賃貸不動産が譲渡されたときに、賃貸人の地位が譲渡を受けた者に移転すること。民法に定められている制度である。
この移転は、賃貸借について、賃借権の登記、借地借家法の規定(登記がなくても建物の引き渡しがあれば対抗力が生じる旨の定め)などによる対抗要件が備わっていれば、原則として当然に(意思表示しなくても)効力を生じる。また、譲渡による賃貸人の地位の移転は、譲り受けた不動産について所有権移転登記をしなければ、賃借人に対抗できない。
なお、例外として、賃貸不動産を投資法人等が取得し、従前の所有者がその譲渡不動産を賃貸管理するために改めて賃借する場合には(もとからの賃借人は転借人となる)、売買当事者の合意によって、賃貸人の地位を譲渡した者に留保できることとされている。この場合、当事者間の賃貸借が終了すれば、賃貸人の地位は不動産の所有者に移転する。