そもそも財産を支配する権利には、「物権」と「債権」の2つの類型がある。物権は、すべての人に対して権利を主張できる絶対的な財産支配権であるのに対して、債権は、特定の人にある要求をする権利であって第三者には権利を主張できない相対的な請求権である。このように、物権の基本的な性格は、その絶対的排他性にある。
絶対的排他性を確保するため、物権には、 1.後に成立した物権や内容が抵触する債権に優先する効力(優先的効力、ただし借地借家の賃借権(債権である)などの例外がある) 2.物権の内容の円満な実現が妨げられ、または妨げられる恐れがある場合に、妨害を除去・予防するため必要な行為を請求する権利(物権的請求権または物上請求権と呼ばれる。具体的には、返還、妨害排除、妨害予防の請求権) が与えられている。また、排他性の帰結として、同一物に対して同一内容の物権は一つしか成立しない(一物一権主義、だからこそ、土地を筆に分けて各筆をそれぞれに一物とするのである)。
また、すべての人に対する権利であることから、物権の変動は公示しないと第三者に対抗できないとされる(公示の原則)。対抗要件は、不動産に関する権利変動については「登記」、動産に関する物権譲渡については「引渡し」である。
さらには、物権は、法律で定められた以外のものを新たに創設することはできないとされている(物権法定主義)。民法で定められているのは、所有権のほか、地上権(他人の土地を借りて使用できる権利)、地役権(他人の土地を自己の土地のために供し得る権利)、抵当権(優先的に弁済を受ける権利)、占有権(物に対する事実上の支配により認められる権利)などである。また、慣習法上の物権も判例により認められており、温泉権や流水利用権はこれに当たる。
そもそも財産を支配する権利には、「物権」と「債権」の2つの類型がある。物権は、すべての人に対して権利を主張できる絶対的な財産支配権であるのに対して、債権は、特定の人にある要求をする権利であって第三者には権利を主張できない相対的な請求権である。このように、物権の基本的な性格は、その絶対的排他性にある。
絶対的排他性を確保するため、物権には、 1.後に成立した物権や内容が抵触する債権に優先する効力(優先的効力、ただし借地借家の賃借権(債権である)などの例外がある) 2.物権の内容の円満な実現が妨げられ、または妨げられる恐れがある場合に、妨害を除去・予防するため必要な行為を請求する権利(物権的請求権または物上請求権と呼ばれる。具体的には、返還、妨害排除、妨害予防の請求権) が与えられている。また、排他性の帰結として、同一物に対して同一内容の物権は一つしか成立しない(一物一権主義、だからこそ、土地を筆に分けて各筆をそれぞれに一物とするのである)。
また、すべての人に対する権利であることから、物権の変動は公示しないと第三者に対抗できないとされる(公示の原則)。対抗要件は、不動産に関する権利変動については「登記」、動産に関する物権譲渡については「引渡し」である。
さらには、物権は、法律で定められた以外のものを新たに創設することはできないとされている(物権法定主義)。民法で定められているのは、所有権のほか、地上権(他人の土地を借りて使用できる権利)、地役権(他人の土地を自己の土地のために供し得る権利)、抵当権(優先的に弁済を受ける権利)、占有権(物に対する事実上の支配により認められる権利)などである。また、慣習法上の物権も判例により認められており、温泉権や流水利用権はこれに当たる。
債権
私法上の概念で、ある人(債権者)が、別のある人(債務者)に対して一定の給付を請求し、それを受領・保持することができる権利をいう。
財産権の一つであり、物権とともにその主要部分を構成する。
財産権の一つであり、物権とともにその主要部分を構成する。
特約
特別の条件を伴った契約をすることをいう。
原則として契約条件の定め方は自由であるから、どのような条件が特別であるかについては判断の幅があるが、一般的な条件とは異なる利益を伴うものをさすと理解されている。
ただし、強行規定(法令によって当事者の合意如何にかかわらず適用される規定)に反する条件は当事者が合意しても無効である。
原則として契約条件の定め方は自由であるから、どのような条件が特別であるかについては判断の幅があるが、一般的な条件とは異なる利益を伴うものをさすと理解されている。
ただし、強行規定(法令によって当事者の合意如何にかかわらず適用される規定)に反する条件は当事者が合意しても無効である。
登記所
登記事務を担当する機関のこと。
一般名称として「登記所」と呼んでいるが、正式名称は「法務局」、「地方法務局」、「支局」、「出張所」である。
金融商品取引法
有価証券をはじめとする広範な金融商品の取引等について包括的なルールを定めた法律で、証券取引法を全面的に改正するなどにより、2007(平成19)年9月に施行された。
この法律の目的は、金融商品に関する公正な取引、円滑な流通、公正な価格形成等を確保することである。そのために、企業内容等の開示制度、金融商品取引業者等に対する業務規制、金融取引所の開設・運営についての規制などを規定している。
その特徴は、
1.幅広い金融商品の取引業務を投資サービスとして捉え、そのような行為に対して横断的にルールを適用すること
2.投資家の保護と投資市場の自由な発達との均衡を図るため、プロの投資家への法の適用の特例を定めるなど、制度的な工夫がなされていること
3.規制の枠組みを、公正な価格形成などの市場機能に着目して構成していること
である。
この法律は、不動産の証券化した商品の発行や取引についてだけでなく、不動産の流動化によって生み出されたすべての金融商品の取引等に対しても適用される。ただし、不動産特定共同事業法の対象となる商品(不動産特定共同化事業契約に基づく権利の証券化商品)については、同法の特例事業(倒産隔離されたSPC方式の事業)の出資持分以外は、保険契約、共済契約等に基づく権利の証券化商品と同様に、金融商品取引法の適用対象から除外されている。
なお、金融商品取引法が定める損失補塡等の禁止及び適合性の原則の規定については、不動産特定共同事業法の対象となる商品についても準用によって適用される。