最終更新日:2024/3/25
緊急安全確保
きんきゅうあんぜんかくほ立退き避難を行なう必要がある居住者等が、立退き避難を安全にできない可能性がある状況に至ったときに、相対的に安全である場所へ直ちに移動などして安全を確保すること。
緊急安全確保が必要なのは、例えば、適切なタイミングで避難できなかったとき、急激に災害が切迫するなどの事情で避難し遅れたとき、災害が発生・切迫しているときなどである。
緊急安全確保のための移動先は、洪水等、高潮及び津波のリスクがある区域等においては、自宅・施設等の少しでも浸水しにくい高い場所や近隣の相対的に高く堅牢な建物等、土砂災害のリスクがある区域等においては、自宅・施設等の崖から少しでも離れた部屋や近隣の堅牢な建物である。
緊急安全確保は、緊急安全確保の発令があったとき(警戒レベル5の状況)に行なわなければならないが、市町村が災害の状況を確実に把握できるものではない等の理由から、必ず発令されるとは限らない。また、津波が発生・切迫した状況で市町村長から発令される避難情報は「避難指示」である。
なお、災害から身を守るための行動は、警戒レベル4の状況までに終えることが重要である。
-- 本文のリンク用語の解説 --
立退き避難
災害リスクのある区域等の居住者等が、自宅・施設等を離れて災害から安全な場所に移動すること。避難するときの基本的な方法である。
避難先は、市町村があらかじめ指定した緊急避難場所(小中学校、公民館、高台・津波避難ビル・津波避難タワー等)または、安全な親戚・知人宅、ホテル・旅館等の自主的な避難先である。
立退き避難は、避難指示が発令されたとき(警戒レベル4の状況)に行なわなければならないが、高齢者等は、高齢者等避難が発令されたとき(警戒レベル3の状況)に行なうこととされている。
警戒レべル(災害の〜)
災害の発生に対してどの程度の警戒が必要かを示す指標。避難指示、高齢者等避難などの行動を促す情報(避難情報等)は、警戒レベルに応じて発出される。
警戒レベルは、おおむね、洪水等、土砂災害、高潮、津波に関する災害気象情報(大雨特別警報、高潮氾濫発生情報、氾濫危険情報、土砂災害警戒情報、高潮警報、津波警報、洪水警報など)が示す危険のレベルに対応している。例えば、氾濫危険情報や土砂災害警戒情報が出されたときには警戒レベル4の状況に、氾濫警戒情報、洪水警報、大雨警報(土砂災害)が出されたときには警戒レベル3の状況に相当する。
ただし、市町村が避難情報等を発出する際の警戒レベルは、災害気象情報のほか、暴風や日没の時刻、堤防や樋門等の施設に関する情報なども参考に判断するとされている。
警戒レベルは5段階で、それぞれのレベルにおける災害リスクの状況、取るべき行動、発出する避難情報等は、おおむね次のとおりである。
・警戒レベル5:災害が発生又は切迫し、命の危険があって直ちに安全確保する。緊急安全確保の発令(必ず発令されるとは限らない)。
・警戒レベル4:災害のおそれが高く、危険な場所から全員が避難する。避難指示の発令。避難は、この警戒レベルまでに終えることが重要。
・警戒レベル3:災害のおそれがあって、高齢者等が危険な場所から避難する。高齢者等避難の発令。
・警戒レベル2:気象状況が悪化し、自らの避難行動を確認する。洪水、大雨、高潮注意報が出される。
・警戒レベル1:今後気象状況が悪化するおそれがあり、災害への心構えを高める。早期注意情報が出される。
避難指示
災害が発生するおそれが高く、災害リスクのある区域等の居住者等が危険な場所から避難するべき状況(警戒レベル4)において、市町村長が発令する指示。災害対策基本法に基づく措置である。
避難指示があったときには、指示のあった地域等の居住者等は、危険な場所から全員避難する必要がある。避難の方法は「立退き避難」を基本とし、洪水等及び高潮に対しては、ハザードマップ等により屋内で身の安全を確保できるか等を確認したうえで、居住者等の自らの判断で「屋内安全確保」することもできる。
なお、避難指示の対象となる災害は、洪水等、土砂災害、高潮、津波である。また、避難に時間を要する高齢者等については、警戒レベル3において、高齢者等避難を発令することとされている。