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最終更新日:2024/7/3

不動産コンサルティング技能登録制度

ふどうさんこんさるてぃんぐぎのうとうろくせいど

(公財)不動産流通推進センター不動産特定共同事業法施行規則第21条第1項第3号に基づき、不動産コンサルティングについて一定以上の専門知識及び能力を有していることを国土交通大臣の登録を受けて実施する登録証明事業。受験資格は、宅地建物取引士、不動産鑑定士および一級建築士の登録者であり、試験に合格するとともに、それぞれの領域で5年以上の実務経験を積んだ時点で登録が可能となる。

登録した者は、「公認不動産コンサルティングマスター」との称号を得て、依頼者との契約に基づき、不動産に関する専門的な知識・技能を活用し、不動産の利用、取得、処分、管理、事業経営および投資等について、依頼者が最善の選択や意思決定を行えるように企画、調整し、提案する業務を行なうこととなり、特に以下のような不動産関連事業の人的能力要件を満たすものとして扱われている。

 

1)不動産特定共同事業法による不動産特定共同事業の業務管理者

2)不動産投資顧問業登録規程における登録申請者及び重要な使用人

3)金融商品取引法における不動産関連特定投資運用業を行なう者

-- 本文のリンク用語の解説 --

不動産流通推進センター

不動産業の近代化を推進するための組織で、1980(昭和55)年に設立された公益財団法人。

その主要な業務は、 1.不動産流通市場の整備・近代化に対する支援(レインズの開発、価格査定マニュアル等の策定・普及、調査研究など) 2.協業化のための借入れに対する債務保証    3.不動産業に従事する人材の育成(宅建試験合格者のための登録実務講習、不動産コンサルティング技能試験・登録、初任従業者研修などの実施) である。 また、不動産流通4団体((公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(一社)不動産流通経営協会、(公社)全日本不動産協会、(一社)日本住宅建設産業協会が参加する不動産物件の検索サイト「不動産ジャパン」の運営も担当している。

不動産特定共同事業法

出資等を受けて不動産取引を行ない、その収益を分配する事業の仕組みを定めた法律で、そのような事業を「不動産特定共同事業」という。1994(平成6)年に制定された。 不動産特定共同事業は、宅地建物取引業の特別な形態で、倒産隔離できない1号事業と、倒産隔離されたSPC方式(特定目的法人を設立する方式)による特例事業とがある。 不動産特定共同事業を営むには、原則として国土交通大臣等の許可が必要で、宅地建物取引業の免許を受けていること、法人であること、一定額以上の資本金を有していることなどの要件を満たさなければならないとされる。ただし、出資総額及び一人当たりの出資額が小さい小規模不動産特定共同事業については、登録によって営業することができる。 また業務に関しては、不動産の適正かつ合理的な利用の確保に努め、投機的取引の抑制を図るよう配慮すること、広告・勧誘等についての一定の規制・制限を遵守すること、契約に当たって一定の説明を書面で行なうことなどが定められている。 この法律の制定により、組合方式等による不動産の証券化を円滑に進めるためのルールが明確となり、投資家の資金を活用した不動産の流動化が促進されることとなった。 なお、特例事業の不動産共同事業契約に基づく権利は金融商品取引法の「みなし証券」として同法が適用されるほか、不動産特定共同事業法の対象となる商品のすべてについて、金融商品取引法に定める損失補塡等の禁止及び適合性の原則の規定が準用によって適用される。

宅地建物取引士

宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けて、宅地建物取引士証の交付を受けた者のこと。

一定以上の知識・経験を持つ者として公的に認められた者である。宅地建物取引業者は、事務所ごとに従事者5名に対して1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければならない(詳しくは宅地建物取引士の設置義務へ)。

宅地建物取引において特に重要な次の3つの業務は、宅地建物取引士だけが行なうことができるとされている(宅地建物取引士ではない者はこれらの業務を行なうことができない)。 1.重要事項説明
2.重要事項説明書への記名・押印
3.37条書面への記名・押印

宅地建物取引士となるためには、具体的には次の1)から5)の条件を満たす必要がある。 1)宅地建物取引士資格試験に合格すること
宅地建物取引業に関して必要な知識に関する資格試験である宅地建物取引士資格試験に合格することが必要である。なお、一定の要件を満たす者については宅地建物取引士資格試験の一部免除の制度がある。
2)都道府県知事に登録を申請すること
この場合、宅地建物取引に関して2年以上の実務経験を有しない者であるときは、「登録実務講習」を受講し修了する必要がある。
3)都道府県知事の登録を受けること
登録を受けるには一定の欠格事由に該当しないことが必要である。
4)宅地建物取引士証の交付を申請すること
宅地建物取引士証の交付を申請する日が宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「法定講習」を受講する義務がある。
5)宅地建物取引士証の交付を受けること
氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている宅地建物取引士証の交付を受けて初めて正式に宅地建物取引士となる(氏名において旧姓が併記された宅地建物取引士証の交付を受けた日以降は、書面への記名等の業務において旧姓を使用してよいこととされている)。 宅地建物取引士は、宅地建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護および円滑な宅地建物の流通に資するよう公正誠実に業務を処理するほか、信用・品位を害するような行為をしないこと、必要な知識・能力の維持向上に努めることとされている。

一級建築士

建築物の設計や工事管理を行なうことのできる資格のひとつ。建築士法に基づき、国土交通大臣の行なう一級建築士試験に合格し、大臣から免許を受けることによって得ることのできる資格である。 建築物の設計・工事管理は、用途、構造、規模に応じて定められた一定の建築物について、一級建築士、二級建築士または木造建築士が行なわなければならないとされている(建築基準法)。この場合、二級建築士および木造建築士については設計・工事管理を行なうことができる建築物に制限があるが、一級建築士は、すべての建築物について設計・工事管理を行なうことができる。 ただし、一定規模以上の建築物の構造設計または設備設計に関しては、構造設計一級建築士または設備設計一級建築士による構造関係規定または設備関係規定への適合性の確認を受けるか、それらの者が自ら構造設計または設備設計を行なう必要がある。

契約

対立する2個以上の意思表示の合致によって成立する法律行為のこと。

具体的には、売買契約、賃貸借契約、請負契約などのように、一方が申し込み、他方が承諾するという関係にある法律行為である。

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

不動産投資顧問業

不動産投資について委託を受け、投資の助言、投資の判断、取引の代理などを行なう者をいう。 その業務は大きく、 1.不動産投資の判断に対する助言等の業務(投資助言) 2.投資判断とともにそれにもとづく取引を委任される業務(投資一任) に分かれ、2.の業務を行なうには、宅地建物取引業の免許が必要である。

不動産投資顧問業者は国土交通省の登録簿に登録することができるが、その登録には、1.の業務のみを行なう「一般不動産投資顧問業」と、1.および2.の業務を行なう「総合不動産投資顧問業」の別がある。

金融商品取引法

有価証券をはじめとする広範な金融商品の取引等について包括的なルールを定めた法律で、証券取引法を全面的に改正するなどにより、2007(平成19)年9月に施行された。 この法律の目的は、金融商品に関する公正な取引、円滑な流通、公正な価格形成等を確保することである。そのために、企業内容等の開示制度、金融商品取引業者等に対する業務規制、金融取引所の開設・運営についての規制などを規定している。 その特徴は、 1.幅広い金融商品の取引業務を投資サービスとして捉え、そのような行為に対して横断的にルールを適用すること 2.投資家の保護と投資市場の自由な発達との均衡を図るため、プロの投資家への法の適用の特例を定めるなど、制度的な工夫がなされていること 3.規制の枠組みを、公正な価格形成などの市場機能に着目して構成していること である。 この法律は、不動産の証券化した商品の発行や取引についてだけでなく、不動産の流動化によって生み出されたすべての金融商品の取引等に対しても適用される。ただし、不動産特定共同事業法の対象となる商品(不動産特定共同化事業契約に基づく権利の証券化商品)については、同法の特例事業(倒産隔離されたSPC方式の事業)の出資持分以外は、保険契約、共済契約等に基づく権利の証券化商品と同様に、金融商品取引法の適用対象から除外されている。 なお、金融商品取引法が定める損失補塡等の禁止及び適合性の原則の規定については、不動産特定共同事業法の対象となる商品についても準用によって適用される。