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最終更新日:2024/3/29

アフターサービス

あふたーさーびす

製品の購入やサービスの利用開始後に提供されるサービス。

商品やサービスの購入後、一定期間内に発生した不具合や故障に対して、多くの場合無償で修理等の対応を行ない、顧客との信頼関係を確保するとともに、将来の顧客や社会一般向けの広報面の効果という意義がある。迅速なアフターサービスの提供により顧客の損害を最小限に抑えることができる。

また、製品の取り扱い方法等に対する問い合わせ対応、カスタマーサポートなどもアフターサービスの重要な要素である。

不動産や特に住宅に関しては、施工上の瑕疵や不具合についての対応がまず挙げられる。これらについては、住宅の品質確保の促進に関する法律による構造耐力上主要な部分等10年保証や民法の契約不適合責任などで法的には措置されているが、例えば構造耐力上主要な部分以外の法的に措置されていない部分についても同様の瑕疵保証や性能保証を行なう、保証期間を延長するなどが、付加的なアフターサービスとして考えられる。

また、施工上の不具合が発生していない場合でも、定期点検を無償で行なうとか、年齢や家族構成の変化に応じてリフォームの提案をするなど、長期にわたる顧客との関係を見越したアフターサービスの提供の仕方もある。

-- 本文のリンク用語の解説 --

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

施工

工事を行なうこと。建築物の施工は、設計に基づいて、地盤の整備、材料の加工、構造材の組立、コンクリートの打設、設備の設置、内装などの作業を関連させながら系統的に実施される。 施工は通常、建築主が施工会社に発注するが、各種作業の実施は、施工会社がそれぞれの作業を専門とする建設会社(専門工事業者)にさらに発注するのが一般的である。

瑕疵

法律上の欠点や欠陥。瑕疵があると、意図した法律的な効果は完全には生じない。瑕疵の具体的な内容や法律効果への影響は、民法に定められている。 例えば、詐欺・強迫によってなされた意思表示は、「瑕疵ある意思表示」として、表意者は取り消すことができる。あるいは、悪意・過失・強暴・隠秘による占有は、「瑕疵占有」として、即時取得、時効取得の完成、果実の取得が求められない場合がある。 また、売買の目的物が契約に適合しないものであるとき(契約不適合の場合)には、買主は追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除をすることができるが、これは、売主が目的物の瑕疵についての担保責任(瑕疵担保責任)を負っているからである。 なお、債権関連の民法改正(2020年4月1日施行)までは、売買の目的物に「隠れた瑕疵」があったときには売主に瑕疵担保責任を課す旨の規定があった。この規定は改正によって削除され、瑕疵担保責任は、改正で整備された契約不適合に関する規定によって対応することとされた。  

住宅の品質確保の促進等に関する法律

住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人および新築住宅の売主に対して、住宅の一定部位について10年間の瑕疵担保責任を義務付けることにより、住宅の品質確保をめざす法律。「品確法」ともいう。



主な内容は次のとおりである。

1.住宅性能評価書

国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。
住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。



登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない。


住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買主に引き渡す義務を負うことになる。



2.弁護士会による紛争処理
・住宅紛争処理支援センター
建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる。
紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である。


また、弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターを設置することとされ、「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣により指定されている。住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。


3.10年間の瑕疵担保責任の義務付け等
新築住宅の売買または建設工事における契約不適合責任(瑕疵担保責任)として、次の義務を定めた。

(1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売主・工事請負人は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。
(2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。
この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。

構造耐力上主要な部分等

「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」を合わせたものである(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条・第95条)。

このような「構造耐力上主要な部分等」については、品確法により、新築住宅に関する10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている。
(詳しくは「請負人の瑕疵担保責任(品確法における〜)」、「売主の瑕疵担保責任(品確法における〜)」へ)

10年保証

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、新築住宅の売主または建築請負者には、「売主の瑕疵担保責任」や「請負人の瑕疵担保責任」として、構造耐力上主要な部分や「雨水の浸入を防止する部分」(以下「構造耐力上主要な部分等」)については、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が負わされている。これは、強行規定であり、特約による短縮は無効である。一方、特約による延長は、20年まで認められる。 さらにこの義務を確実に履行させるために、2007年に住宅瑕疵担保履行法が制定され、新築住宅の売主等に対する保険加入等の資力の確保が義務付けられた。 一方、構造耐力上主要な部分等以外については、契約不適合に対する担保責任がやはり引き渡しから10年間と民法で定められ、特約による短縮が可能であるところ、宅地建物取引業法第40条において、宅建事業者が売主として宅建事業者以外の者へ売却する場合には、引き渡しから2年以上の担保責任が義務付けられている。

契約不適合責任

売買契約や請負契約の履行において、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主・請負人が買主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつである。

買主・注文者は、契約不適合責任を負う売主・請負人に対して、履行の追完請求(補修や代替物等の引渡し請求)、代金・報酬の減額請求、損害賠償請求又は契約解除権の行使をすることができる。ただしこれらの請求等をするためには、原則として、不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならない。 民法(債権関係)改正前は、売買の目的物に隠れたる瑕疵があったときの責任等について特別の規定が定められていたが、改正によってこの規定が削除され、隠れた瑕疵があった場合を含めて、目的物が契約に適合しない場合の規定に統合・整理された(改正法の施行は2020年4月1日から)。この統合・整理された規定では、引き渡した目的物が契約に適合しない場合には、引渡した者(売主・請負人)に履行の追完、代金の減額等の責任が生じることとなる。この生じる責任が契約不適合責任である。

なお、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」とおおむね同義であるが、特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)の売買についてのみ使われる用語である。

構造耐力上主要な部分

建築基準法施行令第1条第3号に規定されている、建築物の部分のこと。建築物の荷重を支え、外力に対抗するような建築物の基本的な部分のことである。具体的には、次の部分が「構造耐力上主要な部分」に該当する。

1.在来工法の木造住宅の場合
基礎に関するものとして「基礎」「基礎ぐい」、軸組に関するものとして「土台」「壁」「柱」「斜材(筋かいなど)」「横架材」「床版」、屋根に関するものとして「小屋組」「屋根版」が、「構造耐力上主要な部分」に該当する。 2.鉄筋コンクリート構造のマンションの場合
「基礎」「基礎ぐい」「壁」「床版」「屋根版」が「構造耐力上主要な部分」に該当する。

このような「構造耐力上主要な部分」については、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)で新築住宅に関する10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている(詳しくは「請負人の瑕疵担保責任(品確法における〜)」、「売主の瑕疵担保責任(品確法における〜)」へ)。

なお、「構造耐力上主要な部分」の正確な定義は次の通りである。
「基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう)、床版、屋根版または横架材(梁、けたその他これらに類するものをいう)で、建築物の自重もしくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧または地震その他の震動もしくは衝撃を支えるものをいう」(建築基準法施行令第1条第3号)。

また、よく似た用語として建築基準法第2条第5号では「主要構造部」という用語を定義している。
この「主要構造部」とは「壁・柱・床・梁・屋根・階段」のことである。ただし、構造上重要でない最下階の床、間仕切り用の壁、間柱、つけ柱、局所的な小階段などは「主要構造部」から除外されている。

リフォーム

建物の構造強化、機能向上などを図るための改修をいう。リフォームの種類には、耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化、耐久性向上化などのための工事がある。

リフォームへのニーズは、既存建物の有効活用、既存住宅流通の活性化、良質な住宅ストックの形成などの要請によって、今後高まっていくと考えられている。また、これを促進するためのリフォーム減税が措置されている。

一方で、リフォームは、その目的や内容が多様で幅広いこと、リフォーム前の建物の状態がさまざまであることなどの特徴がある。そのため、リフォームのための技術・技能や費用を標準化するのが難しい。また、リフォームによって高まるであろう不動産価値を評価する手法は十分に確立されているとは言い難く、リフォームを不動産価格に反映するしくみも十分ではない。リフォームに対するニーズに応えるためには、これらの課題に取り組まなければならない。