最終更新日:2025/2/21
排水権
はいすいけん民法では、「土地の所有者は、隣地から水が自然に流れてくるのを妨げてはならない(第214条)」としており、水が高所から低地に流れるものであるという自然の性質上、降雨等に起因する自然な排水については、妨げてはならないとしている。これは、相隣関係における隣地所有者の「承水義務」と表現される一方、排水者の側からは、「排水権」であるとされる。
また、土地所有者は、他の土地で水流の閉塞等が生じて自らの土地に損害が及ぶときには、その除去等を行なうことができまたは除去を請求できるとされている(第216条)ほか、高地が浸水した場合にその所有者は、余水を排出するために低地に水を通過させることができる。その場合には最も損害の少ない方法を選ばなければならない(第220条)。
自然に流れる水については、こうした関係が成り立つが、一方で、人工的な排水については、雨水を直接隣地側へ排水する屋根等の工作物を設けてはならないとされており(第218条)、高地の所有者が設置した人工物(屋根、雨どい、排水路等)を介した場合には、それに伴う損害を賠償する責を負うものとされる。
(「水流に関するルール(民法の〜)」参照)
-- 本文のリンク用語の解説 --
屋根
建物の上部に設ける覆い。屋根は、雨露、風雪、寒暑を防ぐために設けられ、建築構造の一部となる。
屋根のかたちには、二つの面が棟で山型に合わさる「切妻屋根」、山型の二面とその両端を斜めに切る二面で構成する「寄棟屋根」、傾斜した四つの面が頂点で合わさる「方形屋根(ほうぎょうやね)」、一つの傾斜面の「片流れ屋根」、水平面の「陸屋根(ろくやね)」、切妻屋根の両端に傾斜面を付加した「入母屋屋根(いりもややね)」などがある。
屋根材としては、粘土瓦、セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)、スレート(化粧スレート、天然スレート)、金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等)が用いられるほか、陸屋根の屋根材には、アスファルト、モルタル、防水シート等の防水材が使用される。また、古民家のなかには茅や藁を用いるものもある。
なお、屋根を仕上げることを「葺く」といい、屋根を「瓦葺」「スレート葺」「茅葺」などに分ける場合もある。
雨どい
屋根面を流れる雨水を地上や下水に導くための溝形や管状の部材のこと。
いわば雨の道で、横方向に流す軒樋(のきどい)、谷樋(たにどい)、縦方向に導くための竪樋(たてどい)、横樋(よこどい)と竪樋をつなぐ呼樋(よびどい)(形状が似ているので鮟鱇=あんこう、ともいう)などがある。
ちなみに、ボーリング競技でいう「ガータ」は、英語で雨どいのこと。
水流に関するルール(民法の〜)
土地の上を流れる水に関して、隣地との関係を定めたルール。民法の相隣関係として規定されている。
水流は土地に固着しないため、その特質に即した取り扱いが必要となるからである。
主なルールとして、
1)隣地から水が自然に流れてくるのを妨害してはならないこと
2)他の土地で水流の閉塞等が生じて自らの土地に損害が及ぶときには、その除去等を行なうことができまたは除去を請求できること
3)自らの土地において、隣地の岸辺・流路が変わるような行為をしてはならないこと
4)高地の所有者は、浸水や余水の排出のため、公共水流または下水道に至るまで低地に水を通過させることができること
5)堰を設ける場合には、対岸の他人所有地に付着させることができること
などが定められている。 なお、水利用に関する民法の規定は極めて簡素であって、その利用関係の調整は、河川法などによるほか、慣習による場合もある。
1)隣地から水が自然に流れてくるのを妨害してはならないこと
2)他の土地で水流の閉塞等が生じて自らの土地に損害が及ぶときには、その除去等を行なうことができまたは除去を請求できること
3)自らの土地において、隣地の岸辺・流路が変わるような行為をしてはならないこと
4)高地の所有者は、浸水や余水の排出のため、公共水流または下水道に至るまで低地に水を通過させることができること
5)堰を設ける場合には、対岸の他人所有地に付着させることができること
などが定められている。 なお、水利用に関する民法の規定は極めて簡素であって、その利用関係の調整は、河川法などによるほか、慣習による場合もある。