信託において、信託財産から得られる利益を受け取る権利をいう。その権利の内容は、信託契約等において個別に定められる。
信託受益権を分割して譲渡することが可能なように信託契約で定めれば、信託受益権は株式や社債など一般の証券と同様に流通させることができる。例えば、投資信託などの受益証書は、信託受益権が分割され流通している代表的な例である。
また、信託受益権の取引については、原則として、金融商品取引法による規制の対象となる。
なお、不動産の信託受益権のなかには、その性質が不動産そのものと類似したもの(分割の禁止や譲渡の制限、信託不動産の賃借人の特定、税負担などを伴う受益権)があり、取引に当たって宅地建物取引業法が適用される恐れがあることに注意が必要である。