最終更新日:2024/7/3
簡易型耐震診断法
かんいがたたいしんしんだんほう2011(平成23)年の「東日本大震災」、2016(平成28)年の「熊本地震」など、大地震の発生を受けて、「住生活基本計画」(2021(令和3)年3月閣議決定)および「国土強靭化年次計画2023」に従い、国土交通省では、「令和12年までに耐震性が不十分な住宅、令和7年までに耐震性が不十分な耐震診断義務付け対象建築物をおおむね解消する」との目標を掲げ、建築物所有者による耐震化を支援している。
その第1歩となる耐震診断の実施については、一般にはなじみにくく、ある程度の費用も予想されることから、この普及のために地方公共団体や(一財)日本建築防災協会などにおいて相談窓口を設け、また地方公共団体等によっては、費用を助成することなどにより、耐震診断の普及促進が図られている。
日本建築防災協会では、同協会耐震診断WEBサイト「耐震支援ポータルサイト」に「誰でもできるわが家の耐震診断」と題して、例えば建築時期が新耐震基準施行(1981年6月)以前か以後か、今までに大きな災害に見舞われたことがあるかなど、簡単なQ&A方式による耐震診断ツールを提供している。
また、同協会においては、国土交通省の依頼を受け、新耐震基準導入後の木造建築について被害が少ないことに鑑み、まず、建物所有者等がスクリーニング的に耐震性能を確認する「所有者等による検証」と、専門家が、現地調査を行なわず図面や所有者等による調査の結果を活用し一般的な診断法に準拠した方法で耐震性能を確認する「専門家による効率的な検証」の、2段階の診断方法を検討・作成している。
このほか、同ポータルサイトでは、信頼できる専門家、事業者、団体についても情報提供をしており、耐震診断に対する関心の高まりを悪用したリフォーム詐欺などの発生の予防も図っている。
住生活基本計画
全国計画には、計画期間、施策の基本方針、目標、基本的施策、大都市圏における住宅・宅地の供給促進などを定めることとされている。
例えば、2021(令和3)年に策定された全国計画は、「社会環境の変化」「居住者・コミュニティ」「住宅ストック・産業」の3つの視点から、「新たな日常、DXの推進等」「安全な住宅・住宅地の形成等」「子どもを産み育てやすい住まい」「高齢者等が安心して暮らせるコミュニティ等」「セーフティネット機能の整備」「住宅循環システムの構築等」「空き家の管理・除却・利活用」「住生活産業の発展」という8つの目標を定めている。そして、それぞれの目標について基本的な施策と成果指標を示し、住宅政策の枠組みを明確にしている。
また、都道府県計画には、全国計画に即して、当該都道府県の区域内における同様の計画が定められている。
国土交通省
「国土の総合的かつ体系的な利用、開発及び保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、観光立国の実現に向けた施策の推進、気象業務の健全な発達並びに海上の安全及び治安の確保を図ること」(国土交通省設置法)を任務とし、その達成のための事務を司っている。
所掌事務は多岐にわたるが、たとえば、国土、都市、住宅、交通に関する政策、河川、道路、港湾の整備、不動産業、建設業、運送業に関する事務の大部分は、国土交通省が担っている。また、国土地理院、気象庁、海上保安庁、観光庁は、国土交通省の組織である。
国土交通省は、平成の中央省庁再編の一環として、国土庁、建設省、運輸省、北海道開発庁を統合し、2001年1月6日に発足した。
耐震診断
地方公共団体
新耐震基準
これに対して、その前日まで適用されていた基準を「旧耐震基準」という。
新耐震基準は、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されている。技術的には、地震力が加えられた場合の構造部材に生じる応力が許容応力以下であるだけでなく、一定以上の規模の建物については、靱性(粘り強さ)を確保することが求められる。また、建物強度のバランスも必要とされる。
なお、旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないような構造基準として設定されていた。
木造
木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。
リフォーム
リフォームへのニーズは、既存建物の有効活用、既存住宅流通の活性化、良質な住宅ストックの形成などの要請によって、今後高まっていくと考えられている。また、これを促進するためのリフォーム減税が措置されている。
一方で、リフォームは、その目的や内容が多様で幅広いこと、リフォーム前の建物の状態がさまざまであることなどの特徴がある。そのため、リフォームのための技術・技能や費用を標準化するのが難しい。また、リフォームによって高まるであろう不動産価値を評価する手法は十分に確立されているとは言い難く、リフォームを不動産価格に反映するしくみも十分ではない。リフォームに対するニーズに応えるためには、これらの課題に取り組まなければならない。