共有物を単独者の所有物とするために分割すること。例えば、相続によって共有している土地を分け合う場合は共有物分割に該当する。
それぞれの共有者はいつでも分割の請求をすることができる。ただし、契約によって5年を超えない期間内は分割しない旨を契約することができる。分割請求がなされた場合は、共有者間で分割の協議がなされるが、整わない場合には裁判所に分割を請求することができる。
土地を分割する方法には、分筆してそれぞれを単独の所有とする方法(現物分割)のほか、共有する土地を売却して得た代金を分け合う方法、特定の者の所有とし他の共有者に対しては金銭を支払う方法(賠償分割)などがある。
なお、ある共有者から持分権を譲り受けた者は、その共有者の権利義務を承継する。
また、民法の改正によって、共有者が、裁判所の決定を得て、所在等不明共有者(氏名等不特定を含む)の不動産の持分を取得することができることとされた(2023年4月1日施行)。この場合、遺産共有については、相続開始から10年を経過していなければならない。