景観行政団体が策定する景観計画で定められた区域のこと(景観法第8条第2項第1号)。
景観計画区域では、行為の制限に関する事項(第8条第2項第3号)として、建築物・工作物の形態意匠の制限、建築物・工作物の高さの最高限度または最低限度の制限、壁面の位置の制限または建築物の敷地面積の最低限度などのうち必要なものが定められている(第8条第3項)。
景観計画区域内で次の行為をするときは、30日前までに景観行政団体の長に届出を行なうことが必要である(景観法第16条第1項、第18条第1項)。
1.建築物の新築、増築、改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替または色彩の変更
2.工作物の新設、増築、改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替または色彩の変更
3.開発行為その他政令で定める行為
4.良好な景観の形成に支障を及ぼす恐れのある行為として景観計画に従い景観行政団体の条例で定める行為
この届出に対して、景観行政団体の長は、設計の変更等の措置を命じることができる(景観法第17条第1項)。この命令に従わない場合、景観行政団体の長は、原状回復を命令することができ、それにも従わないときは自ら原状回復等を行なうことができる(景観法第17条第5項、第6項)。
このように景観計画区域内での行為制限には、ある程度の強制力が付与されていることに特徴がある。また原状回復命令(景観法第17条第5項)に違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則が予定されている(景観法第100条)。