最終更新日:2024/5/1
防災再開発促進地区
ぼうさいさいかいはつそくしんちく阪神・淡路大震災の教訓から制定された「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」(密集市街地整備法)に基づき、密集市街地内において防災街区としての整備を図るために、「特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区」として、「当該地区における整備又は開発に関する計画の概要」とともに都市計画に定められる地区。
防災再開発促進地区の区域内において、建築物の建て替をえしようとする者は、建替計画の認定を受け、公的助成により建替えを進めることができる。また、区域内における延焼等危険建築物に対する行政庁の除却勧告と、それによる移転等の対象となる者への居住安定支援、独立行政法人都市再生機構および地方住宅供給公社の業務の特例などが定められている。
また、同地区の区域について定められた防災街区整備地区計画(促進地区内防災街区整備地区計画)においては、防災街区整備権利移転等促進計画の策定や防災街区計画整備組合の設立により防災街区整備事業等を円滑に行うことができる。
なお、2007(平成19)年の都市再生特別措置法等の一部改正により、防災再開発促進地区の区域内の土地所有者等は、権利者全員の同意により災害時の避難上必要な経路の整備又は管理に関する協定を締結することができることとなった(密集法第289条)。この協定の効力は土地等の承継者にも及ぶとされており、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明の対象とされている。
-- 本文のリンク用語の解説 --
密集市街地
老朽化した木造の建築物が密集し、細街路が多くてオープンスぺースが少なく、地震や火災が発生した場合には、延焼の防止や円滑な避難が困難になる市街地。
密集市街地であるかどうかの厳密な判定は難しいが、国土交通省の「地震時等に著しく危険な密集市街地」の調査(2012年)では、住宅の密度、不燃化領域の割合などによって評価した「延焼の危険性」と、街路形状、建物の耐震・防火性能などによって評価した「避難の困難性」に基づいて判定されている。
密集市街地の危険性を軽減するために、建物の耐震化・不燃化、街路やオープンスペースの整備、延焼遮断帯の形成などが進められている。
密集市街地整備法
密集市街地について、防災機能が確保され、土地の合理的で健全な利用が図られている街区(防災街区)の整備を促進するための法律。正式名は「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」で、平成9(1997)年に制定された。
密集市街地整備法は、密集市街地内の各街区について、防災街区としての整備を図るために、都市計画で、特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区(防災再開発促進地区)を指定し、その整備・開発の方針(防災街区整備方針)を決定することとしている。
また、同法は、防災再開発促進地区において、(1)建替計画を認定して建築物の建て替えを促進する制度、(2)「特定防災街区整備地区」「防災街区整備地区計画」の制度を規定している。さらに、(3)特定防災街区整備地区や防災街区整備地区計画の区域において、建築物や敷地の整備、防災のための公共施設の整備などの事業(防災街区整備事業)を実施する仕組み、(4)火事・地震の発生時に避難する上で必要な経路の整備・管理に関する協定(避難経路協定)の仕組みなどを定めている。
なお、防災街区整備地区計画区域内での行為制限、防災街区整備事業施行区域内での行為制限、避難経路協定の効力などは、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明の対象である。
都市計画
土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画であって、都市計画の決定手続により定められた計画のこと(都市計画法第4条第1号)。
具体的には都市計画とは次の1.から11.のことである。
1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2)
2.都市再開発方針等(同法第7条の2)
3.区域区分(同法第7条)
4.地域地区(同法第8条)
5.促進区域(同法第10条の2)
6.遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3)
7.被災市街地復興推進地域(同法第10条の4)
8.都市施設(同法第11条)
9.市街地開発事業(同法第12条)
10.市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2)
11.地区計画等(同法第12条の4) 注:
・上記1.から11.の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8.の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。
・上記4.の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。
・上記1.から11.の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。
具体的には都市計画とは次の1.から11.のことである。
1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2)
2.都市再開発方針等(同法第7条の2)
3.区域区分(同法第7条)
4.地域地区(同法第8条)
5.促進区域(同法第10条の2)
6.遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3)
7.被災市街地復興推進地域(同法第10条の4)
8.都市施設(同法第11条)
9.市街地開発事業(同法第12条)
10.市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2)
11.地区計画等(同法第12条の4) 注:
・上記1.から11.の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8.の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。
・上記4.の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。
・上記1.から11.の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。
都市再生機構
都市基盤整備公団と地域振興整備公団の地方都市開発整備部門を合併・改組して、「独立行政法人都市再生機構法」にもとづき2004(平成16)年7月に設立された独立行政法人。
その主要な業務は、大都市および地域社会の中心となる都市において、 1.市街地の整備改善の支援(宅地の造成、土地区画整理事業等を自ら実施することを含む) 2.賃貸住宅の供給の支援(敷地の整備譲渡を自ら実施することを含む) 3.都市基盤整備公団から継承した賃貸住宅等の管理等 を行なうことである。また、これらの業務の実施に当っては、できる限り民間の資金、経営能力および技術的能力を活用し、民間事業者との協力および役割分担が適切に図られるよう努めなければならないとされている。
その主要な業務は、大都市および地域社会の中心となる都市において、 1.市街地の整備改善の支援(宅地の造成、土地区画整理事業等を自ら実施することを含む) 2.賃貸住宅の供給の支援(敷地の整備譲渡を自ら実施することを含む) 3.都市基盤整備公団から継承した賃貸住宅等の管理等 を行なうことである。また、これらの業務の実施に当っては、できる限り民間の資金、経営能力および技術的能力を活用し、民間事業者との協力および役割分担が適切に図られるよう努めなければならないとされている。
住宅供給公社
勤労者に対する良好な集合住宅の供給等を行なうために、都道府県等が出資し設立した公法人。「地方住宅供給公社法」に基づいて設立、運営される。
住宅供給公社は、積立分譲(一定の期間、一定の金額に達するまで定期に金銭を受け入れ、期間満了後にそれを代金の一部に充てて住宅を譲渡する方法)で住宅を供給するほか、賃貸住宅(公社住宅)の経営などの業務を行なっている。
公社は、資金調達のために債券を発行することができ、また、土地の先買いにおける買収主体になることができる。
住宅供給公社は、積立分譲(一定の期間、一定の金額に達するまで定期に金銭を受け入れ、期間満了後にそれを代金の一部に充てて住宅を譲渡する方法)で住宅を供給するほか、賃貸住宅(公社住宅)の経営などの業務を行なっている。
公社は、資金調達のために債券を発行することができ、また、土地の先買いにおける買収主体になることができる。
防災街区整備地区計画
都市計画法第12条の4に規定する「地区計画等」の一つ。密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に従い、都市計画によって定められる。
防災街区整備地区計画は、火事・地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために支障をきたしている地区について、公共施設などの防災機能を整備しようとする計画である。
防災街区整備地区計画を定めるための条件は、特定防災機能(火事または地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために必要とされる機能)を確保するだけの公共施設がないこと、特定防災機能に支障をきたしていること、用途地域が定められていること、である。
防災街区整備地区計画は、火事・地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために支障をきたしている地区について、公共施設などの防災機能を整備しようとする計画である。
防災街区整備地区計画を定めるための条件は、特定防災機能(火事または地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために必要とされる機能)を確保するだけの公共施設がないこと、特定防災機能に支障をきたしていること、用途地域が定められていること、である。
宅地建物取引業法
宅地建物取引の営業に関して、免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を定めた法律。1952年に制定された。
この法律に定められている主な内容は、宅地建物取引を営業する者に対する免許制度のほか、宅地建物取引士制度、営業保証金制度、業務を実施する場合の禁止・遵守事項などである。これによって、宅地建物取引業務の適正な運営、宅地および建物の取引の公正の確保および宅地建物取引業の健全な発達の促進を図ることとされている。
この法律に定められている主な内容は、宅地建物取引を営業する者に対する免許制度のほか、宅地建物取引士制度、営業保証金制度、業務を実施する場合の禁止・遵守事項などである。これによって、宅地建物取引業務の適正な運営、宅地および建物の取引の公正の確保および宅地建物取引業の健全な発達の促進を図ることとされている。
重要事項説明
宅地建物の取引において、宅地建物取引業者が取引当事者に対して契約上重要な事項を説明することをいう。
また、その際に、説明の内容を記載して当事者に交付する書面を重要事項説明書という。
重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約を締結するよりも前に行なわなければならない。また、説明に当たるのは宅地建物取引士でなければならず、さらには、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある(相手方の同意を得たうえで電磁的方法で書面を交付し、IT(インターネット等)を用いた説明を行なうこともできる)。
説明を要する事項は、売買か賃貸かなどの取引内容に応じて異なるが、大きく分けて、 1.取引対象不動産の権利関係、2.取引対象不動産に係る法令上の制限、3.取引対象不動産の状態やその見込み、4.契約の条件 に関する事項とされている(詳細は必ず直接に法令(宅地建物取引業法第35条およびその関連法令)に当たって確認されたい。また、臨機に改正も予想されるので留意が必要である)。
重要事項説明は、不動産の特性や取引の形態に起因して取引当事者に不利益が発生することを防ぐための仕組みとされ、その適正な実施が強く求められている。
重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約を締結するよりも前に行なわなければならない。また、説明に当たるのは宅地建物取引士でなければならず、さらには、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある(相手方の同意を得たうえで電磁的方法で書面を交付し、IT(インターネット等)を用いた説明を行なうこともできる)。
説明を要する事項は、売買か賃貸かなどの取引内容に応じて異なるが、大きく分けて、 1.取引対象不動産の権利関係、2.取引対象不動産に係る法令上の制限、3.取引対象不動産の状態やその見込み、4.契約の条件 に関する事項とされている(詳細は必ず直接に法令(宅地建物取引業法第35条およびその関連法令)に当たって確認されたい。また、臨機に改正も予想されるので留意が必要である)。
重要事項説明は、不動産の特性や取引の形態に起因して取引当事者に不利益が発生することを防ぐための仕組みとされ、その適正な実施が強く求められている。