法律で定められた期間のうち、その期間内に権利を行使しないと権利が当然に消滅する場合の、その期間をいう。
時効と異なり、中断すること(ある事由により経過した期間が消えること)はなく、また、当事者の援用(この規定によって利益を受ける旨の意思表示)がなくても効果が生じる。
法律で期間が制限されている場合に、その制限された期間が除斥期間であるかどうかは、権利の性質や関係の実態に照らして個別に判断される(つまり、条文の書き方では判断できない)。例えば、占有を妨害されたときの妨害停止等の訴え(占有保持の訴え)の提起期間や、賃貸借契約において借主の契約に反した行為による損害賠償等を返還後に請求することのできる期間は、除斥期間であると考えられている。これらの場合には、それぞれの期間(いずれも1年とされている)を過ぎれば、提起や請求をする権利は消滅する。