耐火等級
たいかとうきゅう
住宅性能表示制度においては、住宅の性能を評価する10項目のひとつとして「火災時の安全に関すること」があるが、これを評価するに当たり、部位ごとに火炎を遮る時間の長さによって、耐火性能を等級化している(等級の数値が大きい方が性能が良い)。
具体的には、1)延焼のおそれのある部分の開口部については、20分未満を「等級1」、20分以上60分未満を「等級2」、60分以上を「等級3」とし、2)外壁等(開口部以外)については、20分未満を「等級1」、20分以上45分未満を「等級2」,45分以上60分未満を「等級3」、60分以上を「等級4」としている。また、3)特に共同住宅にあっては、住戸間の界壁及び界床について、2)と同様の4等級を用いている。
住宅性能表示制度
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により導入された、住宅の性能を表示するための制度のこと。
品確法では、住宅の性能が正しく表示されるように次のような仕組みを設けている。
1.評価する機関を大臣が指定する。
品確法にもとづき正式に住宅性能を評価することができる機関は、登録住宅性能評価機関だけに限定されている(品確法第5条第1項)。登録住宅性能機関とは、住宅性能評価を行なうことができる機材や能力等を持つものとして国土交通大臣により登録を受けた会社等のことである。
2.評価書の作成方法を大臣が定める
登録住宅性能評価機関は、依頼者の依頼を受けて、住宅の性能を評価した結果を表示する書面(住宅性能評価書)を作成する。
この住宅性能評価書を作成するにあたっては、登録住宅性能評価機関は、国土交通大臣が定めた基準(日本住宅性能表示基準)に準拠しなければならない。
このように国が関与することにより、住宅の性能が適切に表示される仕組みが設けられている。
なお、品確法では、住宅性能評価書が交付された新築住宅については、住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま請負契約や売買契約の契約内容になる場合があると規定している。この規定により注文者保護・買主保護が図られている(詳しくは「住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係」へ)。
また建設住宅性能評価書が交付された住宅については、指定住宅紛争処理機関に対して、紛争処理を申請することができるとされている(品確法第67条)。
開口部
壁・床・屋根に設けられた開口部分のこと。窓、出入口、天窓などを指す。
界壁
マンションなどの建物において、隣り合う住戸を区切る壁。「戸境壁(こさかいかべ)」とも言う。
界壁は、建築基準において、一定の遮音性能を備えていること、「準耐火構造」以上の防火性能があること(耐火建築物においては耐火構造であること)が必要とされている。なお、各戸の界壁は、一定の遮音性能を有するものとして小屋裏又は天井裏に達しなければならないとされていたが、2019年の建築基準法改正によって天井の構造が界壁と同等の遮音性能を有するものとした場合には小屋裏等に達しなくてもよいとされた。
界壁の遮音性能については基準があるが、建物の上下階を区切る床の遮音性能については、特に定めはない。