他人のなす行為について、それを肯定する旨の意思表示をする法律上の権限。法律の規定によって、一定の者が行なう一定の行為について、法律上完全な効力が生じるためには特定の者の同意が必要とされている場合に、その同意する権能が同意権である。
同意権を定める規定は民法に多い。たとえば、未成年者が法律行為をするには原則としてその法定代理人の同意を得なければならないが、同意を得ないで行なった行為は取り消すことができるとされている。あるいは、被保佐人が不動産等に関する権利の得喪を目的とする行為などをするときには、保佐人の同意を得なければならず、同意を得ないでなした行為は取り消すことができる。
同意権が及ぶ範囲、同意する方法、同意を得ないで行った行為の効力などは法律に規定されていて、定められた同意権ごとに異なる。