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最終更新日:2024/3/21

ベークアウト

べーくあうと

VOC(揮発性有機化合物)の濃度を下げるため、室温を高くして建材等からのVOCの放出を促進し、強制換気によってそれを排出する方法。英語のbake out(bakeは、焼くという意味)。

ベークアウトは、シックハウス対策として用いられることがあるが、その効果は不確実である。また、建材等の劣化を招く恐れがあるとされているので、多用してはならない。

-- 本文のリンク用語の解説 --

VOC

常温で揮発する有機化合物(揮発性有機化合物)。英語のVolatile Organic Compoundsの略語。その種類は100種類以上あるが、代表的なVOCは、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メタノール、ジクロロメタンなどである。塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤などに使用されていて、「有機溶剤」の多くはVOCである。 NOXとともに光化学大気汚染をもたらす主要な原因物質であり、発がん性など人体に有害な影響を及ぼすものやシックハウス症候群の原因となるものもある。また、ごく微量であっても臭気、目・鼻・喉への刺激、めまい、頭痛などを引き起こすことがあり、化学物質過敏症の原因になるとも考えられている。 VOCのうちベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンについては環境基準が定められている。また、大気汚染防止法に基づきVOC(排出口から大気中に排出され、また飛散したときに気体である有機化合物、ただし、メタンなど光化学反応性が極微の8種類の物質を除く)について、施設の類型(塗装、接着、洗浄など)ごとに排出基準値が定められ、排出できる濃度が規制されている。

機械換気(強制換気)

機械設備を用いる換気方法をいう。

換気の方法は大きく分けて、自然の通風や温度差による方法(自然換気)と、機械設備によって強制的に換気する方法(機械換気)とがある。機械換気は、常時確実に換気が可能であるが、稼動のためにエネルギーを消費する。機械換気に用いる設備としては、換気扇、送風機などがある。

機械換気の方法には、次の3つの種類がある。

a 第1種換気:吸気と排気の両方とも機械換気を用いるもの
b 第2種換気:吸気は機械換気、排気に自然換気を用いるもの
c 第3種換気:排気は機械換気、吸気に自然換気を用いるもの

換気の種類は、維持する空気環境の性格に応じて、吸気と排気のどちらを強制的に行なうかなどを考慮して適切に選択しなければならない。例えば、第1種換気は、安定した換気を確保できるがエネルギー消費が大きい。第2種換気は、室内を外気よりも高い圧力に保つことができるが気密性が必要である。第3種換気は臭気や湿気が発生する場所から排気することができるが室内の圧力が外気よりも低くなる。

建築基準法では、住宅の居室等においては、シックハウス症候群の発症の原因となるホルムアルデヒドの発散に対処するため、必要な換気が確保される一定の構造方法を備える場合以外は、常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置が義務付けられている。

シックハウス症候群

住宅に起因する、倦怠感、めまい、頭痛、湿疹、のどの痛み、呼吸器疾患などの症状を総称していう。

汚染された住宅内の空気を吸引することによって発症する場合が多いとされ、建材や家具に含まれる有機溶剤や防腐剤、それらに類する揮発性有機化合物(VOC、Volatile Organic Compounds)が汚染源とされるほか、カビや微生物による空気汚染も原因となるといわれている。

その対策として、住宅性能表示制度における空気環境としてホルムアルデヒド濃度を表示することとされているほか、建築基準において、居室を有する建築物については、居室内において化学物質の発散による衛生上の支障がないように建築材料、および換気設備についての一定の技術的基準に適合すべきとされている。これによって、マンションなど特に気密性の高い住宅においては、ホルムアルデヒドを発散する恐れのある建築材料を使用しない場合であっても、家具からの発散の恐れがあるため、原則として、常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置が義務付けられている。