一定の事項を特定の者に委任する旨を記載した書面。委任する事項(委任事項)、委任する相手(受任者名)などを記載する。
委任状がなくても委任契約は有効だが、受任者が委任事項(例えば各種の申請手続)を実施する場合に委任状の提示を求められることがある。この場合には、委任状の発行が直近(通例は3ヵ月以内)でなければならないとされることが多い。
委任状には、委任の意思を表示するべく委任者が自署しなければならない。また、委任は多くの場合に代理権の授与を伴うが、このときには、委任状はその証拠となる。
なお、委任事項、受任者名などを記載せず、その白地部分の補充を他者に任せた委任状(これを「白紙委任状」という)を発行することがある。この場合には、白地が補充されたときに委任状の効力が発生する。ただし、補充権のない者が補充する、補充者が権限を濫用するなどの恐れがあり、白紙委任状の発行については、その是非を含めて十分な注意が必要である。