消費者(個人)と事業者との間で締結される契約(消費者契約)について、消費者の保護を図るための特例を定めた法律で、2001(平成13)年3月に施行された。
この法律では、消費者が契約の締結について勧誘された際に、
1.重要事項説明について事実と異なることを告げられたこと、2.将来の変動が不確実な事項について断定的判断が提供されたこと、3.重要事項について不利益となる事実が告げられなかったこと、4.勧誘の場所から事業者が退去しないまたは自らの退去を妨げられたこと、退去困難な場所に同行され勧誘を受けたこと、第三者に相談するために電話等で連絡することを威迫等をもって妨げられたこと
等により誤認や困惑したときには、契約の申込みや承諾の意思表示を取り消すことができることとしている。
また、消費者契約について、事業者の損害賠償の責任を免除する一定の条項、消費者が支払う損害賠償の額を予定する一定の条項、消費者の利益を一方的に害する条項については、これを無効することを規定している。
なお、消費者は個人であるとされるが、事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合には消費者とはみなされず、その契約に対しては消費者契約法は適用されない。また、事業には非営利事業も含むとされている。
これらの規定は、すべて消費者契約(労働契約を除く)について民法の特例を定めるもので、不動産の売買や賃貸借、あるいはそれらを仲介する契約に対しても適用される。ただし、宅地建物取引業法は消費者契約法の特別法であり、両者が競合する場合には、前者の規定が優先して適用される。