最終更新日:2017/12/8
抜き行為
ぬきこういある依頼者(売主・買主・貸主・借主)が、ある宅地建物取引業者との間で媒介契約または代理契約を締結しているにもかかわらず、他の宅地建物取引業者がその依頼者を誘引して媒介契約または代理契約を締結することを「抜き行為」という。
依頼者の側から見た場合、先行する宅地建物取引業者と後行する宅地建物取引業者との間で二重に媒介契約または代理契約を締結することになる場合もあれば、先行する宅地建物取引業者との媒介契約または代理契約を解除して、後行する宅地建物取引業者との間でのみ媒介契約または代理契約を締結する場合もある。
いずれにしても、先行する宅地建物取引業者からすれば、依頼者を「抜かれた」ものと捉えることができるため、トラブルを招きやすい行為である。
なお、依頼者と先行する宅地建物取引業者との間で締結されていた媒介契約が「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」である場合には、依頼者は当該媒介契約に従って違約金を支払うこととなる可能性があるので、注意が必要である。
また、依頼者と先行する宅地建物取引業者との間で締結されていた媒介契約が「一般媒介契約(明示型・非明示型)」である場合には、依頼者は明示義務や通知義務を怠れば、当該媒介契約に従って違約金を支払うこととなる可能性がある。
-- 本文のリンク用語の解説 --
売主
不動産の売買契約において、不動産を売る人(または法人)を「売主」という。
また不動産広告においては、取引態様の一つとして「売主」という用語が使用される。
この取引態様としての「売主」とは、取引される不動産の所有者(または不動産を転売する権限を有する者)のことである。
また不動産広告においては、取引態様の一つとして「売主」という用語が使用される。
この取引態様としての「売主」とは、取引される不動産の所有者(または不動産を転売する権限を有する者)のことである。
貸主
不動産の賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)を「貸主」という。
不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。
この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。 貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。 なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。
不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。
この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。 貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。 なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。
宅地建物取引業者
宅地建物取引業者とは、宅地建物取引業免許を受けて、宅地建物取引業を営む者のことである(宅地建物取引業法第2条第3号)。
宅地建物取引業者には、法人業者と個人業者がいる。
なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。
なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。
媒介契約
不動産の売買・交換・賃貸借の取引に関して、宅地建物取引業者が取引当事者の間に立ってその成立に向けて活動するという旨の契約をいい、売主または買主(賃貸借取引の場合には、貸主または借主)と宅地建物取引業者との間で締結される。
宅地建物取引業法は、媒介契約について、契約内容を記した書面の交付義務、媒介報酬の制限などを規定しているほか、媒介契約に従って行なう活動の方法等についてそのルールを定めている。
宅地建物取引業法は、媒介契約について、契約内容を記した書面の交付義務、媒介報酬の制限などを規定しているほか、媒介契約に従って行なう活動の方法等についてそのルールを定めている。
代理契約(宅地建物取引業法における〜)
宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主の代理人や買主の代理人となって(または貸主の代理人や、借主の代理人となって)、取引成立に向けて活動するという意味である。
宅地建物取引業者がこうした活動を行なう際に、依頼者(売主・買主・貸主・借主)と宅地建物取引業者との間に締結される契約を「代理契約」と呼ぶ。
代理契約の方法や内容については、宅地建物取引業法第34条の3(および第34条の2)によって厳しい規制が加えられている。
代理契約に関する規制は、媒介契約に関する規制と同一であるが、報酬額の最高限度が異なっている。
宅地建物取引業者がこうした活動を行なう際に、依頼者(売主・買主・貸主・借主)と宅地建物取引業者との間に締結される契約を「代理契約」と呼ぶ。
代理契約の方法や内容については、宅地建物取引業法第34条の3(および第34条の2)によって厳しい規制が加えられている。
代理契約に関する規制は、媒介契約に関する規制と同一であるが、報酬額の最高限度が異なっている。
専任媒介契約
宅地または建物の売買または交換の媒介の契約(媒介契約)であって、媒介の依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買または交換の媒介または代理を依頼することを禁ずる媒介契約をいう。
この契約の有効期間は、3月を超えることができないとされている(契約期間の更新は可能)。
専任媒介契約を締結した場合には、宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、7日以内に、媒介の目的物に関する事項を指定流通機構に登録しなければならないとされている。
この契約の有効期間は、3月を超えることができないとされている(契約期間の更新は可能)。
専任媒介契約を締結した場合には、宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、7日以内に、媒介の目的物に関する事項を指定流通機構に登録しなければならないとされている。
専属専任媒介契約
宅地または建物の売買または交換の媒介の契約(媒介契約)のうち、専任媒介契約であって、かつ依頼者は、依頼した宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買等の契約を締結することができない旨の特約が付いた契約をいう。
つまり、依頼者は取引の相手方を自分で発見しても、媒介を依頼した宅地建物取引業者の媒介なしには契約できないことになる。
専属専任媒介契約を締結した場合には、宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、5日以内に、媒介の目的物に関する事項を指定流通機構に登録しなければならないとされている。
つまり、依頼者は取引の相手方を自分で発見しても、媒介を依頼した宅地建物取引業者の媒介なしには契約できないことになる。
専属専任媒介契約を締結した場合には、宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、5日以内に、媒介の目的物に関する事項を指定流通機構に登録しなければならないとされている。
一般媒介契約
媒介契約の一つの類型。
一般媒介契約とは、次の1.および2.の特徴を持つ媒介契約のことである。
1.依頼者(すなわち売主等のこと)が「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて媒介を依頼することが原則的に自由である。
2.依頼者自身が、自分の力で取引の相手を発見し、直接契約することが原則的に自由である。
なお、依頼者が、「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて依頼する場合において、その「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に通知するかどうかにより、一般媒介契約はさらに次の2つの類型に分かれる。
1)明示型の一般媒介契約
明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知する義務があるとする媒介契約である。
2)非明示型の一般媒介契約
非明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知しなくてよいとする媒介契約である。
一般媒介契約とは、次の1.および2.の特徴を持つ媒介契約のことである。
1.依頼者(すなわち売主等のこと)が「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて媒介を依頼することが原則的に自由である。
2.依頼者自身が、自分の力で取引の相手を発見し、直接契約することが原則的に自由である。
なお、依頼者が、「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて依頼する場合において、その「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に通知するかどうかにより、一般媒介契約はさらに次の2つの類型に分かれる。
1)明示型の一般媒介契約
明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知する義務があるとする媒介契約である。
2)非明示型の一般媒介契約
非明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知しなくてよいとする媒介契約である。