資産(不動産)の証券化に当たってSPEが満たすべきとされる要件の一つで、その保有・運用する資産(不動産)を関係者の倒産等のリスクから切り離すことをいう。
企業が倒産すると、債権者や管財人は倒産企業が保有する資産や株主議決権などを活用して債権回収を図るが、SPEの保有・運用する資産に対してそのような追及が及べば投資家の利益を損なうことになる。倒産隔離は、そのような追及を防いで、保有・運用資産を法的に保護する仕組みである。
例えば、SPE自身の倒産リスクに対しては、他業規制(当初目的事業以外の禁止)などのほか、議決権を有する出資者を有限責任中間法人やケイマンSPC(ケイマン島に設立した特殊な法人)に限定して公正な第三者のみが議決権を持つようにする手法などが、オリジネーター(Originator)の倒産リスクに対しては、真正売買を確保するなどの方法が採用されている。