ビアジェ
びあじぇフランスにおける高齢者の所有不動産に関する特殊な売買契約のこと。
高齢者が住宅を買主に売却し、その対価として、買主から高齢者に対して高齢者が生存する期間に限り毎月一定額の金銭が支払われ、しかも高齢者はその住宅に終生住み続けることができるという契約である。
高齢者から見れば、長生きをするほど買主からの受取金額が増えていき、しかも家賃を支払うことなく住み続けることができるので、長生きが有利である。しかし買主から見れば、高齢者が長生きをするほど不利となる。このように、ビアジェは買主にとって危険性の高い契約であるが、その反面、住宅を通常よりも低額で取得できる可能性があるというメリットがある。
フランスではすでにローマ時代からこのビアジェという売買契約が行なわれていたという。
このように、ビアジェがフランスで普及している理由としては、
1.フランス民法典にビアジェが明文化されていること、2.フランスの法制度では、不動産売買契約が官吏である公証人によって必ず確定・認証されるため、複雑な不動産売買契約が法律上安全に締結できること
などが考えられる。
持家を担保に生活資金を融資し、所有者の死亡もしくは契約終了時に一括返済する仕組みをいう。
時間の経過とともに融資残高が増加していき、最終的に一括して返済されることが特徴である。一括返済のための資金は、一般的に、持家を処分して確保されることとなる。その間の利息も、最後に一括して支払うことが多い。
持家を所有するが収入が少ない高齢者等が生活資金を確保する仕組みとして工夫されたもので、欧米で発達した。日本では、地方公共団体が生活支援方策の一つとして活用する例があるほか(最も早い例は、1981(昭和56)年の(財)武蔵野市福祉公社(東京都武蔵野市)による「福祉資金貸付サービス」であるとされる)、金融手法の一つとしていくつかの金融機関等が導入している。
なお、契約期間終了時に持家を処分する場合にも、その後もその住宅に住み続けることのできる特約を伴うことが一般的である。